お花屋さんの切花の中でもメジャー級の「ガーベラ」。安くて可愛くていろんな色があって一年中手に入って、ちょっとした花束やアレンジに大活躍。
バラやカーネーションと並ぶ、必要不可欠なスタメン選手です。
そんなガーベラの特徴、長持ちさせるコツ、新しい品種などを紹介します。
ガーベラってこんなお花!
ガーベラの基本情報です。
ガーベラの基本情報
学名:Gerbera jamesonii Hybrid
分類:キク科 / ガーベラ属
和名:オオセンボンヤリ 英名:gerbera
原産地:南アフリカ
みんな大好き切花のガーベラは、1年を通して出回っています。特に出荷が多いのは3~4月だとか。
通常お店でよく見かけるのは「ミニガーベラ」と言われる小輪タイプのもの。1本100~200円程度のお手頃価格。
(あえて「ミニ」とは書いておらず、大きいガーベラの方を「大輪ガーベラ」と言ったりもします。ややこしいけど、小さいタイプと大きいタイプがあると覚えておいてください)
大輪のガーベラは1本300円くらい~で、スタンド花や大型のアレンジなどに活躍します。
スパイダー咲き、八重咲きなど咲き方で品種もさまざま。色も(青以外は)カラフルに揃います。
有名な生産地は静岡、宮城、福岡など。出荷量ではダントツで静岡県の生産が多いのも特徴です。
ガーベラの切花の飾り方・日保ちについて。
ビニールキャップは取る
ガーベラの花は、流通段階ではビニールキャップがかかっています。生花店では取って売られることも多いですが、ついたまま販売する場合もあります。
その場合は、飾る前にビニールキャップを取り除いてください。
キャップの下の方をつまんで、下にひっぱります。
ガーベラの切花、日持ちはする?
「ガーベラは花もちがよくない、すぐ花首がたれちゃう」という印象がありませんか?茎も腐りやすいし、暑い季節に「すぐ枯れちゃった…」という記憶を持つ人も多いかもしれません。
ガーベラはもつ花かどうか?と言われると確かに難しいのですが、「コツをおさえて飾れば結構もつのですよ」と言いたい。
いいガーベラを選んでちゃんと飾れば、1週間はじゅうぶん楽しめます。
ガーベラの茎は腐りやすい。水は浅く、清潔に保つべし!
まず押さえておきたいのは「ガーベラの茎は腐りやすい」こと。ガーベラを長く楽しむには、活ける水と、茎の切り口を清潔に保つことが大事です。
水はたっぷりではなく、浅水にしましょう。2~3センチの深さで十分。水替えをするたびに茎はカットし、新しい断面から水を吸えるようにしましょう。
切り口を見て茶色くなっていたら、茶色くないところまで切りましょう。フレッシュな切り口から水を吸い上げられるように。
切り口が茶色く傷んでいます。
切り戻していくと、きれいな切り口になりました。
ガーベラの茎はまっすぐ切る。
一般に、「切花の切り口は斜めに切る」のが基本。切り口の断面積を増やし、水を吸い上げやすくするためです。
が、ガーベラの切り口は腐りやすいので、茎はまっすぐ切ります。
良いガーベラを、だんだん短くしながら飾る。
まずはお店で良いガーベラを選ぶのが大事。新しく、切り口が清潔かどうかチェックしましょう。
買ってきたガーベラは、こまめに水を替え、だんだん短くカットしていきながら楽しみましょう。最後は花だけ水に浮かべても良いかも。
輪ゴムなどで束ねてあると、茎がそこからつぶれたり腐ったりしやすいので、なるべく外した方が元気に飾れますよ。
ガーベラの花言葉は?
