みんな大好き、誰でも知ってる定番の切花「バラ」。お花屋さんにおける切花の王様といってもいいでしょう。
生産量・流通量も多く、一年中手に取ることができる切花のひとつです。
とにかく品種が多く、花屋の我々でも覚えるのに一苦労。それでも人々を惹きつけてやまない魅力が「バラ」なのでしょう。
今回は、切花としての「バラ」の基本情報をまとめました。
バラってこんなお花!
バラの基本情報です。
バラの基本情報
学名:Rosa
分類:バラ科 / バラ属
和名:薔薇 英名:rose(ローズ)
原産地:ヨーロッパ、北アメリカ、アジア
さすがにメインの花なので、常時おいてない花屋さんは少ないのでは。価格は1本200円~1本1000円以上するものまで様々。切花のバラ専門店なんかもあります。国産品も輸入品もあり。
「バラ」自体は1年中出回りますが、もちろん品種によっては手に入れにくい時期もあったりします。
1年中あるけど、旬の時期(初夏と秋)は色のノリもよく品質も良いものが多いです。
切花のバラには、スタンダード咲きとスプレー咲きがある。
切花のバラを買おう!と思ったら、まずはこの2つのスタイルを覚えましょう。
・1本の茎に1輪の花がついている=スタンダード咲き
・1本の茎に数輪の花がついている=スプレー咲き
スプレー咲きの方がボリュームはでるけど、1輪1輪は小さい。お好みで選んでくださいね。
バラの切花の飾り方・日保ちについて。
馴染み深い花のわりに、意外と上手に飾るのが難しい花でもあります。せっかく買ってきたのに、数日で花首がたれちゃった…という経験のある方も多いのでは。
ざっくり、飾るときの注意をまとめてみました。
多すぎる葉っぱは取ろう
葉っぱが多すぎると、水がうまくあがらなくて萎れてしまうことがあります。切花が水を吸い上げる早さより、葉っぱから水分が蒸発するのが早くなってしまうのです。
お花屋さんで処理してくれている場合もありますが、処理していないと最初はこんなにもっさーと葉っぱがついていることも。
↑これは花に対して明らかに葉っぱが多すぎ。
葉っぱは適度に間引きして、このくらいにするとよいですね。
茎は斜めに切るべし
バラを買ってきたら、茎の切り口を清潔なハサミでカットしてから水に活けましょう。そのとき、茎はななめに切ります。
断面に白いふわふわがあったら、ナイフなどでこそげ取るとなお良いです。
水替えをするときも、必ず茎をカットして切り口を新しくしましょう。新鮮な切り口から水を吸い上げてくれます。
活ける水は多めに。延命剤も効果あり!
「バラがすぐ萎れちゃうのよ」というお客様の話をよくよく聞いてみると、水が少なすぎる!ことが多いです。
バラは、水がうまくあがらないと花首からくたっと萎れてしまうので「萎れちゃった!」という印象の強い花。少ない水より、たっぷりめの水に活けた方が、水を吸い上げやすくなります。
また、水を吸い上げる導管を詰まらせないためには、水を清潔にしておくことが大事。抗菌材が入っている切花延命剤を使うのも有効です。
バラの花言葉は?
バラは色別に花言葉があります。
赤 『あなたを愛する』『熱烈な恋』『無垢で愛らしい』『貞節』
ピンク 『上品』『しとやか』『暖かい心』『満足』
白 『少女時代』『無邪気』『清純』『相思相愛』『尊敬』
黄色 『献身』『美』『さわやか』『あなたに恋しています』『嫉妬』
オレンジ 『無邪気』『魅惑』『信頼』『絆』
紫 『誇り』『上品』『尊敬』
おおむね良い花言葉ですが、「黄色のバラ=嫉妬」だけなぜか有名。気にする人は注意しましょう。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
品種は多彩!
切花バラの品種は本当に多彩です。花屋でも全部把握しているわけじゃないし、毎年新しい品種が登場しているのではないか…と思うほどです。
咲き方にもこんなにバリエーションがあります。
中心がツンと咲くいわゆる「バラらしい」剣弁咲き。
ふんわりカップ咲き。
オールドローズっぽいロゼット咲き。
フリルのように咲くタイプ。
花だけを見るとこれもバラなの?という品種もありますが、茎や葉を見れば一目瞭然。品種によって様々な魅力を楽しめます。
バラだけでも、他の花と合わせても。
贈りものの定番といえば、やっぱりバラ。バラで花束をつくるとき、合わせる花に迷うこともあるかもしれません。
パターンは4つ。
1.同じ品種のバラだけをたくさん束ねる
2.1+カスミソウなどの小花、またはグリーン
3.いろんな品種のバラを混ぜてバラだけを束ねる
4.いろんな花やグリーンを混ぜた中にバラを入れる
こんなところでしょうか。
100本のバラ、12本のバラ(ダズンローズ)など本数にこだわるのもいいですね。
ちょっと「ツウ」な、オススメの買い方。
以前働いていた花屋に、ときどき自分用のバラを買いに来るお客様がいました。
それも、決まった品種を10本、予約してくださるのです。(香りの良い品種でした)
10本単位なら花屋も快く仕入れられるし(市場にはロットがあります)、自分のためだけに仕入れられたバラなので鮮度もばっちり。
10本まとめて飾ったら、香りもたっぷり楽しめるだろうな〜と思いました。
お気に入りの品種を見つけて、自分へのご褒美にしているとのこと。なんてツウな買い方!と思ったものです。
気に入った品種を見つけたら、思いきって試してみてはいかがでしょうか。
切花のバラ、まとめ。
バラ、まとめです。
・バラは切花の王様!
・そのわりに、長持ちさせるのにちょっとコツがいる。
・活けるときは葉を減らし、茎の切り口はななめにカット。こまめな水替えか、延命剤を利用しよう。
・贈りものには王道!!
・自分用には、お気に入りの品種を見つけると楽しいかも。
切花の王様、バラ。
いつも花屋にあるけれど、品種や色にこだわってみたり、贈り方を工夫したり、深堀りするとなかなか奥が深いです。
一歩踏み込んで楽しんでみるのもいいですよ。