お花屋さんの業界誌といえば、誠文堂新光社の『フローリスト』。
6月号から隔月刊となりましたが、新たな連載も始まり、内容は充実したものになっています。
今回は観葉植物の特集!どんな内容か楽しみですね。さっそく見ていきましょう。
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特集:自然を身近に感じられる観葉植物と暮らす提案
コロナ禍で観葉植物を置く人が増えているそう。専門店を取材し、おすすめの植物や手入れの仕方、独自のサービスなどを紹介した記事です。
インタビュー:SOLSO
インドアグリーンを中心としたショップ「SOLSO HOME」でプロデューサーを務める増田さんへのインタビュー。樹形がユニークな植物の仕入れなど興味深いお話。
SOLSO HOME Futako
「植物にまつわるすべてを提案できるような品揃え」というお店は、インテリアに植物を取り入れたい人の来店も多いそうです。
NEO GREEN 渋谷
商品の3分の1ほどを盆栽が占めるそうですが、おすすめの観葉植物を見ると「どんぐり発芽観察ポット」などユニークなものが多いです。
the Farm UNIVERSAL Chiba
コンセプトは「あらゆる世代の人が楽しめる植物の楽園」。食べる、買う、学ぶ、遊ぶ、撮る、という5つの体験ができるガーデンセンターとしてオープン。
Green Gallery GRANDE 立川店
初心者をメインターゲットにしたお店。観葉植物を持ち帰ったらそのまま置けるよう、鉢に植え込まれた状態で販売されています。
Qusamura Tokyo
販売店というよりギャラリーのような店内に並ぶ個性豊かなサボテンは、代表の小田さんが”いい顔”をしているかどうかを基準に選んだ一点物ばかりだそうです。
各花店の人気商品Best5も紹介されており、それぞれの店の傾向がわかって面白い。お店の個性が表れていますね。
表参道に新たなコンセプトフラワーギフトショップが誕生 IKKAYA OMOTESANDO
表参道に新たなshopをオープンした、一花屋(IKKAYA)さんの紹介。
時代に合ったショップにしたいと始めたお店には、カラフルなブーケが並びます。代表取締役の三嶋さんは、手軽に持っていける花のギフトを作りたかったそうで、紙袋や配送箱も完全オリジナルにしています。
お礼や手土産に使うお菓子やお酒など、ほかのギフトではなくどうしたら花を選んでもらえるか?価格帯やパッケージを考えるとこういう感じに行き着くのかもしれないなあ、と納得。
クレープみたいな形のコーンブーケは、紙袋に入れる以外に、リボンを長く通してそのまま肩にかけて持ち帰れるのだとか。ファッションのように花を楽しみ、SNSに写真をアップしたくなる仕掛け。なるほどな~と勉強になりました。
花思行Ⅱ 松田隆作の考える生と死
5月から始まった宮城県栗原市の「風の沢ミュージアム」での松田隆作さんの個展。生と死、コロナ禍をテーマに制作された展示の一部が紹介されています。
制作の背景に関する説明を読みながら写真を見ると、どれも深い。
ランを使った花束&アレンジメント
花店に好きなランを尋ね、その個性を活かした花束&アレンジメントを作ってもらった記事。それぞれのお店によって使われているランも作品の雰囲気も異なり、ランの豊かさを感じました。
登場する花店は次のとおり。
・michiko
・フラワーショップ花徳/堀文則
・アトリエ柳/久保一美
・CHELBAN/澤岳司、北角真利枝
・Apple Flowers/谷口雅之、谷口章子
・NUR flower/宮川円香、前田有紀
登場したランを中心にしたミニラン図鑑が良い!マニアックなランも写真入りで載っていて、役立ちます。
連載記事
自由な花屋リトルの事始め
花を循環させる取り組みをしている壱岐ゆかりさんの活動、今回は山梨の花畑での様子が写真入りで紹介されています。
東京で出た花のロスをコンポストにし、畑に戻す。時間のかかる取り組みだと思いますが、新しい時代の実験として興味深いです。
旬花探訪
今回は、蕾ガーベラで有名な静岡県牧之原市のADORE FLOWCA(アドア・フローカ)さん。
ガーベラを蕾の段階で収穫し、販売したその先で開花した姿を楽しんでもらおうと商品化。「蕾ガーベラ」として世に出るようになりました。山本さんご夫婦の取り組みの様子を紹介しています。
アドアフローカさんの蕾ガーベラ、ハナラボも指名買いしたことありますが、ガーベラのイメージが変わってすごく可愛い。おすすめです。
関連記事
>>ガーベラの咲き方にはどんな種類がある?人気のガーベラを解説します
データから読み解く花と暮らし
今回のテーマは、「切り花を買うのは花店かスーパーか?世代による変化を見る」。
直近の2019年の調査では、消費者が切り花を買っているのはスーパーが花店を上まわったそうです。年齢が高くなるほどスーパーで買う割合が高くなるそう。
スーパーに並ぶ花の品質が高くなったことに加え、花を「見る目」が養われたベテラン消費者はスーパーでも良い花を選べるからなのでは…?と個人的には思っています。
若い世代は非日常の花(ギフトなど)を買う機会が多いため、花店を利用する割合の方が高いとのこと。若い消費者に選ばれ続けられるか、お花屋さんのがんばりどころですね。
ボタニカル・メタモルフォーシス
「植物の解体と再構築」、今回は「フトイの曲線の美しさを表現する」がテーマ。直線のイメージが強いフトイですが、ゆるい曲線の動きをデフォルメしてデザイン。夏向きのさわやかな作品が出来上がります。
その他の記事
お花の資格ガイド フローリストのための試験にチャレンジ!
キャリアアップに役立つ資格、検定の紹介記事。ハンギングバスケットマスター認定試験、フューネラル・フラワー技能検定試験など、幅広い資格が取り上げられ参考になります。
実例!考える時間、稼ぐ時間の作り方
「人材教育の時間を増やし、接客力の向上へ」とあるとおり、業務の効率化を図り、さまざまな改善をしたショップの実例です。
実際にどんな業務にどのくらい時間を使っているのか、書き出してみるところから。きっと自分の店でも働き方を見直したくなる、なかなかよい特集でした。
今月のバラ
世田谷花きのバラ担当による、毎月バラの品種を紹介するコーナー。
今月は、山形県山形市のアキバナーセリーの『フェスティボ』。
オレンジのバラで、色味も優しく日持ちもよい。これからのシーズンにぴったりのバラです。
まとめ。
観葉植物特集は、お店の独自性が表れていて面白かったです。制作期間中に緊急事態宣言が出たため首都圏に絞ったそうですが、全国のお店の紹介もいつか楽しみにしたいところ。
今月号も充実した内容でした!
次号の特集は、「花店のラッピングとパッケージ」、「ドライフラワー」です。興味深い内容、楽しみですね。
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