「暑くて花がもたないわねえ」「なにか、もつ花ないかしら?」
夏の花屋は毎日のようにそんなことを言われます。
まあねえ、涼しい時期に比べたらもたないよねえ…と内心ため息をつきつつ、お花選びのお手伝いをすることになります。
でも、夏だからこそ楽しめるお花もあるし、「もちがいい」と言ってもいろんなタイプのお花があるのです。
「そうですねえ、コレなんかは比較的もちがいいですよ?」
と紹介するお花たちをまとめてみました。
7~8月に、普通のお花屋さんで買えるものばかりです。花選びの参考に、どうぞ。
夏らしい花! ― 硬くて丈夫で強いタイプ ―
夏の花は比較的暑さに強いもの。そのなかでも、硬くて傷みにくいタイプの花たちです。
このタイプはドライにもなりやすいものが多い。主役級!とはいきませんが、季節感があって素敵なものが多いですよ。
ルリタマアザミ
紫色のトゲトゲ、アザミの仲間。硬くて傷みにくくて丈夫だし、ドライにしても可愛いです。夏しか買えない、季節限定のお花。
ベニバナ
染めものにも使うベニバナ。切花としても出回っています。小さな花火のようで可愛い。花は枯れてチリチリになってきますが、茎や葉もしっかりしているので、ドライにしても。
エリンジューム
ルリタマアザミに少し似ている、こちらもアザミの仲間。最近いろんな品種が出てきて、小さいものや大きいものいろいろあります。雰囲気変わらずドライにも良し。
ヒメヒマワリ
ヒメヒマワリ”旭”という品種が切花として多く出回ります。お盆やお彼岸の仏花に入れることも多い、暑さに強い花。枝分かれしてボリュームあるので、切り分けて飾るのにも最適。
スターチス
おなじみ「ドライフラワーになりやすい花」の代表。生花として水に活けるときは、茎(についている葉っぱのような部分がある)が腐りやすいので、水を少なめにすると良いです。
最近は色バリエーションも豊富。ドライフラワーにするなら、最初からドライフラワーにしちゃった方がキレイにできます。
センニチコウ
こちらもドライフラワーになりやすい花です。晩夏~秋が旬。ピンク、白などのバリエーションも豊富。
お花は「千日たっても美しい色がのこる」という名前のとおり、ドライにしても色がキレイです。
南国の花!― 南国出身、夏のイメージを演出するタイプ ―
熱帯・亜熱帯から来た、南国出身のお花たちのグループ。夏らしい雰囲気を演出してくれます。水に強いので、夏は水に浮かべるなどの飾り方も楽しい。
季節を通じてもちは良い方ですが、暑さにすごく強いかというと、やや微妙。涼しい季節の方が、やっぱり長持ちはします。
ランの仲間
写真は「モカラ」というラン。ビビットなピンクや赤、オレンジなどのバリエーションもあります。ほかに「デンファレ」なども手に入りやすいラン。
茎が傷んできたら花を摘んでしまいましょう。1輪でお皿に乗せたり、水に浮かべたり、水に沈めて水中花のように楽しんだり、花1輪でもけっこう楽しめます。
クルクマ
タイを代表する花としても知られる、ショウガの仲間。ピンク、白、グリーンなどの品種があります。
夏限定で出回るので、夏にぜひ楽しんでほしい花のひとつ。花もちも良好です。
アンスリウム
ザ・南国!イメージのアンスリウム。真っ赤で大きいのはちょっと…という方も、最近は花色もピンク、白、グリーン、紫など豊富になっています。お花の大きさも様々。
1輪+葉っぱで十分存在感あるので、お気に入りの色をみつけたら是非。
咲きながら長持ち!― 咲き進みながら長持ちするタイプ ―
季節を通じて「長持ちする」と言われるグループですが、「そのままの形で長持ちする」わけではありません。
順々に花が咲いていって、最後の花が咲き終わるまで楽しめる。そういう意味で、「長持ちする」花たちです。
順々に咲いていくので、最初に咲いた花は枯れていく。なので、こまめな手入れは必要です。
また、涼しい時期に比べれば、やっぱり咲き進むのは早いです。
ユリの仲間
長持ちする花=ユリ、というくらいの代表選手。カサブランカなどに代表される「オリエンタル系」という大きいタイプのユリは、最後のつぼみが咲くまで時間もかかり、しっかり最後まで楽しめます。
グラジオラス
こちらは夏代表の球根花。完全につぼみの状態のものを買うと、下から順々に花が咲いていくのが楽しめます。
縦に長いお花なので、背の高いシンプルな花瓶にこれだけ飾って、咲き進んでいくのを楽しんでみてはどうでしょうか。
まとめ。
夏はどうしても花がもちにくい季節です。それはもう、否定できません。
それでも、この季節にしかない花や、この季節だからこその飾り方もあります。紹介したお花をお花屋さんで見つけたら、ぜひ試してみてくださいね。
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