2018年、あけましておめでとうございます!
華やかなお正月、都内高級ホテルはどんなお正月装飾をしているのでしょうか?
見たいけど、忙しくて、疲れて見に行けない花屋のみなさんのために!今年もかわりに見てきましたよー。
さあ今年もやるぜ。こんな感じで行こうと思います。大晦日の東京は独特の雰囲気で楽しいよ。お楽しみに!#都内一流ホテルお正月装飾 pic.twitter.com/e3kbLjMmAH
— 高畠美月 (@unimizuki) 2017年12月30日
それではまとめて行ってみましょう!
元祖御三家!三大老舗ホテル。
帝国ホテル(日比谷)
帝国ホテルは去年と変わらず、鉢物メインの園芸装飾。

正面ロビー入ってすぐ、どどーんと目に入ってくる大型装飾は目をひきます。装飾をバックに記念撮影している人も。

梅や木瓜は切り花でしょうね。巨大な松、足元の南天、万両、葉牡丹は鉢植えを配置して、コケや石で庭のように見せている園芸装飾。
フロントの近くには壺花も。

樽酒の両側も園芸装飾。

駐車場からの入口にも、園芸装飾でミニ庭園ができていました。

正面玄関の特大お飾り。

帝国ホテルは園芸装飾メインであまり切花は目立ちません。配置されている箇所も内容も、だいたい去年と同じ。
帝国ホテルプラザ(ショッピングモール)の入口には、大型のオブジェ装飾が!

金色に塗った雲竜柳を組み合わせて土台をつくり、ピックに挿したオンシジウムと南天の実をあしらっています。
足元はアスナロが丸く敷き詰めてあり、南天の実がこぼれてコントラストがキレイ。

ここは去年、大型の活け込みがおいてあったところ。土台をつくるのは大変だけど、お花の量は少なくて済むので、今年の方が管理も楽そうです(裏方目線)。
ホテルオークラ東京(虎ノ門)
オークラのメインロビーは、昨年同様のいけばな作品。

花材は、松・苔梅・椿のみ。白い玉砂利の見えるところには水が張ってあります。苔梅はまだ全然咲いていませんでした。
作者は、石草流・奥平清凰。昨年と同じですね。
大型のいけばな作品の後ろには、園芸装飾で庭園風のしつらえ。

こちらの枝物はロウバイ。ちょうどよく開花して、華やかな雰囲気に。
エレベーターホールの活け込み。

今年はこちらも松・苔梅・椿のみ。去年は白南天だったよね。
全体的に渋くて厳かな雰囲気は変わらず。こういういけばな作品は、ずっと眺めていても飽きない、庭のような良さがありますね。
ホテルニューオータニ(紀尾井町)
ニューオータニのロビーには、草月の巨大な花車!

赤く塗られた竹、金銀の水引がアクセント。割いた竹が踊るような流れを表現しています。
花材は、蛇の目松、苔梅、セイヨウウメモドキ、椿、オンシジウム。ここもやっぱり苔梅がまだ咲いていませんでした。お正月に合わせて固めのつぼみを選んでいるのかしら。
樽酒の両側にもどーん。

この、足が生えたみたいな不思議な器…攻めてますねえ。

花材は松、苔梅、木瓜、椿などですが、作品のまんなかに白の胡蝶蘭が1本入っています。裏側から覗いてみたところ、根付きのまま水苔でくるまれて、苔梅にくくりつけられていました。着生してる感じね。
どちらの大型作品も、去年とは変えてきています。見る楽しみがありますね。
室内の壁にも、竹としめ飾りを合わせたようなオブジェがあったり。

ホテル内にある食堂「ミルクホール」の入口。

足元は苔玉風。

帝国もオークラもそうだけど、絨毯の上の園芸装飾って、いろいろ気を遣うだろうなあ。
お正月に合わせて館内に縁日や屋台が出るようで、館内は絶賛準備中。ミルクホールも大晦日はお休みでした。
お正月をホテルで過ごすお客様が続々到着していて、お正月は賑やかになりそうな予感。
ニューオータニは御三家の中で一番花が多い印象。広い館内のあちこちにお正月らしいアレンジが置かれていましたので、まとめてどうぞ。

