花鉢図鑑

【リーガー(エラチオール)ベゴニア】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

リーガーベゴニア

今回は、色とりどりの花が重宝される『リーガーベゴニア』です。


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「リーガーズベゴニア」や「エラチオールベゴニア」とも呼ばれ、季節を問わず1年中お花屋さんに出回っている花鉢です。

華やかで色の種類が豊富なお花は、眺めているだけでも楽しい気分になりますね。

育てるには少々気難しいところもあるお花でもありますが、コツをおさえれば長くお花を楽しむことができます。

今回は、『リーガー(エラチオール)ベゴニア』の管理方法や育て方のコツ、購入の際のポイントを解説します。

リーガー(エラチオール)ベゴニアとは?

リーガー(エラチオール)ベゴニアの基本情報です。

リーガーベゴニア

分類:シュウカイドウ科 ベゴニア属
原産地:南アメリカ 

「リーガー」と「エラチオール」どっちが正解?

このベゴニアは、球根ベゴニアと根茎性ベゴニア(ベゴニア・ソコトラ)との交雑で誕生した園芸品種です。

ドイツの育種家、オットー・リーガー氏が数多くの品種を育成したため、リーガーズベゴニアと呼ばれるようになりました。

植物名としては『エラチオールベゴニア』が正しいのかなと思いますが、お花屋さんや市場など流通上は「リーガーベゴニア」の方がメジャーかもしれません。

この記事では『リーガー(エラチオール)ベゴニア』と記載することにしますが、お花屋さんや園芸店で見かけたときは、どちらも同じものだと思ってください。

ちなみに、「エラチオール」とは、「背の高い」という意のラテン語だそう。

1年中出回っている花鉢

リーガー(エラチオール)ベゴニアは、お花屋さんでは非常にメジャーな花鉢。真夏を除きほぼ一年中出回っており、商業施設の装飾などにもよく使われています。

ただし、本来は短日性で冬に花を咲かせる植物。冬咲きベゴニアとも呼ばれています。

花色は白や赤、ピンク、オレンジ、黄、複色と様々。

花は小輪や大輪、一重、花びらがバラのように重なった八重など様々な咲き方の違いがあり、たくさんの品種が出回っています。

リーガーベゴニアは花が落ちる?

リーガーベゴニアは花が落ちやすい…という印象を持たれている方が多いのではないでしょうか?

確かに昔は、ちょっと鉢を振ると花やつぼみがポロポロ落ちたりしたものです。

最近では生産段階のうちに落花防止処理が施されていることが多いため、極端に環境を変えない限りは花が落ちやすくなるということはありません。最後の小さなつぼみが開くまで、長く開花を楽しむことができます。

リーガーベゴニアの花言葉は?

花言葉は『愛の告白』『親切』『片思い』『永遠の栄え』など。

例えば…白の花は親切、ピンクは幸福な日々・丁寧・親切、オレンジ色は片想い・愛の告白など、色により言葉は異なります。

なお、「片思い」は、葉が左右非対称で大きさが違うことが由来のようです。(諸説あり)

 


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リーガー(エラチオール)ベゴニアを購入するときのポイント・選び方

複色は華やかな雰囲気

根元がぐらつかない株を選ぶ

株自体がしっかりとしており、茎が太くぐらつかないこと。葉の数が多く青々としており、下葉までついているもの。この2つが大きなポイントです。

また、病気にかかっていないかをよく確認しましょう。葉っぱに斑点や変色がある場合は病気にかかっている可能性があります。

花や葉の表だけでなく、裏にも害虫がいないかチェックしましょう。

秋・春に買うのがおすすめ

夏の暑さと冬の寒さ双方に弱い性質のお花なので、ちゃんと育てるぞ!と思う方は春や秋の購入がおすすめです。

秋はクリスマスにかけて、春は母の日にかけて、出荷量も多くなりますので、好みの色や品種が見つけやすいと思います。

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

黄色・オレンジ・赤・ピンク…花色豊富

置き場所は基本「室内」

基本は、あたたかく、明るい室内がベストです。

生育適温は20℃前後(15~20℃あたり)で、冬は最低でも温度が10℃程度は必要になります。

強すぎる日差しは葉焼けの原因になるので、春~夏はレースカーテン越しの柔らかい光を意識しましょう。

冬は、夜間の室温が下がりすぎないよう注意!温度の急激な変化で弱ってしまうことがあります。(冬の窓辺はけっこう冷えるのです)

