読書メモ

【フローリスト】2021年6月号 読書メモ

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お花屋さんの業界誌といえば、誠文堂新光社の『フローリスト』


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今月から隔月刊となった6月号。デザイン、内容も一新されました!

表紙の雰囲気もガラリと変わりました!

花束&アレンジメントの特集では、人気のあるお店やフラワーアーティストが登場。どんなふうに変わったのか、さっそく見ていきましょう。

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特集 あの人に作ってほしい花束&アレンジメント

今、メディアが注目する人気の花店、フラワーアーティストが登場。それぞれの思い入れあふれる個性豊かな作品が掲載されています。

今回登場するのは次のとおり、特徴を誌上の紹介文から一部引用してみます。

VEIN 山口香織・・・女性らしくも芯の強さを感じさせる美しい花合わせ
irotoiro 三浦裕二・・・枝物から野草まで、和洋を問わず
VOICE 香内斉・・・独特な空気感で魅了
Laurent.B Bouquetier ローラン・ボーニッシュ・・・優美で可憐なフレンチスタイル
vogel 川開修一・・・植物をみずみずしく表現
はいいろオオカミ+西別府商店 西別府久幸・・・オリジナルの自然美を追求
北中植物商店 小野木彩香・・・たおやかでいて、揺るぎない個性
jardin nostalgique  加藤孝直、青江健一・・・野趣あふれる作風
Tiny N 岡本典子・・・色と形を複雑に組み合わせ絶妙なバランス
farver 渡辺札人・・・あらゆる植物の魅力を大胆に
音空花店 川瀬涼子・・・音からイメージをふくらませて

皆さん、ご自身のイメージに合ったお花を選んで表現しているなぁと感心しました。花束ひとつとっても、ありきたりの感じではないですね。


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edenworksの新たな試み「ew.note」

JR新宿駅直結の商業施設「NEWoMan」にオープンした花店の紹介記事。

「edenworks」を主宰する篠崎恵美さんは、コロナ禍で誰もが気軽に立ち寄れるお店を作る意義があると考え、新しいお店をオープンさせたそうです。

edenworksといえば、ドライフラワー専門店をやったり、クライアントワーク中心の活動をされているイメージでしたが、ここへきて「ふつうの切花のお花屋さん」をやるのは面白いなあ、と思いました。今後も注目のお花屋さんです。

インタビュー つちやむねよし花人生の原点

1984年の『フローリスト』創刊から2年間、表紙のフラワーデザインを手がけたつちやむねよしさん。

この3月に古希を迎えたそうですが、花屋で働き始めたきっかけ、師と仰ぐ栗崎曻さんとの出会いや次世代のフローリストへ伝えたいことなど、熱く語られます。

「諦めないで」「一流を目指しなさい」、つちやさんが次世代のフローリストへ伝えたいことだそうです。

フローリストという雑誌の歴史も感じ、大変読み応えのあるインタビューでした。バブルの頃の花屋さんでも働いてみたかったなあ。

青木園芸のアジサイの魅力

千葉県南房総市の青木園芸といえば、切花アジサイの超有名産地。

アジサイの出荷は5月から11月まで続きますが、青木園芸ではフレッシュ、アンティーク、オータムという独自の基準を明記して、開花ステージを分かりやすく伝えているそうです。

アジサイの各品種が美しい写真入りで紹介されており、同じ品種であっても開花時期によって雰囲気がちがうことがよくわかります。アジサイも奥深いですね。

「再生ーRegenerationー」

「林英明が、行き場のない花や廃材を再利用し、最後の美しき姿を表現した作品群」とあるとおり、ダイナミックな写真が掲載されています。

最近盛り上がっているロスフラワーの取り組みや、ドライフラワー専門店の登場など、「花を無駄にしない」「再利用する」という流れは確実にきているなあと思います。花業界もSDGsを意識しないわけにはいかないということでしょうね。

連載記事

今月から新たに始まった連載もいくつかあります。

自由な花屋リトルの事始め

廃棄の問題に取り組んでいる壱岐ゆかりさんの活動を紹介。

旬花探訪

2年前まで連載されていた、産地を訪ねる「旬花探訪」が復活!!これは個人的にとても嬉しい…!

今回は、東京都清瀬市にある横山園芸のエディブルフラワーです。テレビやイベントでも引っ張りだこですね。

データから読み解く花と暮らし

こちらも嬉しい連載!宇田明さんのデータを読み解く連載です。

今回はコロナ禍における切り花と園芸用植物・園芸用品の年間購入額の推移など。客観的なデータは参考になるし、きちんと専門誌で解説してくれるのは嬉しい限りです。

宇田明さんはブログも面白いので、さらに興味がある方にはおすすめ。

→ 宇田明の「まだまだ言います」

ボタニカル・メタモルフォーシス

「植物の解体と再構築」と副題にあるとおり、丹羽英之さんによる、植物に手を加え、美しさを魅せる技法の解説です。今回はスズランを取り上げています。

再構築の技法が丁寧に手順ごと解説されているのが良かったです。店売りの花屋さんではなかなかここまで手の込んだことはやる機会がないと思うのですが、ちょっとやってみようかな、と思える内容でした。

今月のバラ

世田谷花きのバラ担当による、毎月バラの品種を紹介するコーナー。

今月は、滋賀県守山市のクニエダ株式会社の『オール4 キュールホワイト+』

花形が特徴的で、オープンタイプの品種です。日にちがたつと一段と咲き誇ります。花色はオフホワイトですが、巨大輪で存在感抜群です。

花色がピンクの『オール4キュート+』の枝変わりです。

まとめ。

隔月刊になって内容もぐっと充実。ここにご紹介したほかに、「脳内緑化」宇田陽子、「今さら聞けない花の流通のはなし」などの記事もありました。

編集後記にもありましたが、より花を仕事にしているフローリストに向けた内容になっていたと思います。個人的には、今までよりずっと良い!と感じました。各連載の今後も楽しみです。

今月号には特別付録として、『全国の行ってみたい花屋さん FLOWER SHOP GUIDE 60』もついていました。

次号は7月発刊、特集は「観葉植物と暮らす提案」。おうち時間を充実させるために、お花業界もできることがありそうですね。

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