ラグジュアリー!高級外資系ホテルたち。
シャングリ・ラ ホテル東京(丸の内)
東京駅すぐのラグジュアリーホテル・シャングリラ。エントランスは華やかな金柳にシックな紫色。

真ん中の金柳を囲むように、紫のアランダ・葉牡丹・アイリス・大輪のクラシックマムが配置されています。

1種類ずつボトルに入れているだけなのに、色がまとまっていてインパクトがありますね。
紫色の花の中で、茶色の大輪クラシックマム(菊)が目を引きます。肉厚な花びら、デコラティブな菊の花のかたち。贅沢。
入口側から見るとこんな感じ。

今年は28階のメインロビーにも上がってみましょう。

ロビー階のエレベーターホールのアレンジ。誰かぶつかったのか、マムの花びらが落ちてるよー。かたちは基本の、ザ・パラレル(平行)!
フロントには、立派な鏡餅とアレンジ。アレンジはフロントの両サイドにあります。

木の皮みたいな素材が入っているのがニクイ。お花だけのアレンジより、力強い印象です。
待合のテーブルには、さりげなくシンビ一輪。

ラウンジは華やかにオンシジウム。

ラウンジにはこの細い花瓶があちこちに置かれており、松とオンシジウムが飾られていました。
1階おりて27階のエレベーターホール。たっぷりの水仙!

花瓶のふちにあしらわれたエアプランツが花火のよう!シンプルだけど素敵です。こういうの大好き。
落ち着いた照明と、水仙の甘い香り。はああ、美しい…
シャングリラの装飾は完全に私好みです。うっとり。
アマン東京(大手町)
大手町のアマン東京、ふれこみは「大手町の空にひっそりと浮かぶ空中のサンクチュアリ」だそうです。わくわく。
1階エントランスは、シンプルに木瓜(ボケ)の壺活けがお出迎え。

エントランスの受付には小さな鏡餅とアレンジ。

メインラウンジのある33階へと上がってみます。

吹き抜けの巨大な空間に、松のみの巨大な活け込み。黒い大理石の部分は水が流れています。
松の向こう側は、まさしくTOKYOを見渡せる絶景ラウンジ。これがサンクチュアリか…!
各テーブルにも、さりげなく松。引き算の美しさ。

バー側にあった活け込みは、松と銀芽柳のみのシンプルなアレンジ。

おっ!と思ったのは、クロークの受付です。

グレーの石造りの壁に、はっとするような水引の赤。
使われている花材は多くないけど、洗練された空気がありました。「禅」って感じですねえ。
マンダリンオリエンタル東京(日本橋)
日本橋三越近くのラグジュアリーホテル、マンダリン東京。
エントランスは暗くてムーディな雰囲気。

しだれ柳の花餅が素敵!これ大好きなんですけど、あんまり使っているところないよね。

鉢植えの胡蝶蘭と、茶系のピンポンマムのアレンジ。

もう、「鉢物」「切花」と分けることなく、一緒に装飾に使っていくのが当然なんですね。
フロント両脇にも背の高いアレンジ。

ピンクのシンビジューム、茶系のピンポンマム、赤のグラジオラス。

メインロビーがある38階にも上がってみました。
ロビー前の待合スペースには、オブジェがどーん!

こちらはクリスマスに合わせて作られたそう。外国の人はクリスマスとお正月をくっきり分けないですもんね。
下の階のバーラウンジにはさりげなくお正月風のアレンジ。

胡蝶蘭やシンビジウムといった蘭が、オリエンタルな雰囲気にマッチします。うーん、ラグジュアリー!
ペニンシュラ東京(日比谷)
去年一番お花がもりもりで、お気に入りだったペニンシュラ東京。
今年もエントランスには、どーんと大きなアレンジ!

今年は、紫・深い赤がメインカラーですね。濃いピンクの胡蝶蘭とシンビジウムが豪華!
正面から見えないところにも、赤のカーネーション、アルストロメリア、モカラなどがふんだんに入っています。
階段のところにも、背の高いアレンジ。

シャングリラでも使われていた、ギザギザの切れ込みが入った葉牡丹がいいアクセント。

別の入口にも、大きなアレンジ。

お花がたっぷり。これぞお正月!

