花鉢図鑑

【クリスマスローズ】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

晩秋から冬をまたいで春先まで楽しめる数少ない花の一つである『クリスマスローズ』


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冬の寒々しい時期も素朴で可憐な花姿で心を温めてくれます。花の色や形が一様でなくバリエーションに富むのも魅力のひとつ。コアな愛好家も多い人気の花です。

今回は、冬~早春にお花屋さんに出回るクリスマスローズの花鉢を買ってきたときの管理方法・育て方について解説します

クリスマスローズとは?

クリスマスローズの基本情報

クリスマスローズの基本情報です。

分類:キンポウゲ科ヘレボルス属(クリスマスローズ属)
原産地:ヨーロッパ、トルコ、シリア、ジョージア、中国四川省
英名:Christmas Rose, Windter Rose
和名:フユボタン、初雪おこし、八手花笠、節分草

ローズと名前につくもののバラ科ではなく、キンポウゲ科。クレマチスやアネモネの仲間です。

花弁に見える部分はガク。葉の一部が変化して色づいたものなので、とても長く楽しむことができます。

開花株は、早ければ11月後半にはお花屋さんに並びますが、より多くのバリエーションが出揃って選びやすくなるのは年明け1月以降です。

最近は切花でも出回りますが、やはり園芸の愛好家が多い植物。庭でも鉢植えでも楽しめますし、愛好家の方は交配して自分だけの花を咲かせる楽しみもあるようです。

▶【切花図鑑】クリスマスローズ|花言葉・出回り時期・花もち・飾り方

「ヘレボルス・ニゲル」と「オリエンタリス」

クリスマスローズには様々な種類があり、特徴によって細かく分類されています。ここではすべてを解説することはできないので、お花屋さんに出回る「花鉢」としてよく見る2つの種類についてのみ解説します。

まず、11月~12月、まさにクリスマスの頃にお店に並ぶ「白いクリスマスローズ」。

ヘレボルス・ニゲル

これは「ヘレボルス・ニゲル」です。本来、ヘレボルスの中でこの種類だけが”クリスマスローズ”と言われていました。

 

ふたつめは、1~3月頃にお店に並ぶ、グリーンやピンクなどの色があるクリスマスローズ。

オリエンタリス・ハイブリッド

これは「オリエンタリス」(オリエンタリスを基にしたハイブリッド系)と呼ばれる種類です。こちらはかつて”レンテンローズ”と呼ばれていましたが、最近はすべてまとめて「クリスマスローズ」として流通しています。

ほかにも、ニゲルとオリエンタリスを交配した系統、茎が立ち上がるような「有茎種」やそれらの交配種など、クリスマスローズには本当~~に多くの種類があります。

クリスマスローズについては専門書がいくつも出ていますので、興味のある方はぜひ1冊読んでみると良いですよ。

なんでそんなに人気があるの?

そんなに派手な花ではないのに、ものすごく愛好家の多いクリスマスローズ。その魅力のひとつは、タネをとって育てることができるところ。

クリスマスローズは株分けでふやすのに時間がかかること・タネが簡単にとれることから、一般の人でもタネでふやすことができます。

株分けと違い、タネはまいても親と同じ花が咲くとは限りません。思いもかけない花色や花型が出ることもあります。好みの花をみつけて交配し、自分だけの花を咲かせることができる。それがクリスマスローズの魅力です。

 

クリスマスローズの花言葉

クリスマスローズの花言葉は、『追憶』『私を忘れないで』『慰め』『私の不安をやわらげて』など。

クリスマスローズと人間との歴史は古く、紀元前1400年頃には薬用植物として扱われていたという記録もあります。

聖書や民話にも色々なお話が残っており、花言葉もそれにちなんだもの。うつむきがちに咲く花が、ややセンチメンタルな花言葉を連想させるのかもしれません。

 


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クリスマスローズを購入するときのポイント・選び方

花の色は一期一会。自分が気に入ったものを!