生育適温の範囲であれば戸外に置くこともできますが、直射日光が当たらず明るい日陰がある場所を選びます。風通しの良い軒下などが良いですね。多湿は苦手なので、雨が当たる場所は避けましょう。

水やりはひかえめ!しっかり乾いてから。

鉢表面の土がしっかり乾いたら、鉢底から流れ出るまで水を与えます。

多湿に弱く、比較的乾燥には強いので、水のあげすぎは厳禁です。

とくに高温多湿は病気のもと!斑点細菌病、うどんこ病、灰色かび病などにかかりやすくなります。

水のあげすぎに注意し、戸外に置く場合も雨に当てないよう軒下で管理するなどして、病気の発生を未然に防ぎましょう。

肥料は必要!次々花を咲かせます

次々と花を咲かせるリーガー(エラチオール)ベゴニア。栄養が不足しないよう、開花期は10~14日に1回程度、液肥を薄めたものを与えてあげましょう。

肥料が切れてくると、葉色が薄くなったり、花のサイズが小さくなったり、花数が減ったりします。

ハイポネックスなどの液体肥料を1本用意しておくとよいでしょう。

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終わった花や、傷んだ葉は摘み取ろう

傷んだ葉や花がらはこまめに摘み取ります。花は茶色く変色してくるので、終わりがわかりやすいです。

葉も茶色くなってきたら根元から摘み取りましょう。そのままにしておくと、カビたり腐ったりして病気が発生しやすくなります。

買ってきてから2か月の様子をチェック!

どんな感じで花が咲いていくのか、秋に買ってきたリーガーベゴニアを約2か月観察してみました。

10月30日購入しました
購入から15日。最初に咲いていた花は花柄として摘みはじめてます
つぼみも順調に咲いてますが、色は薄め
20日後。つぼみが咲いてきています
すべてのつぼみが咲き終わったら、茎ごと摘みます
35日目。だいぶ色が薄くなりましたが、まだ咲いてます

 

暗めの室内に置いたので、全体的に日光不足…。明るい室内なら、もう少し花色もはっきり出ると思います。

水やりは1週間に1回くらい。毎回液肥入りの水で水やりしました。

リーガー(エラチオール)ベゴニア、お花が終わったらどうする?

リーガー(エラチオール)ベゴニアは使い捨てにされやすい花鉢ですが、管理によっては何度もお花を楽しむことができます。

しっかり肥料で花期を長くする

まずは購入してきたときの1番花を長く楽しむこと!それには肥料がとても大事です。

室内の明るい場所に置き、薄めた液体肥料をしっかりやり続ければ、次から次へ咲いてくるお花を楽しめます。

秋冬に購入したもの → 春に剪定してみよう

秋冬期に購入したエラチオールベゴニアの株の場合、3月頃になると草姿のバランスが悪くなることが多いです。

気温が上がってくる時期(3月下旬から4月上旬頃)を選んで切り戻しをおこない、形を整えます。

「葉を数枚残して切り戻すこと」が大事なコツ!3~4週間ほどで再び花が咲き始めます。(下葉を残さないでカットしてしまうと株の回復が遅れる場合があります)

注意したいのは「暑い夏」「寒い冬」

ダメにしてしまうことが多いのは「夏」です。日光が強くなり気温が高くなる夏、リーガーベゴニアは高温多湿に弱いので注意が必要。

室内で人間が快適な温度の部屋、直射日光が当たらない場所に置くとよいでしょう。

また、冬寒すぎるのも苦手です。10℃以下にならないよう、室内で置き場を工夫してください。水やり後、根が冷えるのが良くないので、天気の良い日の午前中にお水をあげましょう。

花鉢の【リーガー(エラチオール)ベゴニア】まとめ

リーガー(エラチオール)ベゴニアのまとめです。

・暑さと寒さ、多湿に弱い
・カーテン越しの光が当たる温かい室内に置く(冬の夜間は寒さに注意)
・水やりは天気の良い日の午前中に。
・肥料は必須!栄養不足はお花のサイズと数の減少のもと。

高温多湿に弱いからこそ、お花を長く楽しむためには、温度と湿度の管理が大きなポイント。次々とお花を咲かせるには肥料も不可欠!

鮮やかな色の豪華なお花であることから、「鉢花界の女王」とも呼ばれる『リーガー(エラチオール)ベゴニア』。

春には母の日、冬にはクリスマスの贈り物として選ばれることも多いです。

お世話にはちょっとコツがいるけれど、頑張った分、大きなお花が見られた時の喜びはひとしお♪

上手に育てて、次のシーズンもお花を楽しんでください!

 

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