お花のある暮らしをしたい―。そんな方向けに、定期的にお花がとどくサブスクリプションサービスがふえています。
ポストに届く気軽なものが多いですが、最近は宅配便を使って届けてくれる高価格帯のサービスもふえてきました。宅配便ならボリュームも大きくできるので、たっぷりお花を飾りたい、長い丈でお花を飾りたい人にも嬉しいですよね。
宅配で届くお花の定期便の中から今回は『LIFFT(リフト)』を試してみました。
LIFFTは、代々木上原に本店をもつ「ex.flower shop」を運営している会社のサービス。おしゃれな花屋さん情報に感度が高い人は、聞いたことがあるのではないでしょうか。「霽れと褻(ハレトケ)」というサブスクリプションサービスも展開しており、新しいサービスとしてリリースされたのがLIFFTです。
注目のお花屋さんの定期便サービスはどんな感じ?センスは?鮮度はどうなの?
そんな疑問を解消するべく、ハナラボがプロ目線で(自腹で)レビューします!それでは行ってみましょう。
『LIFFT(リフト)』はどんなサービス?

LIFFTのコンセプトは『農園から皆さまのお手元へ』。
LIFFTでは提携している農園があり、注文が入ってから採花。それをお客様に届けます。
中間業者を極力省き最適な輸送手段を選ぶことで、移動中の花の傷みを最小限に抑え、
高品質な状態を維持。また、在庫維持に必要な人件費、廃棄ロス等を削ることでお客様へ適正な価格でご提供しています(HPより)
従来の流通(農場で採花された花が市場へ運ばれ、花屋に並び、お客様の手に渡る)では、途中の段階でたくさんのロスがうまれていました。それを極力カットし、作り手とお客さんを直接つなぐ試みとなっています。これはなかなか新しい。
ホームページからはギフト花束なども注文でき、定期便だけのサービスではありません。新しい取り組みにチャレンジしているネットのお花屋さん、という感じです。
『LIFFT(リフト)』申込方法
LIFFTの申込みはインターネットから。必要事項を記入し、クレジットカード登録をすれば申込完了です。
後述しますが、LIFFTの定期便は「月1回」のみ。なので、申し込んですぐに花が届く!というわけではありません。
申し込みから第1回のお花が届くまで、タイミングによっては少し待つことも。すぐに欲しい!という方にはおすすめしません。のんびり待ちましょう。
▼申し込みページ▼
お花の定期便 LIFFT
『LIFFT(リフト)』で選べるプラン

色やボリュームが選べたり、配達頻度が選べたり…豊富なプランの定期便サービスも多く出ていますが、LIFFTのプランは「月3300円で、月1回お届け」のひとつ。
バリエーションとして、
・初回のみ花瓶がついてくる「花瓶セットプラン」
・毎回コーヒー豆がついてくる「コーヒー豆セットプラン」
がありますが、お花としては一律おなじブーケが月1回届くのみです。
この潔さこそが、LIFFTの魅力。花をLIFFT側が指定するからこそ、農園からの直送や、ボリュームたっぷりの読み物(あとで詳しく解説します)を実現することができているのでしょう。
追記(2022.6):もっと気軽に頼めるライトプランが登場しました!
1480円/1回で頼めるライトプランが登場。2週または4週に1回が選べます。
メインのお花、草花、枝物などのアソート5種類以上と、ミニジャーナルがセットになっているそう。読み物の豊富さがLIFFTの強みでしたから、ミニジャーナルも期待できそうですね。
詳しくは>>お花の定期便 LIFFT
お届け日・時間は選べる?
月の下旬頃になると、次回お届け日の「お伺いメール」が届きます。
メールからサイトへ行くと、お届け日・時間を選択することができます。

いまのところ、火・木・土曜の受け取りのみのようですね。
お花が届きました!
どんな箱で届く?

初回の箱はこんな感じ。クロネコヤマトの宅急便で届きます。
今回この記事のために3か月試したのですが、毎回箱の大きさが違ったことに驚きました。お花の種類によって毎回適切な大きさに変えているのですね…!
ポストに届く定期便などではどうしても「箱のサイズにお花を合わせる」ことになりますが、そのお花が一番生かせる長さで届けるために箱を変える…というのがなんともお花屋さんらしいな、と思いました。
保水は?

保水はゼリーです。暑い時期だったので一部水が下がって届くこともありましたが、それは仕方ないこと。しっかり水あげすれば問題ありません。
同梱されている冊子がすごい!

