花屋さんで人気の切花のひとつに『ガーベラ』があります。
誰が見ても「お花!」っぽい見た目と、カラフルな色バリエーション。1本あたりはお手頃な価格で、初心者の方でも手に取りやすい花ナンバーワンなのではないでしょうか。
そんなガーベラですが、じつは色々な種類や咲き方があります。
咲き方の種類や品種を覚えて、より深くガーベラの魅力にせまってみましょう!
切花には、大輪ガーベラと小輪ガーベラがある
お花屋さんでよく見かけるガーベラは、本来「ミニガーベラ」という小さいタイプのガーベラ。ガーベラには小輪のミニガーベラと、それより一回り大きい大輪ガーベラがあります。
並べてみると一目瞭然ですね。
ミニガーベラ(普通に”ガーベラ”と呼ぶことの方が多い)は、お店で買うと1本150円くらい。ごく普通に、ミニブーケやアレンジメントに入っているガーベラです。
花の直径は7㎝くらいでしょうか。
大輪のガーベラは、お店で買うと1本300円くらいから。直径は10㎝以上にもなります。
インパクトがあり、色で面積を埋めてくれるので、スタンド花や大型のアレンジメントに大活躍。いつも店頭に並んでいるというより、大型の注文が入ったときに仕入れる花、という感じかもしれません。
ミニガーベラも大輪ガーベラも、それぞれ、色々な色の品種があります。白・ピンク・赤・黄色・オレンジなど、メジャーな色はほぼ揃うと思います。
黒目と白目(芯黒と芯白)がある
もうひとつ、ガーベラの雰囲気を変えるのは「中心部分の色」。
黒いタイプと白いタイプがあり、花屋さんは「芯黒・芯白」や「黒目・白目」と言ったりします。
品種名がわからなくても、「黄色系の、黒目のガーベラ」などと言うと、イメージが伝わりやすいですね。
ガーベラの咲き方は7種類
一重咲き
一番スタンダードなのは『一重咲き』。
中心から同じ大きさの花弁が放射状にひろがっている、いわゆる「お花っぽい」絵に描けそうなガーベラです。
半八重咲き(セミダブル)
中心に近い部分に小さな花びらが重なって密集している咲き方は『半八重咲き』。セミダブルと言ったりします。
こちらもよく見かけるタイプですね。
八重咲き(フルダブル)
半八重咲きよりさらにモリモリと花びらが重なっているのが『八重咲き』。こちらはフルダブルと言ったりします。
中心に近い方は小さな花びら、徐々に大きくなっていく花びらがみっしりと重なって咲いています。
スパイダー咲き
つんつんと尖った花びらが印象的なのは『スパイダー咲き』。可愛いけれどシャープな雰囲気もあり、一味違ったガーベラを楽しみたいときにおすすめです。
カール咲き
個性的な咲き方のガーベラといえば、『カール咲き』。
品種では、”パスタ”シリーズが有名ですね。写真の品種は”パスタベネチア”。
ポンポン咲き
たくさんの花びらがぎゅっとつまって咲く『ポンポン咲き』。
八重咲きと似ているかな?と思うのですが、「ポンポン咲き」とうたっている品種もあるので別枠にしました。
八重咲きよりさらに花びらが多く、横から見ると、ダリアや菊のように中心が盛り上がっています。
写真のガーベラは”ストラ”という品種。
その他・変わり咲き
その他に、『○○咲き』と分類できないような変わったガーベラもあります。
たとえば、緑色の”ポコロコ”という品種。ガーベラの中心部だけが緑のマリモみたいな、かなりの変わり者。黒くてまんまるの”ブラックマリモ”なんて品種もあります。
つぼみのガーベラはありますか?
お花屋さんで働いているとたまに聞かれるのが、「もっとつぼみのガーベラはないんですか?」。
お花はなんとなく「つぼみ」を買った方が長く楽しめそうだし、お得な感じがする…という消費者心理なのかと思います。
「でも、ガーベラはちゃんと開花してから出荷される花なので、つぼみのガーベラはないんですよ~」と答えていました。ええ、ひとむかし前までは。
なんと現在は、「つぼみのガーベラ」を出荷している生産者さんがいらっしゃいます…!!
どうでしょうか。これ、みんな同じ品種なんです。咲き進み具合が違うだけで、こんなに表情が違うのですね。↓↓
このガーベラを出荷しているのは、静岡県の「アドアーフローカ」さん。
花開いていく「変化」を楽しんでほしくて、つぼみのガーベラを出荷するようになったそう。
ぱかっと均一に揃ったガーベラにはない魅力がありますね。また、自宅で花が開いて変化していく様子が楽しめるのも素敵。
『ガーベラは最初からひらいたお花』というイメージも、そのうち過去のものになるかもしれません。
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ガーベラは、切花だけでなく鉢植えも人気。鉢植えではここまで多くの咲き方はありませんが、セミダブルやスパイダー咲きはたまに見かけます。