お花屋さんの業界誌といえば、誠文堂新光社の『フローリスト』。
お花の仕事をしていると、毎月なんとなく目を通している人も多いのではないでしょうか。
かくいう私もその一人ですが、いつもパラパラ読んで終わってしまうので、内容メモを作ることにしました。
5月号は、「東信、花樹研究所 JARDINS des FLEURS」。
海外でも幅広く活躍するフラワーアーティストの特集です。どんな内容なのか興味津々!
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特集1. 東信、花樹研究所 JARDINS des FLEURS
「東の核となるものに迫るのが本特集の狙い」とあるとおり、東信及び花樹研究所(AMKK)のプロジェクトを5つのキーワードに分け、豊富な写真とともに紹介しています。(敬称略)
原点
東の原点は花屋。花本来の美しさを引き出すためにすべての活動があるという東。
東のフルオーダーメイドの花店「ジャルダン・デ・フルール」の一日を丹念に追って紹介。
仕入れがすんだ花の水揚げ、アレンジメント&ブーケ制作、ショップ、実験、作品制作、撮影までの流れが詳しく紹介されています。スタッフの紹介記事も興味深いです。
生と死
「花を殺して生かす」、東がよく口にする言葉だそう。花の死と向き合う覚悟が花屋には必要という東。花の死と向き合った一連の世界を紹介。
摩擦
花の命を絶って表現するからには自然を超えなくてはならないと、「自然の超越」を自らに課している東。それは植物と周囲との間に”摩擦”を引き起こすことにもなる。世界各地での圧倒される写真の数々。
祈り
花にさまざまな祈りを込めてきた東のプロジェクトの紹介。「献花」にもいろいろな形があります。
希望
「フラワーショップ希望」プロジェクトから移動花屋をオープンし、現地の人々に花を配る試みを行ったAMKK。花を贈られて喜ぶ世界各地の人たちの写真とともに。
東信ロングインタビュー:信念
本人へのインタビューでは、東の今日に至るまでの歩みが語られています。かなり読み応えあるインタビュー。
特集記事を読み、壮大な花の世界に挑む人という印象でしたが、原点は「すべては花のためにある」という確固たる信念なのだと納得しました。
特集2. 花のサブスクの今
花のサブスクを楽しむ人も増えているというこのごろ。実際にサブスクを行っている企業や花店に取材した記事。登場するのは次のとおり。
Bloomee
HitoHana
季節のドライフラワー定期便
FlowerLetter
ハナノヒ
始めたきっかけやどう軌道に乗せたか、今後の展開などについて取材した内容。
企業によってそれぞれ特徴があります。花の初心者向け、花好きな人向け、個人・店舗向けのドライフラワー・スワッグ、企業からスタッフへのプレゼント、来店型サブスクといった具合。
共通するのはコロナ禍で需要が増えたということ。お花の出番があるのはうれしいですね。それぞれのプランも紹介されているので、使ってみるときの参考にもなるのでは?
ハナラボもサブスクに注目し、実際に注文してみてレビューをしています!まとめ記事はこちら↓↓
LOVE CARNATION!
母の日のイメージが強いカーネーション。「おしゃれじゃない」と敬遠された時代もあったそうですが、多くの品種が流通するようになり、花色も豊富になりました。スタンダードタイプ、スプレータイプと写真でさまざまな品種が紹介されています。
カーネーションにまつわる話の中で、2021年の輸入事情にも触れられており、お花屋さんにとって役に立つ記事だと思いました。
今月のバラ
世田谷花きのバラ担当による、毎月バラの品種を紹介するコーナー。
今月は、静岡県藤枝市・増田バラ園の『モーヴギモーヴ』。増田さんは香りのあるバラにこだわって栽培しているそうです。
中輪サイズで香りがよく、ブルー系の落ち着いた色合いのバラ。名前はフランス語で「モーブ色のマシュマロ」という意味だそうです。
コロンとした形はマシュマロのようで、日数がたつと開いてきます。”ブルーパフューム”の様変わりのバラで、同系統の新たな品種を今年も発表予定だそうです。楽しみですね。
まとめ。
今月号は、東信の花の世界に迫る特集が読み応えがありました。多様な角度から、ここまで詳しく書かれたものは珍しいのではないでしょうか。
『フローリスト』は次号からリニューアルされ、奇数月の隔月刊になるそうです。ちょっと残念ですが、そのぶん内容が濃くなることを期待して…!!
6月号は「いま、注目のフローリストが作る花束&アレンジメント」の特集です。どんな作品が登場するのか楽しみですね。
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