お花屋さんで花束を頼もうと思っても、花の名前がわからない。知りたくても、名前が書いてない…。
お花屋さんで花を買おうと思ったとき、そんなふうに思ったことありませんか?
お花屋さんに出回っているお花の種類は膨大。季節ごとに出回る花も変わりますし、同じ花でも品種によって雰囲気が違ったりもします。(花屋も覚えるの大変なんですよ…)
それでも、ほぼ1年通じて出回っている「スタメン級」のお花はあるのです。
まずはこの9種類の名前がわかれば、お花屋さんに入るのも怖くない!
花屋で働く私が選んだ「1年間通じて手に入る基本の9種類」をご紹介しましょう。
バラ
みんな大好きな「バラ」。押しも押されぬ主役級ですね。
1本の茎に1輪の花が咲いている「スタンダード」と、1本の茎に小さな花が複数咲いている「スプレー咲き」があります。
色も、赤・ピンク・黄色・オレンジ・紫・白・茶系…などなど非常に豊富。ないのは青系だけと言っても過言ではありません。
バラというとこんな花姿を思い浮かべる方が多いですが↓
ころんと丸く咲くタイプのバラもありますし↓
こんなフリフリに咲くものも。↓
こんなんじゃバラってわからないよ!という人は葉っぱを見ましょう。バラの葉はどの品種でもこんな感じで共通しています。
ガーベラ
小学生が絵に描きそうな「ザ・お花!」のかたちのお花といえば「ガーベラ」。
お値段がお手頃(1本100~200円くらい)で、カラフルで存在感もあり、いつでも手に入る。非常に便利でいい子です。
花が大きい種類(大輪)と、小さい種類(小輪)があります。また、品種は膨大でいろんな色や咲き方があります。ただし、青系の色はありません(人工的に染めたものを除く)。
花びらがツンツンしている「スパイダー咲き」↓
花びらがくるんとしている品種↓
八重咲きでモリモリの品種↓
などなど。
花びらを傷つけないようにビニールのキャップをかけて売られています。
ガーベラは咲いた状態で出荷されるので、「つぼみ」の状態のものはありません。葉っぱがついていないのも特徴。
カーネーション
母の日に贈る花として定番の「カーネーション」。
こちらもバラ同様、1本の茎に1輪の花が咲いている「スタンダード」と、1本の茎に小さな花が複数咲いている「スプレー咲き」があります。
カーネーションも品種が膨大で、本当にいろんな色があります。赤・ピンク・白・黄色・オレンジ・グリーン・紫などはもちろん、花びらの縁だけ色が違う「複色系」や、ベージュやボルドー、茶系などの渋い色もとても豊富。
複色系は、こんなものや↓
こんなものも。↓
スプレー咲きのカーネーションには、変わった咲き方のものもあります。
茎や葉っぱを見ると「ああ、カーネーションだなあ」とわかります。ナデシコの仲間です。
トルコキキョウ(リシアンサス)
近年バラに次ぐ勢いで主役の座に躍り出ているのが「トルコキキョウ」。
流通する名前がやや不安定で「トルコキキョウ」と言ったり「リシアンサス」と言ったり「ユーストマ」と言ったりしている店もありますが、すべて同じ花です。
お値段はやや高め。ただし1本にいくつか花がついているので切り分けて使えますし、使い勝手は良いお花です。
色は、白・グリーン・クリーム色・ピンク濃淡・紫系が多く、近年はベージュやアプリコット系、くすんだ紫や茶系などの渋い色も出てきています。↓
昔ながらの「トルコキキョウ」といえばこんな感じの一重の花をイメージしますね。↓
現代は品種改良が進み、八重咲きの品種や↓
大きなフリル咲きの品種や↓
逆に清楚な小輪の一重咲きも。↓
本当にいろんな品種がうまれて出回っています。
「えっ!これもトルコキキョウ?」という驚きがある花です。
ユリ
こちらも往年の名スター・スタメン級。王道の「ユリ」です。
花屋によく出回っているのは、
大輪で香りも強い「オリエンタル系」ユリ↓
すっとしたラッパ型のユリ「テッポウユリ」↓
花は小さめでカラフルな「スカシユリ」「LAユリ」↓
の3系統。
よく聞く「カサブランカ」は、オリエンタル系ユリの中のひとつの品種です。
菊(マム)
菊はお供えの花でしょ?と言うのはもう古い!
