梅雨どきの花として、日本人にはお馴染みの「アジサイ」。
多く出回るのは鉢物ですが、旬の時期には切花も出回ります。
流行りの秋色(アンティークカラー)アジサイとは違って、旬の時期のアジサイはみずみずしくフレッシュな印象。
今回は、そんなアジサイをご紹介します。
アジサイってこんなお花!
アジサイの基本情報です。

アジサイの基本情報
学名:Hydrangea macrophylla
分類:アジサイ科 / アジサイ属
和名:紫陽花・七変化・八仙花 英名:Hydrangea
原産地:日本・東アジア / 北米
青や紫、ピンク色のアジサイは、梅雨の代名詞。活け込みや茶花に使ったりと、季節を楽しむ切花。
アジサイの切花自体は、輸入品もあるので一年中出回っており、いつでも手に入れることができます。特に白やグリーンは婚礼の需要もあるので年間通じて手に入ります。(ふつうのお店にはあまり並ばないと思いますが)
一般的な生花店によく出回るのは5~6月。国産の旬のアジサイは切花というより枝ものという感じで、出回る時期も短く、量も少ないと思います。
価格も様々で、短い枝のものなら1本数百円から。大きな枝ぶりのものは高価になります。
梅雨明け~晩秋ころまで店頭に並ぶのは「秋色アジサイ」。色が変化したアジサイは、水分量が少なく萎れにくく、切花としての人気が高まっています。ドライにもなるので、リースや小物づくりにも使いやすいですよ。
こちらはわりと高級品で、1本1500円~3000円くらいするものも。

ちなみに、アジサイと秋色アジサイは同じ植物。秋色になる仕組みについてはこちらの記事に詳しくまとめました。

アジサイの切花の飾り方・日保ちについて。
アジサイの切花、日持ちはする?

アジサイの切花は、「フレッシュな状態か」「秋色に変化したものか」によって、日持ちがぐっと変わります。
フレッシュな状態のアジサイは、水あげがやや難しい。うまく水があがらないと、くしゃっと花がしおれてしまいます。

一方、しっかりと秋色に色づいたアジサイは、水分量が少ないためしおれにくく、とても日持ちします。

秋色アジサイは「しおれる」というより、そのままドライになってしまう感じですね。
アジサイの飾り方・飾るときの注意など。

アジサイを活けるときは、木質化した茎の部分を残して活ける方が長持ちすると思います。(短く飾るときなどは、切ってしまっても大丈夫です)

茎をナイフなどでなるべく斜めにカットして活けます。

中心の白いふわふわしたワタの部分を取り除きましょう。

木質化した茎が太い場合、木の皮を削ぐようにして水あげすることもあります。
アジサイの花言葉は?

花言葉は、『移り気』『冷酷』『無情』『辛抱強さ』 など。
アジサイは花色が変化することから、昔からあまり良い意味で使われてこなかった歴史があります。『冷酷』という花言葉も、涼しげな花色からついたものでしょう。
花言葉を気にすると贈りづらいものですが、花屋としては、初夏の美しい花をぜひ楽しんでほしいなあと思います。
アジサイの豆知識いろいろ。
アジサイの本当の花はどこ?
ここまで「アジサイの花」と説明してきましたが、じつは私たちが思っているアジサイの花は花じゃないのです。
アジサイの本当の花には「装飾花」と「両性花」の2種類があり、どちらも我々が「花」と思っている部分とは違う場所。

私たちが「花」と思っているピンクや水色の部分は、萼片(ガク)が大きくなったもの。
アジサイをじっくり見る機会があったら、本当の花も探してみてくださいね。
切花のアジサイ、まとめ。
アジサイ、まとめです。
・フレッシュなアジサイと、秋色に変化したアジサイがある。
・輸入品もあるので、(あまりお店には出ないけど)年間を通じて出回っている。
・活けるときは茎をできるだけ斜めにカット!中の白いワタを取るとよい。
・あんまりよい意味の花言葉じゃないけど、気にしないで飾ってほしい!!
梅雨の季節に涼しげな景色として愛されるアジサイ。コツをつかめば、切花で長く楽しむこともできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。