LIFFTの最大のウリは、「ジャーナル」という読み物がついてくること。たのしみにしていたのですが、これがなかなか、期待以上でした。
その月ごとに花に合わせたテーマがあり、音楽や文学とからめてその花が紹介されます。
つくっている農園の取材記事だけでなく、コラムニストによるエッセイ、ショートストーリーなど、ちょっとした雑誌のよう。

連載のショートストーリーもあるので、来月が楽しみになってしまうじゃないですか。
届いた花を眺めながらジャーナルを読むととても印象に残るし、その花のことを深く知れるような気がします。
(ジャーナルはこちらで試し読みができます。気になる方はぜひ読んでみてくださいね)
ジャーナル以外には、お花の手入れ方法を書いたペーパーと切花延命剤。今回入っている花の名前がわかるようになっています。

これだけ丁寧な「おまけ」がつけられるのも、月1回・おまかせの花だからできることですね。
1回目のお花:クレマチス(6月)

それでは1ヶ月ごとに見ていきましょう。6月のお花は「クレマチス」。
クレマチス、アガパンサス、スカビオサ、ブルーベリーなどが入ったブーケです。

シックで素敵ですねえ。

クレマチスとアガパンサスの日持ちは4~5日ほど。日持ち重視だけではなかなか選びづらい花材ですが、6月らしくて私的には満足です。枝物のブルーベリーは2週間以上もちました。
2回目のお花:コチョウラン(7月)
7月のお花は「コチョウラン」。高級で繊細な花ですよ?どうやって送ってくるの~?と思ったら、横開きの箱にしっかり固定されてきました!さすが花屋さん。

見ていただければわかるように、すぐ飾れるブーケになっているわけではありません。「そのまま飾れる」というより、自分で色々活けてみてね、という感じ。

鹿児島の日野洋蘭園さんのコチョウランです。ジャーナルのテーマは「変わらないもの」。
コチョウランのほかに、ヘリコニア、サンダーソニア、ヒオウギズイセン、ガーベラなどが入っています。活けてみたらこんな感じ。

今回はわけて、リビングに1本・洗面所に1本…とバラバラに飾りました。コチョウランはさすがの日持ち!2週間近く楽しめました。
3回目のお花:LAユリ(8月)
8月のお花はLAユリです。

箱が長い!!

ユリはやっぱり長い丈から飾りたい。なのでちゃんと長いまま届いて素晴らしいなーと思いました。
スターチス・ヒメヒマワリ・ワレモコウ・ケイトウ・ビバーナムコンパクタなどが入っています。
活けてみるとこんな感じ。これ、先月と同じ花瓶です。かなりのボリュームですね。

定期便というとボリューム感を毎回揃えなきゃと思いそうなものですが、コチョウランとLAユリでは、値段も最適な長さも全然違います。ちゃんとその花に合うように届けてくれているのがわかりますね。
上の写真ではまだ咲いていませんが、もう1本のLAユリは白花で、どちらも満開になるとすごいボリューム感でした。
今回のユリは、千葉県市川市リリーズハウス湯浅農園のLAユリ。ジャーナルを読むと作り手のこともわかるので、勉強になります。
『LIFFT(リフト)』やってみての感想
LIFFTを3か月やってみての感想です。
まず、お花の組み合わせの素敵さはさすがですね。テーマの花はメジャーなものですが、合わせてくる花に意外なものが必ず入っていて「うう、さすがだ…」と唸らされました。
そして毎回ついてくる「ジャーナル」がすごい。毎回テーマの花を深堀りしてくれて、記憶に残ります。読み物としても普通に楽しめると思います。
梱包や花の丈の長さも、さすがお花屋さんがちゃんとやってるな、という印象。暑い時期だったので、クール便配送が選べたりするとなお良いかもしれません(箱の中ほかほかで届きました)。
逆に「なるべく手軽に、そのまま飾りたい」という人には向いていないかも。
自分で水あげしたり活け替えたりできる(したい)人向けですね。でも、そういった手間をかけてほしいな、という気持ちもわかるので、飾り慣れていない人にもぜひ挑戦してほしい。
月1回のプランしかないこと・色や花が選べないことはデメリットでもありますが、だからこそ丁寧な冊子が付けられるなど、メリットでもあります。
ポストに届く定期便では物足りない、もう一歩深く花のある生活を楽しみたい人は試してみる価値ありだと思いますよ。
▼申し込みページ▼
お花の定期便 LIFFT
LIFFT(リフト)の運営会社は?
LIFFTの運営会社は、株式会社BOTANIC。
「ex.flower shop & laboratory」というお花屋さんが都内に3店舗あります。メディアなどでも時々見かけるおしゃれなお花屋さんですね。店頭販売・ネット販売・ウエディング・イベント装花・植木や観葉植物のリースなど幅広く事業を展開されています。
LIFFTのリリースより前に「霽れと褻(ハレトケ)」という定期便サービスも展開していますね。
LIFFTの定期便のリリースは2020年11月から。生産者と消費者を直接つなげてロスを減らす取り組み、花のある暮らしの提案を行っています。
LIFFT当初はクラウドファンディングなどにも挑戦しており、メディアで見かけることも多かったです。新しい面白いことをしているお花屋さんだな、と注目しています。
「花のある暮らし」を文化にする 「LIFFT」がサブスクリプションビジネスを通して目指す先
「命を感じる。花と考える」がテーマ。サブスクリプションサービス「LIFFT 定期便」提供開始|PRTIMES
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