「お花の仕事をしたい!」
最初はみんなそんな純粋な気持ちでこの業界への道を踏み出すのだと思います。
しかし人生は長い。
5年、10年と経つうちに、「あれ?このままでいいのかな…」という気持ちがわいてくるのは当然のことです。
はじめからひとつの答えを決める必要はありませんが、折にふれて「自分はフローリストとしてどんなキャリアを歩みたいのか」を確認することで目標をもって進んでいけるのではないかと。
ここではいくつかのゴール(と呼べそうなもの)を描いてみようと思います。
自分が目指したいところはどこなのか、考える参考になれば幸いです。
1.独立する
一番夢見る人が多いのは「いつかは自分のお店を!」に代表される「独立したい」ではないでしょうか。
フローリスト(花を活ける腕前がある人)の独立としても、いくつか成功パターンがあるように思います。
1-1.花を売る
シンプルに、花を売って利益を得るスタイル。必ずしも店を持つ必要はありません。
受注だけで成り立っているアトリエタイプの花屋さんもたくさんあるし、イベントなどの移動販売だけで成り立っている花屋さんもあります。
結婚式のブーケだけをメインにする。スタンド花だけをメインにする。個人でやる場合はそんな風に特化すると成功しやすいのかも。
店舗数をふやし大企業化していくもよし、個人店でやっていくもよしです。
1-2.デザイナーとしての自分を売る
自分の名前を売っていくスタイル。ある程度カリスマ性やタレント性は求められるかもしれません。某華道家とか、某デザイナーとかね。
自分の名前を冠したショップやスクールを全国に展開したり、マスコミに取り上げられたりと、大規模に展開していくパターンが多そうです。
もちろん、花の実力も必要。
1-3.教室を運営する・教える仕事をする
「教えること」を売っていくスタイル。
フリーの講師として専門学校などで授業を持ったり、自分で教室を運営したり。あくまで「教えること」に特化してノウハウを売っていくやり方です。
民間の協会に所属したり、新しいジャンルでは協会を立ち上げてしまう人もいます。
規模を大きく、自分の下に講師を育てていくようなやり方もあるし、あくまで自分の教室だけでやっていくやり方もあります。
2.待遇のいい会社で社員として働き続ける
腕のいいフローリストとして「雇われること」を目指すのもひとつの答え。
自分にとっての待遇の良さを追求し、一つの会社に依存し続けるというよりは、より良い条件の会社に所属する、という感じでしょうか。
何をもって「待遇の良さ」とするかは人それぞれ。
休みがとりやすい・福利厚生が充実している、給料がいい、刺激的な仕事ができる…などなど、自分にとって満足な条件をそのときに合わせて選べるようになると強い。
海外のお花屋さんで働くというのも、選択肢のひとつです。
3.プライベートを重視し、サブ的に花の仕事を続ける
フローリストになったからといって、仕事が生活の100%になるのは嫌だ。そういう考え方もあると思います。
結婚して家庭生活を優先させながら花屋で働く、平日は別の仕事をしながら土日だけ自分の教室をやる、など、サブ的に花の仕事を組み合わせるのもひとつの方法。
1や2で走ってきたけど、人生の優先度で一時的に3に切り替える、なんてやり方もアリだと思います。
4.フローリスト+αをつくる?
ここからはまだ「?」の段階。
フローリストの腕をもって、全然別の仕事をしてみたらどうか?まったく別の業種と組み合わせることで、フローリストの腕が生きてくることはないか?と考えてみることです。
フローリストの腕前をもって花農家に転身する。
花+教育、花+介護、花+不動産は?
単なる転職にとどまらず、培ってきた花やデザインの知識と技術を別の職業で活かせないか?
考えてみる余地はあるのではないでしょうか。
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15年近く花の仕事をしてきて感じるのは、人生ってけっこう長いなーということ。
花の仕事をするにしても、ひとつのパターンだけでずっと続けられるものでもありません。時代も変わるし、会社はつぶれたりするし、何より自分が飽きてしまったりもするしね。
最初に立てた目標が、徐々に変わっていくのも当然。
ときどき立ち止まって、どんなゴールがあるかな?こんなふうに方向性を変えてみたらどうかな?と考えてみることで、楽しく長くキャリアを積み重ねていけるのではないでしょうか。
フローリストをしながら副業を考える。こちらの記事にまとめました。
