店頭で花を売るスタイルのお花屋さんの1週間はどんな感じなのでしょうか。
立地や客層によって、忙しい日もまちまち。花屋に勤めている同士でも、休みを合わせづらかったり、繁忙期が異なったりするのです。
実際にはハッキリ分けられるわけではないですが、ざっくり3つのパターンをご紹介します。
自分の生活スタイルに合わせて、勤務する会社を探してみてもいいかもしれませんよ。
【共通】仕入れ日は作業が多め。
切花の仕入れ日は「月・水・金」、鉢物の仕入れ日は「火・木・土」であるところが多いです。
どちらに重点を置いているお店かによって、忙しい曜日が推測できます。(切花も鉢も大々的にやっているところは毎日忙しい…場合もあるね)
切花の入荷日は「水あげ」があります。届いたお花の下処理をし、水をしっかり吸わせる作業。これが終わって初めて、お店に並べることができるのです。
葉っぱなどのゴミもたくさん出ますし、バケツ洗ったりダンボールつぶしたり、量が多いとけっこう大変。
大手チェーン店などでは水あげは一括して行い、店舗には水あげした花が届く、というところも。
鉢ものは切花に比べて下準備は少ないです。必要に応じて水やりやラッピングを施して、店頭に並べます。
1.オフィス街の花屋さんの場合。
都心のオフィス街の花屋さんは、月曜日の午前中が忙しい。仕入れに加えて、月曜からスタートする定期の活け込みや、オフィスの受付花のお届け、お榊のお届けなどが月曜の午前中に集中します。
カレンダー通りに働いている人たちがお客さんなので、忙しさもそれに連動。金曜の夕方には送別会の花束や自宅用の花を買う人も。
期末などで異動が多い時期は忙しくなります。会社の人事や移転があると、大型のアレンジやコチョウランの配達も集中。
逆に土日は暇なので、日曜休みのお花屋さんも多いです。母の日があんまり関係ないのも、オフィス街の花屋さんの特徴。
2.ショッピングモールやスーパーの花屋さんの場合。
ショッピングモールやスーパーのテナントの花屋さんの場合、その施設が忙しければ連動して忙しいことが多いです。やっぱり人が多くて忙しいのは週末。
また、営業時間・休業日はそのハコに合わせるしかありません。年中無休で正月から営業、なんてところもありますよね。シフト組んでまわすので、今年は元旦から出勤だ…なんて年もあります。
施設の性質上、イベントを重視する傾向があります。母の日や年末は特設会場を設けて販売をしたり、節分や桃の節句などの小さい行事も商品を揃えてちゃんとやる。
通るお客様も多いので、ディスプレイ替えなども頻繁に行います。疲れるけど、季節感があって花屋らしいといえば花屋らしい。
働きやすさのポイントは、きちんと人員を割いて健全なシフトを組んでいるかどうか。施設自体の営業時間が長いので、人が足りないと一気に長時間労働まっしぐらです。
一方、配達の仕事は少なめ。運転が苦手な人や、お店での接客をメインにしたい人には良い職場だと思います。
3.繁華街の花屋さんの場合。
いわゆる「夜のお店」が多い地域や、劇場の周りなどの繁華街のお花屋さんは、営業時間からして特殊な場合も。夕方オープンからの深夜営業、なんてところもあります。
公演初日とか、ホステスさんの誕生日とか、特定の日にわっと注文が殺到する感じ。金曜夜も注文が多い。忙しさの波がちょっと特殊です。
メインはギフト需要。お店に持っていく花束やアレンジメント、大型のスタンド花やコチョウランの注文も多い。華やかで大型の商品をつくる機会が多いのは、フローリストとしては楽しいところです。
母の日や年末年始などの一般的行事はあんまり関係なさそうですね。
まとめ:自分の勤めている店の「波」を理解すること。
店頭で花を売る花屋さんの場合、忙しさの波は必ずあります。それは諦めて受け入れるしかない。繁忙期は残業や連勤も仕方ないです。
ただし、その「波」はまちまち。花屋だからって、みんな母の日が忙しいわけではないのですね。
早い段階で、自分の店の一年の「波」を理解すること。
それは自分の店がどういうお客様に支えられているのかを理解することでもあります。(あれもこれもやろうとして常に忙しいお店もたまにありますが…)
それをふまえて、力を入れるべきところは入れて、力を抜くところでは抜く。そんなメリハリが、店頭の花屋さんで働くコツかもしれませんね。
結婚式の仕事をメインにしているお花屋さんは、まったく別の流れで動いています。