お花の仕事をはじめた頃から、やりたかったこと。
年末年始ずっとやりたかったのは、都内の有名ホテルのお正月装飾を見に行くこと。でも、花業界で働き始めたらとてもそれどころではなく(年末はぎりぎりまで仕事、年始も仕事もしくは休みでも体力回復せず)。今年ようやく達成できたので、連投します!#都内一流ホテルお正月装飾
— 高畠美月 (@unimizuki) 2017年1月1日
本当はお花の仕事している人がこういうの見た方がいいのにね…ということで、みんなの代わりに見てきたよ!どどんとまとめて参りましょう~
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元祖御三家!東京の一流老舗ホテル。
帝国ホテル(日比谷)
メインロビーは庭園風。
切花の梅や木瓜と、鉢ものを組み合わせてつくる、いわゆる園芸装飾です。
後ろにまわってみたら、松の足元にはヒムロスギが敷き詰めてあったよ。
ロビーには活け込みの壺も。
小さめですが、やっぱりお花があると華やか。
樽酒の前も、園芸装飾でお庭風。

正面玄関の玉飾りがとっても立派でした。

帝国ホテルプラザ(ホテルの隣のショッピングモールみたいなところですね)の入口には、どどんと大型の活け込み。

大王松、梅、木瓜、アマリリス、オンシジューム。
お花は第一園芸さんですね。このすぐ横に店舗があります。
ホテルオークラ東京(虎ノ門)
オークラのメインロビーは、いけばな作品。

苔松、苔梅、椿。白い玉砂利に水が張ってありますよ。
作者は、石草流・奥平清凰。

すぐ横には庭園風の園芸装飾。
フロントカウンターには、おもと。

お正月らしくていいですねー。
エレベーターホールの前の活け込み。

松、苔梅に白南天。
ここで白南天を使うのかー!お正月らしい色味はないけど、渋くて厳かな感じがいいですね。白南天、いいじゃないか。
宴会場の入口には、華やかな花車の活け込み。

こっちは東池坊ですね。
椿、テッポウユリ、千両など。
おまけ。トイレにも華やかなお花が。

壁に花瓶が備え付けってことは、いつもお花を活けてあるのだろうか。素敵だけど大変だなあ…(笑
ホテルニューオータニ(紀尾井町)
オータニはメインロビーに樽酒がどーん。

両脇に花車の大きな活け込み。こちらは草月流の作品です。
セイヨウウメモドキの赤い実、松、椿、オンシジュームなど。

和紙を貼った竹、金銀の水引が華やか。
駐車場からの入口にも、大きな1対の活け込みが。

うーん、大作!
館内の柱など所々に、和紙を貼った竹にそえたしめ飾り。

ロビーラウンジは、紫のバンダでシックに。

御三家の中では、オータニがいちばん「花が多い」印象ですね。
華やか、にぎやか、もりもり。お正月らしい賑わいがありました。
その他、高級ホテルいろいろ。
シャングリ・ラ ホテル東京(丸の内)
東京駅すぐの5つ星ホテル、シャングリラのメインロビー。

蛇の目松と木瓜、日本水仙、テーブルには橙。シンプルだけど素敵ですねえ。ガラス器から見える水仙の茎も美しい。

橙がしっかり色を添えていて、お正月らしいです。

シャングリラの装飾はたしか、ニコライバーグマンさんかな?シンプルだけど高級感もインパクトもあって、さすがな感じです。
パレスホテル東京(大手町)
大手町直結、皇居をのぞむパレスホテル。メインロビー前は竹筒とガラス器のアレンジ。

金柳、胡蝶蘭、グロリオサ、千両。

ふわふわ垂れ下がっている緑はヒカゲカズラ。松は使っていないようですね。
東京ステーションホテル(東京)
東京駅直結、東京ステーションホテル。ロビーには啓翁桜の活け込み。