春に出回るオリエンタリス系は、花色も豊富。一重咲き・八重咲きから、花弁(ガク)が丸いもの・尖ったものなど、とにかく種類が多いです。

花の色・形・模様などが好みのものを見つけて購入しましょう。

株の見分け方は、茎がしっかりして太いもの・葉柄が太いもの・花や葉に病気の兆候(シミなど)のないものを選びましょう。

 

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

置き場所は:基本は屋外

短期間であれば開花株を室内で観賞するのもよいですが、基本は外で育てる植物。風通しよく、日当たりの良い場所に置きましょう。

耐寒性は強いですが、買ってきたばかりの開花株は寒さに慣れていないこともあります。寒風や霜に当たると株が痛むことがあるので、0℃を下回るようなときは屋内や軒下に入れましょう。

水やりは:土が乾いたらたっぷり

お水は、土の表面が乾いたらたっぷりと。寒さの厳しい早朝や夜間を避け、暖かい日中に行いましょう。

肥料は必要?

すでに花が咲いている鉢を買ってきた場合、月1~2回水やりの際に液体肥料を溶かして与えるとよいでしょう。(忘れてしまっても枯れたりはしないので大丈夫です…!)

肥料をあげるのは5月いっぱいくらいまで。夏は休眠期に入るので、その前に肥料は切っておきます。

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終わった花は摘み取ろう

クリスマスローズの花弁はガク。なので、いつまでも花が咲いているように錯覚してしまいますが、中心部を見るとタネができてくるのがわかります。

中心でタネがふくらんでいる

タネがついてしまうと株の力が弱ってしまうので、タネがつきはじめたら花は茎ごとカットしましょう。カットする際は清潔なハサミで、土際から3㎝ほど茎を残してカットします。

早めに摘み取った花は水に浮かべるとキレイ

古い葉や茶色くなった葉も同じようにカットして綺麗な状態を保ちましょう。

クリスマスローズ、お花が終わったらどうする?

来年も楽しめる!

クリスマスローズは毎年楽しめる多年草です。管理のコツをつかんで、来年もぜひ花を咲かせてみましょう。

夏は休眠:半日陰で乾かし気味に

クリスマスローズは、夏の間は休眠状態になります。この時期肥料があると根を傷めますので、肥料は5月頃まででストップ

夏の間は直射日光を避け、屋外の風通しのよい半日陰に置きましょう。土が乾いたら水やりはしますが、成長期よりは乾かし気味でOK。

植え替えは秋がベスト

クリスマスローズの植え替えは、秋がベストです。株が育ちますので、2年に1回くらいは一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。

夏を越えたクリスマスローズの鉢は、10月頃に一回り大きな鉢に植え替え、緩効性肥料を与えます。花芽がつき、今年の花が準備をはじめますよ。

秋に植え替えられなかった場合は、春に植え替えてもOK。桜が咲き、暖かくなってきてから植え替えしましょう。

 

花鉢の【クリスマスローズ】まとめ

クリスマスローズのまとめです。

・冬~春に出回り、園芸界では人気トップクラスの花

・12月に出回る白いクリスマスローズは「ヘレボルス・ニゲル」

・2~3月に出回るカラフルなクリスマスローズは「オリエンタリス」

・花びらに見える部分はガク

・寒さに強く、屋外で育てる

・毎年花を咲かせる多年草

・種をとって咲かせる楽しみもある(どんな花が咲くかお楽しみ)

栽培の楽しみからマニアックなファンも多く、専門書も多いクリスマスローズ。

ちょっと敷居が高く感じるかもしれませんが、気軽に開花鉢を買ってきてもベランダで十分育てられる丈夫な植物です。

花の少ない冬の季節の楽しみになること間違いなし。気に入った色や形の花を見つけたら、ひと鉢お迎えしてみてはいかがでしょうか。

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