お花屋さんで切花を買うと、おまけのように小袋の薬品を付けてくれることがあります。
これは、切花を長持ちさせるための『切花延命剤』。
お花によってはとても効果があるのでぜひ使ってほしいのですが、どうやって使うかわからない…という方も多いようです。
花瓶の水に全部入れちゃっていいの?
最初に入れたら、水替えはしなくていいの?
水替えのときは延命剤を入れなくていいの?
今回は、そんな疑問にすべてお答えするべく、「お花屋さんがくれる小袋の切花延命剤の上手な使い方」についてまとめてみました!
切花延命剤って何が入ってるの?
切花延命剤の成分は主にふたつ。
①栄養(糖分)
②抗菌剤
です。切花は根を切り取られてしまっているので、つぼみを咲かせる力を土から補給することができません。そこで必要なのが栄養素。主に糖分です。
特につぼみの固い花や小花がたくさん付いた花などは、咲くために大きなエネルギーが必要。栄養補給の効果も出やすいのです。
ところが糖分を水に加えると、バクテリアも発生しやすくなります。水中にバクテリアが多くなると、茎の導管(水を吸い上げる管)を詰まらせてしまい、切花が早くしおれる原因になります。水中のバクテリアをふやさないために、殺菌成分が配合されています。
小袋の延命剤は、500mlの水に1袋入れるのがベスト
お花屋さんが付けてくれる小さな小袋の延命剤は、だいたい500mlの水に溶かして使うものが多いです。(いろいろなメーカーのものがあるので、表示を読んでみてくださいね)
いつ入れるのがいいの?と聞かれることがありますが、これから花を咲かせる栄養が入っているので、買ってきて最初に活けるときから使ってください。
方法①花瓶の水に直接延命剤を入れる
大きめの花瓶に活ける人は、そのまま延命剤を入れてしまってもいいです。ひょっとすると水が500mlより多いので、ちょっと薄いかもしれませんが、濃すぎることはないのでまあいいでしょう。
もちろん本当は、規定の割合で延命剤を入れた方が効果は高くなります。でもだいたいオマケでもらえる小袋は1袋だと思うので、使わないよりは使った方がいいです。
方法②ペットボトルに延命剤入りの水を作ってから使う
小さい花瓶に活ける場合などは、小袋の延命剤1袋を入れると明らかに多いですね。その場合は、500mlの水を測り、そこに延命剤を溶かした「延命剤入りの水」を先に作りましょう。
小さいペットボトルがちょうど500mlなので、計量カップがない人はペットボトルを活用するといいですね。しっかり溶かしたら、花瓶に注いで使います。
あまった「延命剤入りの水」はそのままペットボトルに取っておいて、花瓶の水が減ってきたら足したり、水替えのときに使えます。
よく使う花瓶の容量を測っておくと便利
とはいえ、500mlの水がどれくらいなのか、あまりピンときませんよね。
一番いいのは、自分がよく使う花瓶は何mlの水が入るのか、一度測っておくこと。
一度やっておけば、この花瓶だったら1袋入れて大丈夫だな、とわかるようになります。
延命剤を入れたら、水は替えなくていい?
延命剤のメーカーさんの説明を読むと「延命剤を入れれば水替えしなくてOK!」とうたっていることもあるのですが、これは100%鵜呑みにはできません。
結論から言うと、延命剤を入れたとしても水替えは必要です。
延命剤を入れたから大丈夫だろう…と夏の暑い時期に1週間放っておいたら、どうやっても花瓶の水は濁ります。そして濁るということはバクテリアが発生しているということなので、切花によいはずがないのです。
じゃあどれくらいのペースで水替えすればいいの?と聞かれるのですが、水がどのくらいのペースで汚れるかは、一概には言えません。気温や、活けている植物の種類によって大きく変わるからです。
個人的には、延命剤を入れて活けたら2~3日はそのまま。あとは水の濁り具合や花の様子を見て替えることが多いです。
涼しい時期なら1週間全然替えないこともあるし、こればかりは何とも言えません。(もちろんマメな方は毎日替えたっていいんですよ)
水を替えるときは延命剤を入れなくていいの?
水を替えたら、最初に入れた延命剤の効果がなくなっちゃうのでは?と思いますよね。
ハイ、確かにそのとおり。なので、水を替えるときも、新しい水にはまた延命剤を入れるのがベストです。
お花屋さんが付けてくれる小袋の延命剤はあくまでオマケ。試供品のようなものです。水替えのときには、自分で用意した延命剤を入れるのが本当はおすすめ。
切花延命剤はボトルで売っていますので、よく花を飾る方は1本持っておくといいと思います。おまけで小袋を付けてくれるお花屋さんなら、たぶんボトルも売っているはず。
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「お花屋さんでもらえる切花延命剤の上手な使い方」まとめ
「お花屋さんでもらえる切花延命剤」、まとめです。
・500mlの水に1袋入れるのが適量
・小さい花瓶を使う人は、ペットボトルで延命剤入りの水を作っておくと便利
・自分の持っている花瓶に入る水の分量を量っておくとよい
また、
・延命剤を入れても、水替えはした方がいい(特に暑い時期)
・水替えするときは、新しい水にも延命剤を入れるのがベスト
・お花屋さんがくれる小袋はあくまでサービス品。延命剤はボトルで買っておくとなお良し
いかがだったでしょうか?
最近は切花延命剤の小袋をつけてくれるお花屋さんがふえました。せっかくもらえるものなので、上手に使えるようにポイントを押さえておいてくださいね。
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