近年は本当にいろんな種類のオシャレな菊が出回っており、贈りものとしても使われますし、普通に飾るのにも抵抗はないです。
こちらもバラ同様、1本の茎に1輪の花が咲いている「スタンダード」と、1本の茎に小さな花が複数咲いている「スプレー咲き」があります。特にスプレー咲きの品種は普段使いや花束に入れるのにも違和感なし。
いわゆるお供えやお葬式で使う菊。白、黄色、赤がメイン。↓
こちらもお供えによく使う、古くからある「小菊」。白、黄色、赤がメイン。↓
これに対し、最近出回っているオシャレな菊たちは、「菊」ではなく洋名で「マム」と言っています。
1輪咲きのマムには、
ピンポンマム。↓
大輪で美しく咲く種類のもの。↓
スプレー咲きのマム↓
色とりどりでオシャレ。素敵な花束に入っていても違和感なし。菊だからイヤ、とは言われなくなってきています。
アルストロメリア
よく見るけど、名前は知らない人も多いのではないでしょうか。アルストロメリア。
日持ちもよく、1本でボリュームが出るので、花束やスタンド花に欠かせない存在。スタメンだけど意外と名前は知られてない、渋い7番バッターみたいな感じでしょうか。
色は、白・ピンク・黄色・オレンジ・紫など、わかりやすい色はおおむねカバー。
カサを出すための脇役というイメージがありましたが、近年は1本で飾っても美しい品種もいろいろ生み出されています。
花びらにある斑点がちょっと…という意見もあり、最近は斑点のない品種(スポットレス)もあります。
デルフィニウム
「青い花」として欠かせない存在の「デルフィニウム」。青系の花といったらもう、コイツに頼りっぱなしです。
デルフィニウムの中にもいくつか種類があります。
大きく分けて、1本に長いタイプと、スプレー咲きのタイプがあります。
1本に長いタイプで、大きい品種。↓
1本に長いタイプで、小さい品種。↓
スプレー咲きの品種。↓
色は、青・水色・紫(ラベンダー)・白・ピンクなど。黄色やオレンジ系はありません。
カスミソウ
みんな知ってるまとめ役、「カスミソウ」。
ちょっと昭和の印象もあったりして、オシャレなお花屋さんでは置いてないこともありますが、それでもやっぱり優秀なまとめ役です。(ついでに言うと、使い方次第では全然古くないし、可愛いお花ですよ)
「カスミソウだけのブーケ」って今も頼む人はいますし、どんなお花に合わせてもふんわり馴染みます。
最近は人工的に染めたカスミソウも出回っています。最初はえー!と思ったけど、意外と可愛い。↓
カスミソウに似ている花については、こちらの記事にまとめました。
>>カスミソウに似ている花・カスミソウの代わりに使える花の名前6選!
まとめ。
すごくたくさんの花を紹介した感じがしますが、これでたった9種類。切花の品種の多さが実感できますねえ。品種改良でさらに毎年、新しい品種が続々うまれています。
お花の種類を見分けるときのポイントは、茎や葉っぱを見ること。
品種改良でお花の色や形は様々に変わりますが、茎や葉っぱの特徴はほとんど変わりません。「コレの仲間かな?」と推測するヒントになりますよ。
お花屋さんでよく見る花シリーズは他にも書いていますので、探しているお花を見つける参考にしてみてください。
>>花の名前、わかりますか?お花屋さんでよく見る花10選【春~spring~編】
>>花の名前、わかりますか?お花屋さんでよく見る花13選【南国トロピカル編】
>>花の名前、わかりますか?お花屋さんでよく見る花9選【ネイティブフラワー編】
写真でわかる!切花図鑑のもくじはこちらのページからどうぞ↓↓