お花屋さんの業界誌と言えば、誠文堂新光社の『フローリスト』。
現在、隔月刊で発行されていますが、バラエティに富む充実した内容になっています。
今回は、「アニバーサリーフォト」の特集。花を用いて記念写真を撮る人が増えていますね。アニバーサリーフォトを扱っているお花屋さんが紹介されています。やり方もそれぞれ個性あふれる方法で、写真を眺めながら記事を読むのも楽しい。
さっそく見ていきましょう!
特集:記念日を花で彩るアニバーサリーフォト
全国各地でアニバーサリーフォトを扱っているお花屋さんのスタジオの様子を紹介しています。登場するお花屋さんは次の通り。
・ace florist Ichinomiya
コンクリートに囲まれた空間で自由度の高い撮影を行っています。あえて装飾はせず、アンティークの小道具の数々を活用できるスタイルを取っています。
・Chachette photo studio
ドライフラワーに囲まれた空間で隠れ家にスリップした気分になれます。
・studio womb
日本のニューボーンフォトを牽引しているスタジオ。花を生かしたオリジナルポーズを考案しています。
・bouquet erabell
オリジナルの造花ブーケと空間演出により、ドラマティックなフォトウエディングを実現しています。
・#花とフォト
花を全面に出したフォトウエディングサービスで、花店を中心とした花き業界の有志から生まれたプロジェクト。
・GREEN STUDIO
緑あふれる空間とシンプルな背景がナチュラルな表情を引き出してくれるオープンスタジオ。
・花Lab.Humor
韓国のトレンド「セルフフォト」。フローリストが手がけた空間で装飾されたセルフフォトスタジオ。
アイドル、声優、アニメキャラクターも花で推し活!
アイドルやキャラクターなど推しを応援する活動全般を「推し活」と呼びますが、花を使った推し活の実態に迫った記事。
推す気持ちになって提案、制作する唯一無二のフラスタ
東京六本木のカリアンでは、月に数回フラスタを手がけています。代表の横山さんにカリアンが制作したフラスタについて詳しく聞いた記事。フラスタの裏側がよく分かります。
専門店に学ぶフラスタのスタンダード
フラスタは未経験のフローリストに、「ハナノキ」の遠藤さんがフラスタで使う花材やポイント、作り方などを解説してもらった記事です。これを読むと、フラスタが作れそうな気になります。
ハナノキさんはハナラボにも過去登場してもらったことがありますね。オタクの花がついにフローリストにも載るようになったのね…と感慨深いです。
推しグループのメンバー誕生日をメンバーカラーの花で祝う!
花で推し活を楽しんでいるファンのリアルを伝える記事。インスタグラマーSmithさんに推し活の様子をインタビューしています。花瓶にも凝るのはさすが。
推しの花を飾る日常とその思考、特別な日の花店注文まで
花で推し活に目覚めたオタクの思考と実態に迫った記事。推し活のリアルな気持ちが伝わってきます。推しにもいろいろなやり方があるのですね。
佐々木直喜の無私の花
三重県にある花店「こもの花苑」の二代目佐々木直喜さんがオープンさせた「ns komonokaen」は、大きな敷地に魅せる空間がデザインされており、スタジオも併設されています。唯一無二のフラワーショップとして存在しています。
連載記事
花束の解剖学
今回は「花の長さのバランスを検証する」という記事。アマランサスなどしなる花材を用いて流れを見せる花束で長さの異なる花材を束ね、動きのある印象になっています。
季節の枝物
10月の枝物:ハナナス
高低差をつけて実を配置し、秋を表現したアレンジ。
11月の枝物:フェイジョア
フェイジョアの葉を間引いてラインをしっかり出したアレンジ。
ボタニカル・メタモルフォーシス
今回は、「カラーリーフを使った秋を感じる造形」。ニューサイランのエッジの美しさに着目して配置し、シキンカラマツとルリタマアザミを配したアレンジです。
ドラセナを利用したバリエーションも載っています。
バラの解体図譜
世田谷花きバラ担当による連載。今回は「ナイチンゲール!」。
花色はピンクがかった紫色で、季節によってはラベンダー色が強くなります。剣弁高芯咲きの花形で、香りはありません。日持ちはとてもよいバラです。
旬花探訪
今回は、長野県南部上伊那地域、JA上伊那花き部会のトルコギキョウ。JA上伊那は農業生産に適した気候で、トルコギキョウは夏秋期の需要を支える大きな存在です。作付けの8割が部会のオリジナル品種で、気候に合わせた最適な品種を作り、安定的な生産をめざしています。
若い後継者が多いJA上伊那のトルコギキョウは、品種の変遷にも注目されます。
まとめ。
今回は、アニバーサリーフォトや推し活の話など、花屋の世界も広いなあと実感する回でした。経験していないとよく分からない世界でしたが、なるほどと納得。
次号の特集は「今年のクリスマスこそリースでゲストを迎えたい」「個性が光る!お花屋さんの正月飾り」です。年末に向けて、うれしい特集ですね。楽しみにしましょう。