お正月感はあんまり出さない方針なのか。

ラウンジはシンビジュームとグロリオサ。筒状のガラス器、人気ですねー。
エレベーターホールの前にはシンビジュームとモカラでモダンなアレンジ。日持ちするし、お手入れも楽でありがたい花材です。
全体にお正月感は特に出していないけど、桜の季節感もあり、ピンクのシンビジュームが華やか。東京駅のホテルらしく、スタイリッシュで都会的な印象です。
マンダリンオリエンタル東京(日本橋)
日本橋駅直結、ラグジュアリーホテルの代表・マンダリン。

薄暗いロビーに、金柳が映えるアレンジ。ラグジュアリーですねえ。

シンビジューム、大きなマム、赤い南天の実。
フロントの両脇にも、高さを出したアレンジが1対。

竹を中心に、金柳、松、蝋梅、シンビジューム。

空間が生きていますね。モダンで高級なマンダリンらしい雰囲気です。
ザ・ペニンシュラ東京(日比谷)
日比谷公園をのぞむ、ペニンシュラ東京。お花をたっぷり使った大きな活け込みがいくつも。

このボリューム感!贅沢ですねえ。いいですねえ。

シンビジューム、オンシジューム、デンファレ、マム、葉ボタン、千両、松、金柳、ストレリチア(極楽鳥花)。
階段前にも。
紅白の水引が効いています。

もりもり!
別の入口にも大きなアレンジ。

今回見た中で、一番お花をたっぷり使ったお正月花でした。お正月はこうでなくっちゃね。
ザ・リッツカールトン東京(六本木)
東京ミッドタウン内の高級ホテル、リッツカールトン東京。ロビーも高層階です。

ロビー前は竹のアレンジ。苔梅、銀芽柳、馬酔木のみの潔い組み合わせ。

梅はきれいに咲いていました。

竹の足元には、ヒヤシンスと苔。芽吹きを感じる、新春らしいアレンジですね。
レストランの入り口の門松。

赤い実は造花だったけど、モダンでかっこいい。
ザ・キャピトルホテル東急(溜池山王)
ロビー前、吹き抜けの大きな空間には生け花の大作がどーん。

草月の作品ですね。紅白に塗り分けた竹が目を引きます。

池のようになった空間。流れ落ちる水はそのまま滝になり、下の階から見上げることもできます。

レストラン入口の装飾も、シンプルで素敵。

駅からの入口にも、いくつか大きめのアレンジが。

赤い竹が共通モチーフ。この金銀水引は、ニューオータニにあったやつと同じだ!(あちらも草月でしたもんね)

竹と松と金柳。オブジェのような作品。
ANAインターコンチネンタル東京(赤坂)
赤坂のインターコンチネンタル東京は、期待していたより切り花は少なめ。
ロビー前は布と扇が目立つ、園芸装飾です。

切花は小さめの活け込みがひとつ。

ラウンジの花。鉢もののシンビジュームと門松、ドライの枝を組み合わせて。お手入れは楽そうです(笑)

エレベーター前。

感想とまとめ。
もう少しまわりたかったのですが、ここで時間切れ。東京は広い!
全体の印象としては、意外とお花モリモリで豪華!!みたいなのは意外に少ないのだなあ、と。
老舗ホテルは、生け花や庭園風装飾など「日本的」な装飾に。
外資系や新しいホテルは、花は少なくモダンな和風に。
年末年始にかけて飾るので、手入れが楽であることも大事なんだろうなー(裏方目線)。
個人的にはペニンシュラみたいな豪華もりもりアレンジが好きなので、ちょっと拍子抜けでした。(やる方としては大変なのでわかるけどねw)
いずれにせよ、ホテルのお正月は晴れ舞台。それぞれ工夫をこらした装飾は、大変勉強になりました。
裏方の花屋は、クリスマス片付けたあとこういう仕事をやっているのです。生花なので、飾ったあとのメンテナンスも必要ですし…なんてことも、見る方に少し想像していただければ幸いです。
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