花鉢図鑑

【アブチロン】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

紙細工でできたような繊細なお花が魅力のアブチロン


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「アブチロン…ってどんなお花だっけ?」という方でも、チロリアンランプ、という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

品種改良が進み、鉢植え向きのコンパクトな株やよく開花する品種も登場し、初心者でも簡単にお世話ができるようになったことから更に人気が高まったお花です。

飾れば一気に南国のような雰囲気の演出も…!今回は、花鉢として人気のヒブリダムと呼ばれる品種をメインに、アブチロンの育て方・管理方法をお伝えします。

アブチロンとは?

アブチロンの基本情報です。

分類:アオイ科アブチロン属
原産地:熱帯アメリカ
別名:ウキツリボク、チロリアンランプ

特徴は4月中旬~11月上旬までと開花期間が長いこと。

熱帯や亜熱帯地域におよそ100種類が分布します。アブチロンと一言でいっても、品種によってその花姿や性質も変わってきます。

温暖な地域原産の植物ということもあって暑さには強いですが、その反面、寒さに弱いのでお住まいの地域の気候を考えて管理する必要があります。

アブチロン

よく花鉢として見られるのは、1枚の花びらの幅が広くて傘のような形をした花を咲かせるヒブリダムと呼ばれる交雑種。ハイビスカスや芙蓉を連想させるような花姿がきれいです。

オレンジや赤、白、黄、ピンクなど…花色も豊富!紫色の花を咲かせるブルーアブチロンと呼ばれる品種もありますよ。

一方で、釣りで使う「浮き」の形に似たお花を咲かせるチロリアンランプと呼ばれる浮釣木(ウキツリボク)は半つる性の品種。比較的寒さに強いのもこちらの品種。赤い萼から黄色い花を地面に向かって咲かせます。

アブチロンの花言葉

「良い便り」「恵まれた環境」「尊敬」「真実は一つ」など。どれも明るくて華やかなアブチロンに似合うポジティブな言葉ばかりですね!

「恵まれた環境」は暖かい気候の環境で育ったことから、また開花期間が長いこと(=継続性)について「尊敬」という言葉がつけられたそう。


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アブチロンを購入するときのポイント・選び方

葉の色と茎の太さは要チェック!

アブチロン

害虫の被害によって、特に小さな株は弱って枯れたり、丈夫な株に成長できなくなるなどのトラブルが起こることも…。

また、葉色が青々としていること、茎が太くしっかりしており、ひょろひょろと徒長していないことも大切です。

最初にチェックする必要があるのは害虫がついていないかということ。春から秋はアブラムシやハマキムシが発生するので、葉や新芽付近は特に細かく確認しましょう。

お店で出回るのは3~10月。初めてお世話をする方は、気温の安定する春のお迎えがオススメです。

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

基本は屋外で育てる!

アブチロン チロリアンランプ↑ウキツリボクやチロリアンランプと呼ばれる品種

 

アブチロンはお日様の光が大好き!光をたっぷり当てて育ててあげましょう。5~10月は屋外で育て、気温が下がる11月以降は屋内で管理します。

アブチロンにぴったりの場所は日当たりと風通しのよい場所。日当たりが悪いと枝も花芽も育たず、花付きが悪くなってしまう原因に…。

また、風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。蒸れないように風通しがいい場所を確保してあげることはもちろん、枝が込み合わないようにケアも欠かせません。

水やり:土が乾いたらたっぷりと。

暖かい時期は生長期なので、お水がたっぷりと必要です。土の表面が乾いたら、鉢の底からあふれるくらいに水をしっかり与えましょう。

冬は水をあげすぎると根腐りを起こす原因になります。土の乾きに気づいたらたまに水をあげる程度でOK。定期的なチェックは欠かさないようにします。

肥料:成長期は定期的に。

気温が15度以上あれば次々に花を咲かせるため、成長期にあたる春から秋には2〜3回緩効性化成肥料を規定の量を与えます。

こまめな花がら摘みは長く花を楽しむポイント!

「長くお花を楽しみたい!」それなら、定期的にしぼんだ花を摘みとることで花が見られる期間をのばすことができますよ。

ガクが残っていると種子がつくられてしまい、そちらにエネルギーを使ってしまいます…。なので、花びらだけを取り除くのではなく、萼の近くの茎から切り落としてしまって大丈夫。

アブチロン、花が終わったらどうする?

ちょっぴり寒さが苦手なアブチロンですが、もともと庭木・花木として親しまれている品種。冬越しさえうまくいけば来年もまたお花を楽しめます!ぜひチャレンジを。

剪定は4月から5月頃。

樹形を整えるだけでなく、花つきをよくするためにも剪定は大事!「ちょっと伸びすぎたかな…」と思ったら、剪定して株全体を整えましょう。

10月が剪定の適期。枝を半分くらいの位置まで思い切ってカットしちゃいましょう。ただし、葉がない位置で切ると切り口から傷み枯れてしまう場合もあるので注意です。

寒さは苦手。冬越しは屋内で!

アブチロンは寒さに弱い性質があるので、寒さに耐えきれず枯れてしまう恐れも。気温が10度以下になる場合には、冬の間は屋内へお引越し。

葉を落とすこともあるので「枯れちゃったかな!?」と心配になることもあるかもしれません。そんな時は枝の先を少し切ってみましょう。切り口が緑がかった色であれば大丈夫です。

植え替えは年1回。

アブチロンのお世話の重要なポイントの1つ。それは…植え替えを怠らないこと。暖かい時期は生長期。枝はもちろん根もよく伸びます。

ただ、根詰まりを起こすと生育スピードが遅くなり、立ち枯れも起こしやすくなります。

植え替えの頻度は、年に1回が目安。根を切る場合は4月から6月または9月頃、鉢を大きくするだけなら4月から9月が適期です。

花鉢の【アブチロン】まとめ

アブチロンのまとめです。

アブチロン

・寒さには弱め。春から秋は屋外で管理、冬は室内での管理。
・長く花を楽しむには、定期的な花がら摘みが大事。
・花つきをよくするためにも剪定はマスト!
・植え替えを怠らないこと。目安は年1回。

おしゃれなランプのようなユニークな花が可愛いアブチロン。「自宅でハイビスカスは難しいかもしれないけれど、こちらなら…!」と感じてくださった方も多いのではないでしょうか。

「初恋」や「ドワーフ・レッド」、「姫りんご」といったように、品種名だけみても可愛らしいものもありますよ。

気になる1鉢との出会いがあったら、ぜひお迎えしてみてくださいね。

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