薄く細かい葉が規則的に並び、レースのように美しいタバリアファン。
シルエットは「あのグリーン」にそっくりですが、よく観察すると質感や1枚1枚の葉の広さが違います。
どんな花材にも合わせやすい葉ものであり、上品な見た目は切り花の魅力を大いに引き出します。
今回は「あのグリーン」との比較も交えながら!タバリアファンの特徴について詳しく解説していきます。
タバリアファンってこんなグリーン!
タバリアファンの基本情報
学名:Davallia tricomanoides
分類:シノブ科シノブ属
英名:Tabalia fern
原産地:マレーシア
タバリアファンは100円〜300円で購入できます。横幅は20cm、縦の長さは30cm程が一般的で、色は緑一色。
色が濃い商品を選びましょう。
周年出回っており、ベトナムなどの海外から多く輸入されます。
さて、タバリアファンと似ている「あのグリーン」。
そう!レザーファンです!
葉物図鑑のレザーファンを紹介する記事でも、似ているけれど違うグリーンであることに触れました。
>>【葉もの図鑑】レザーファン|花言葉・出回り時期・花もち・飾り方
どちらも葉の付き方が同じでシルエットはよく似ていますすが、タバリアファンは数ミリの針が集まったような葉をしているので、より涼やかな印象です。
レースのように美しいタバリアファンを詳しく知り、相性の良い花材と組み合わせましょう。
タバリアファンの飾り方・日保ちについて。
タバリアファンは日もちする?
レザーファンとの違いの一つがこの日持ち。レザーファンよりは日持ちが短く5〜7日ほどですので、混同しないように注意が必要です。
水換えと、適度に切り口を新しくして管理しましょう。
タバリアファンの飾り方・飾るときの注意など。
茎も葉も繊細なタバリアファンは大変折れやすいので慎重に扱いましょう。
三角形の葉のまとまりが並ぶことにより面になっているので、先端が一箇所でも欠けると商品として扱えなくなることが多いです。
レザーファンと同様に下の方の葉を落とすことにより茎を長く使うことができます。
落とした葉も使えるのがレザーファンの特徴でしたが、タバリアファンの場合は茎が細いので少々使いにくいです。
広い面を活かし、土台や背面隠しに重宝されます。
合わせたいお花・おすすめの使い方。
レースのようなタバリアファンには、淡い色の花材がぴったりです。
濃い色の花材との組み合わせでは埋もれてしまいがち。質感にもこだわって、デルフィニウムのような花弁の薄い花と並べるのもベスト。
季節に合わせたテーマにするのであれば、真夏に作るアレンジメントにタバリアファンを取り入れれば、風の抜けるような爽やかな印象に。
「透明感のある」「柔らかな」「レース」のイメージがありますので、テーマを意識して花材選びをするといいでしょう。
薄い質感のタバリアファンはプリザーブドフラワーや押し花でも人気のグリーンです。
プリザーブドフラワーは専門店やインターネットで購入することができ、押し花であれば自宅で加工できます。
タバリアファンの豆知識いろいろ。
根っこ(根茎)の形が特殊!
タバリアファンの魅力は葉の美しさだけにあらず!
鉢植えの話になりますが、タバリアファンの成熟した株からは毛の生えた根茎が伸びてきます。
この根茎がうさぎの足に似ていることから別名を「ラビットフット」と呼び、葉と同じように観賞することができます。
この根茎は品種により見た目に違いがあるそう。
切り花のタバリアファンは多くの品種が出回らないので、園芸店でタバリアファンを見かけた際は根茎も要チェックです。
シノブ科「シノブ」との違い
シノブ科シノブ属のタバリアファンはもちろんシノブに似ているわけですが、その違いは何でしょう。
園芸として扱われるタバリアファンの中には、「シノブ」という名前の品種もあるようですが、今回は個体別の違いをご紹介します。
シノブを調べると「シノブ」と「トキワシノブ」の2種類があります。
これらの違いは原産地と常緑であるかどうか。
シノブは冬期に落葉し、タバリアファンとトキワシノブは常緑性の植物なのです。
タバリアファン | マレーシア原産・常緑性 |
---|---|
シノブ | 日本と東アジア原産・落葉性 |
トキワシノブ | 中国原産・常緑性 |
タバリアファンまとめ。
・レースのような美しさ
・透け感を活かしたアレンジに
・レザーファンとの違いにも注目!
・折れやすいので慎重に扱いましょう
いかがだったでしょうか。
切り花でもグリーンでも、品種品目で「似ているけど少し違う」植物が多くありますね。
じっくりと観察し違いを確かめながら、グリーンの美しさに癒やされてみてはいかがでしょう。