ペニンシュラのマスコット、ピーター君がウロウロしていたので、写真に入ってもらいました。めっちゃ投げキッスしてくれます。

メインの入口、ちょうど1対になっている狛犬(シーサー?マーライオン?じゃないよね…)と門松が並んでかわいい。

昨年同様、お花のボリューム感で圧倒するペニンシュラでした。贅沢、贅沢。
コンラッド東京(汐留)
こちらは初訪問。汐留のコンラッド東京。
1階エントランスには、大きなロウバイの活け込み!

ちょうどほころび始めていて、まだまだ楽しめそう。

エレベータ前の壁には、南天。

メタリックな器の中には、黒い玉石が敷き詰めてありました。
メインロビーは28階。汐留らしく、海を見渡すベイビュー。こちらもすごい眺めです…!
フロントにはロウバイとオンシジウム+玉石のアレンジ。

ロウバイがまだつぼみでも、オンシジウムで色を足して華やかに仕上げていますね。

フロントとラウンジを仕切る部分に、花を活けられるスペース。

木瓜とオンシジウム。まるで絵のようですねえ。明るくて開放感があります。
花材は少ないですが、全体的に印象的な花活けでした。器に凝っているからかな。
ザ・リッツカールトン東京(六本木)
東京ミッドタウンのラグジュアリーホテル、リッツカールトン東京。
ミッドタウンから入って、ロビー階の45階に上がります。45階!!

ロビーラウンジには、この丸テーブルの装飾が2つ。
枝物はグリーンの馬酔木(アセビ)のみ。松も梅も使っていません。
花材は赤のグロリオサ、南天の実。間に鉢物の水仙、パフィオペディラム、胡蝶蘭が使われています。

黒・赤・金に塗り分けられた竹の一部をくりぬいて、胡蝶蘭が植えこまれています。南天の実も。

足元には苔。器は黒い竹で統一。

各テーブルには小さなアレンジ。

テマリソウとサンキライの実。ここも大きい装飾と合わせた花材にすればいいのに、と思ったり。
装飾の作りは去年と似ているのですが、色を変えることでこんなにガラリとイメージが変わるのか!という驚きがありました。すごい。
グランドハイアット東京(六本木)
六本木ヒルズ内のホテル、グランドハイアット東京。
六本木ヒルズからエスカレーターを降りて、ロビーへ。アート作品があちこちに。ホテルというより、六本木ヒルズの続きみたいな感じですね。
ロビー横の壁に、木瓜。

目立つお花はこれだけでした。特に花を活けるスペースもない。都会的なホテルですね。

ちょうど咲きはじめて、いい感じ。
フロント前の待合テーブルには、こんな造花アレンジが。

うーん、なんとなくアート?
お花が少なかったのは残念だけど、六本木ヒルズらしいホテルだなあと思いました。高層階のレストランやバーには飾ってあるのかもしれませんね。
キャピタルホテル東急(溜池山王)
外資系じゃないけど、最後にキャピタルホテル東急へ。
こちらは、ロビー階に草月の大きな作品があります。

今年はシンプルに、黄色の菊と椿ですね!

レストランの入口はこんなアレンジ。

金柳、大王松、胡蝶蘭、小花のオンシジウム。
フロントへ向かう通路。

白い玉砂利に松が1本ずつ。シンプルだけど印象的。すりガラスのオブジェは、他の階にも違う形のものがありました。
駅へつながる1階にも、同じく草月の作品。

感想とまとめ。
2年目となると、「去年からどう変化させたか?」も楽しみのひとつになるもの。
その意味で、老舗ホテルは変化が少なくてちょっとつまらないなーと思いました。
個人的に好きだったのはシャングリ・ラ。お花感あるし、去年との違いもくっきりしてていいなーと。(個人の好みです)
あと、リッツカールトンも色味で大きく雰囲気を変えてて「やるな…!」と思いました。
お花とは関係ありませんが、高級ホテルのスタッフの方々は皆とても優しくて親切。
「お花の写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、皆さん口をそろえて「もちろんでございます!」とあたたかく接してくださいました。
美しい内装とお花、丁寧な接客にうっとり。泊まるわけでもないのに、とってもいい気分(いつかは泊まりたい)。
お正月期間はまだ飾られていますので、気になるホテルがあったら是非見に行ってみてくださいね。
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