花鉢図鑑

【スパティフィラム】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

光沢のある濃緑色の葉の間から長い花茎を伸ばし、中に小さな黄色い花をつけた純白の苞。そのコントラストが見事なスパティフィラムは、丈夫で育てやすく、人気の室内用熱帯植物です。


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花をつける観葉植物として、お中元の花鉢として、夏のお花屋さんで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

暑さに強く寒さに弱いですが、管理方法は至ってシンプル。コツを掴めば、だれでも
沢山の花を咲かせることができます。では、育て方のポイントをみていきましょう。

スパティフィラムとは?

スパティフィラムの基本情報です。

分類:サトイモ科スパティフィラム属
原産地:コロンビア・グァテマラ・メキシコ南部・中米などの熱帯アメリカ
和名:笹団扇(ササウチワ)

春~夏に出回る人気の花鉢

スパティフィラムは、春から秋にかけて出回ります。一番よく見かけるのは6~7月でしょうか。だいたい5月から10月ぐらいまで開花し、条件が揃えば周年開花も可能な植物です。

花に見える部分は「苞(ほう)」

白く花のように見える部分は「仏炎苞(ぶつえんほう)」という部分。本物の花は中央の黄色い部分です。同じくサトイモ科のカラーやアンスリウムなどと同じですね。

出回るサイズ・品種も様々

草丈40~100cmくらいになる中型(6~9号鉢程度)のものが多く流通していますが、3~5号鉢の小型のものから10号鉢以上の大型のものまで様々な品種があります。

中型の代表品種は、日本で作出された「メリー」で、一般的に多く流通しています。また、「マウナ・ロア」は、中型でも比較的大きくなる品種で切り花にも使われています。

小型の品種では、中型のメリーが突然変異して生まれた「ミニ・メリー」が人気です。ほかにも、小鉢栽培やテラリウムで楽しむ草丈30cmほどの品種もあります。さらには、葉に班がはいった小~中型の「ドミノ」なども人気の品種です。

いずれも気軽に育てられ、花を楽しめる代表的な室内観葉植物として、ギフトにも多く使われています。


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スパティフィラムを購入するときのポイント・選び方

葉が茂っていて花芽が多いものを

比較的、葉がよく茂っていて色が鮮やかなもの、花がある程度咲いているもの、苞が大きく、白くて艶のあるものを選ぶと良いでしょう。生育期の暖かい時期に購入するのがよいです。

また、ハダニやアブラムシが付着していると弱って枯れてしまったり、他の植物にも付着してしまう恐れがあるので、注意して選びましょう。

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

置き場所は?

室内の日光が当たる明るい半日陰に置きます。レースカーテン越し程度の日差しが当たるくらいの場所が良いでしょう。

真夏の直射日光は、葉焼けを起こすので避けてください。春から秋にかけては、屋外の日陰でも大丈夫。

気温は、だいたい20℃以上あれば花がよく咲き、15℃前後になると成長が緩慢になります。

水やりは?

水は好きなので、水やりはしっかりと。土が乾ききる前にたっぷりと、鉢底から流れ出るまで水やりします。春から秋にかけての成長期は、常に湿っているくらいでも大丈夫です。

空気が乾燥しているとハダニやカイガラムシが発生する原因になるので、水やりのほかに、葉に霧吹きで葉水を与えるとよいでしょう。

肥料は必要?

気温20℃以上の成長期(春~秋)には肥料を与えましょう。2週間に1回程度、ごく薄めのリン酸成分の多い液肥などで追肥すると花が咲きやすくなります。

ハイポネックスなどの液体肥料を1本用意しておくとよいでしょう。

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終わった花は摘み取ろう

白い部分が緑色に変わってきたら終わりのサイン

白い花(仏炎苞)が緑色になってきたら終わりのサイン。花茎の根元から切り取りましょう。終わった花を摘むことで次々に花が咲きます。

スパティフィラム、花が咲かないのはなぜ?

葉っぱは茂るけど花が咲かない…

スパティフィラムを長く育てている方から「葉っぱは元気だけれど花がつかない」と相談を受けることがあります。

日照不足には強いスパティフィラムですが、室内で日当たりがなく、蛍光灯の光ばかり浴びていると花がつきません(葉っぱは元気に茂ります)。

花を咲かせるためには、適度に日に当てるようにしましょう。

スパティフィラム、お花が終わったらどうする?

毎年花が楽しめる!

スパティフィラムは常緑の熱帯植物。環境が整えば一年中花を付けることもできます。買ってきた花が終わったあとも、ぜひ長く育ててみてください。

注意するのは冬の寒さ

スパティフィラムの成長には、最低でも気温8℃以上は必要。冬越しは室内で管理します。床に直置きせず、1段高くすれば冷え防止になります。

冬は成長が止まり休眠状態になります。水やりは表土を乾き気味にし、3日に一度くらい、葉が萎れてきたら与える程度にします。寒い時期に水をやりすぎると、冷えて枯れる原因になります。冬は水を控えめに。肥料も与える必要はありません。

室内であればある程度の寒さには耐えますが、8℃以上をキープした方が春から初夏に花芽が出やすくなります。なるべく暖かくしてあげましょう。

翌春~初夏に植え替えを

スパティフィラムは成長が早い植物です。根が詰まると花が咲きにくくなるため、1~2年に一度、植え替えをおこなうとよいでしょう。暖かくなってきた5月~7月頃が適期です。

根鉢を軽くほぐして古い土を半分ほど落とし、傷んだ根・古い根などを中心に根を整理し、一回り大きい鉢に移し替えます。土は、水はけがよく肥料もちのよい土を選びましょう。観葉植物用の用土で問題ありません。

スパティフィラムはふやせる?

また、スパティフィラムは株分けで増やすことができます。数年育てて大きくなってきた株は、いくつかに分けて鉢をふやすことができます。

株分けは、植え替えの時に一緒に行うとよいでしょう。株分けは、株を増やすだけでなく、鉢の根詰まりを回避するための手段にもなります。

花鉢の【スパティフィラム】まとめ

スパティフィラムのまとめです。

・初夏~夏に出回る熱帯性の花鉢

・涼し気な白い花(苞)が人気

・水が大好き。土が乾く前にたっぷり水やりを

・適度な日当たりがあれば次々花を咲かせる

・冬の寒さは苦手。室内で管理を

・成長が早く、根詰まりに注意

初夏の時期に贈りものとしても活躍するスパティフィラム。手がかからず室内で花が楽しめる人気の観葉植物です。

温かい時期はあまり手がかかりませんが、冬の休眠期には水を控え、冷やさないように過ごすことがポイント。

また、株の成長には根が大きく関係しており、根詰まりに注意しておく必要があります。これらのポイントをおさえて育てれば、毎年すらりとした美しい花姿を見せてくれることでしょう。

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