花言葉は、『希望』『前向き』『美しさ』 など。
色別には
赤『神秘の愛』『限りなき挑戦』
ピンク『崇高な愛』『思いやり』
オレンジ『忍耐強さ』『冒険心』
黄色『究極の愛』『やさしさ』
などがあります。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
ガーベラだけで飾る
どんなお花とも相性はいいのですが、初めての方はガーベラだけで飾ってみましょう。水を少なめにしたり、風通しよく飾るのも、多種類が混じっているとやりにくいですからね。
ガーベラと一口に言っても、ものすごい種類の品種があります。いろんな色を混ぜてカラフルに飾るもよし、単色でシンプルに飾るもよし。
最初は、「ガーベラ+葉物1種類」くらいで飾ってみると、手入れも楽ちんですよ。
贈りものには、カラフルな色を楽しもう
ギフトの花束やアレンジにも、ガーベラが使われる機会は多いと思います。
豊富な色を生かして、「●●色系の花束」みたいな注文にも、ほぼこたえられるガーベラ。花屋としては大変ありがたい。
色んな花の中にあるガーベラも良いですが、たまには「ガーベラだけ」の花束もおすすめ。いろんな色を入れても同じ種類だからまとまりがありますし、単色~2色くらいでまとめても素敵。
なにより1本あたりの価格がお手頃なガーベラです。10本束ねても2000円でおつりがくるかも。低予算でインパクトある花束になること請け合いです。(単品でつくる花束は本数が必要になるので、事前に予約をしてくださいね)
ガーベラの豆知識いろいろ。
茎の根元「基部」は切る?切らない?
市場から仕入れてきたガーベラは、茎の根元がこんな感じになっています。
収穫の際、ハサミを使わずに引き抜くために、白い毛が生えている「基部」の部分が残っているのです。水あげのとき、これを切っていいのか?(切らない方がいい!という人もいますね)
この「基部」を切り取ると、今まで植物体内に溜めていた糖分が流れ出し、水に雑菌が繁殖しやすくなる品種もあるとか。
なので、基部を切り取ったガーベラはいったんバケツなどで休ませ(糖を出し切らせ)てから、花瓶に活けるとよいそうです。
お客さんの手元に渡るときには「基部」は切り取られていることが多いと思いますが、花屋的マメ知識です。
無花粉の品種とは
茎や切り口を清潔に!することがガーベラ長持ちの秘訣ですが、もうひとつ、ガーベラをダメにする原因が「花の中のカビ」。
これは、お花屋さんのジメジメした場所にストックしているときなどに起こりやすい。新聞紙をはずして、ビニールキャップをはずして、さあ使おう!と思ったら花の中央部分にカビが生えてて使えない!!というやつです。
これを防ぐために改良されたのが「花粉の出ない品種」です。
有名なのは「フルーツケーキシリーズ」など。花粉が出ないので花の中央にカビが生えにくく、花もちも良いとされています。
「つぼみのガーベラ」はあるのか。
花屋で働いているとよく言われるのが「なるべくつぼみの花ください」。
でも、基本的にガーベラは咲いてから出荷されるので、”つぼみのガーベラ”はありません。ビニールのキャップを外せば、みんな平等にひらいたガーベラ。
……だったのですが。
なんと最近、「つぼみの状態のガーベラ」を出荷している生産者さんがいます。まだまだ出回り量は少ないですが、花が開いていく様子を楽しんでもらおうという心意気なのだそう。
お花としてのパッと見の華やかさはないけど、これはこれで面白いかも。「つぼみのガーベラは出回らないんですよ」なんて、言えなくなるかもしれませんね。
関連記事:ガーベラの咲き方にはどんな種類がある?人気のガーベラを解説します
切花のガーベラ、まとめ。
ガーベラ、まとめです。
・1年中出回る、どんなお花屋さんにもだいたいある、切花界のスタメン選手。
・品種も色もたくさん。大輪ガーベラとミニガーベラがある。
・飾るときは水を浅水に。水替えのたびに茎をこまめに切って清潔に。
・新しい品種も続々。「つぼみのガーベラ」も出回り始めている。
手ごろで身近だけど、意外と奥深いガーベラの世界。いつでも近所のお花屋さんで買えるので、ぜひじっくり楽しんでみてくださいね。
鉢植えのガーベラについてはこちら。
参考サイト
浜松PCガーベラの産地レポート。ビニールキャップかぶせ装置がスゴイ!
大輪ガーベラをつくる平塚市の松木園芸さんレポ。大輪のよさがよくわかります。
愛知県TOKIYAガーベラ レポート。ガーベラの悩み、花びらの反り返りについても。
ガーベラの産地といえば、シェアトップは静岡県。作付面積のデータなど。
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