まだ寒い時期に、蝋細工のような黄色い小さな花を咲かせるロウバイ。香りもよく、お正月の生け花にもよく使われる枝ものです。
ウメに似た花を咲かせますが、ウメとはちがう種類のお花です。今回は、早春の花ロウバイをご紹介します。
ロウバイってこんな枝もの

ロウバイの基本情報です。
・分類:ロウバイ科ロウバイ属
・原産地:中国
・和名:蝋梅(ロウバイ)
・別名:カラウメ(唐梅)
ロウバイは、江戸時代に渡来してきた花です。中国ではロウバイ、ツバキ、ウメ、スイセンを「雪中四花」(せっちゅうしか)と呼んで、冬の花として親しんできました。
ロウバイという名前は、花びらが蝋のような光沢を持っていてウメの花に形が似ていることからついたという説があります。また、陰暦12月の異名「蝋月」(ろうげつ)にウメに似た花を咲かせることからついたという説もあるそうです。
庭木としてもよく見かけますね。2mから4mくらいになる落葉低木です。
ロウバイの出回り時期、選び方
ロウバイはお正月の定番

ロウバイは、12月から2月にかけて多く出回ります。一番多く見るのは年末、お正月用の花としてでしょう。
80~120センチの枝が600~800円くらいが一般的。最近はご自宅でも活けやすいような短い枝も出回っていてお手頃に入手できることも。
見た目は、黄色い花びらが蝋のような質感で透き通っており、枝は直線的です。
ロウバイの一番の魅力は甘い香り。
一枝いけるだけで、部屋の中がほんのり香るほどです。凛とした冬の寒さによく似合いますね。
選ぶときは花つきのよいものを

ロウバイを選ぶときは、枝ぶりを見て、つぼみがたくさんついたもの、花つきのよいものにしましょう。ロウバイの花はぽろりと落ちやすいので、注意して取り扱いましょう。
ロウバイの飾り方、日もち
ロウバイの水あげ、日もち

つぼみはゆっくりと咲いてくれますので、比較的日持ちはよいでしょう。ぶつかったり引っ掛けたりするとつぼみが落ちてしまうので注意。

水揚げは、水切りか根元割りを。枝が太い場合は十字に割りを入れて水あげするとよいでしょう。
生け花やアレンジメントに

ロウバイだけで花びんにさしてもよいし、花だけお皿に浮かべたりしてもきれいです。
また、ロウバイは茶花や生け花でも早春の花材として欠かせない存在です。アレンジに使うときは、キク、スイセンなどと合わせて和の雰囲気にすることもできますし、洋風にも使えます。大きめのスカシユリなどと合わせたり、スイートピーなど春のお花と合わせてもよいでしょう。

飾るときは、正面にお花がたくさんついているところをもってくるなど注意しましょう。
ロウバイのお花は落ちやすいので、取り扱いには注意が必要です。そっと置いたり、アレンジでもほかの花と枝がからまないようにするなど、気をつけましょう。
ロウバイがあるだけで部屋の中に香りが広がり、すがすがしい早春の雰囲気が漂い、お花の少ない時期にありがたい存在です。
ロウバイの花言葉

ロウバイの花言葉は、『ゆかしさ(奥ゆかしさ)』『愛情』『慈愛』です。
厳寒期にうつむきかげんに咲く姿を思うと、なるほどとうなずけますね。
ロウバイのまとめ
ロウバイのまとめです。
・ロウバイは黄色い蝋細工のようなつやのある香り高い花をつける
・出回り時期は主に12月から2月にかけて
・生け花やアレンジメントに使えるが、花が落ちやすいので注意が必要
寒い時期にだけ出回るロウバイ。お正月の花にもぴったりです。
お花屋さんで見かけたら、ぜひ手に入れて、ロウバイの奥ゆかしい花姿、甘い香りを味わってくださいね。