金平糖を思わせる蕾や個性的な花の形が特徴のカルミア。日本では樹高が約1~3mの常緑低木として、鉢植えとしても庭木としても親しまれている花です。
栽培はシャクナゲやツツジに似ている点も多く、成長がのんびりで自然に樹形が整いやすいこともあり、暑さと乾燥に注意すれば初心者にもスムーズに栽培可能!
今回はそんな「カルミア」の育て方・管理方法をお伝えします。
カルミアとは?
カルミアの基本情報です。
分類:ツツジ科/ハナガサシャクナゲ属(カルミア属)
原産地:北アメリカおよびキューバ
別名:アメリカシャクナゲ、花笠石南花(ハナガサシャクナゲ)
よく見られる品種はカルミア・ラティフォリアなど。4月~6月の開花期に、赤やピンク、白の花を咲かせます。
花の特徴はなんと言ってもその形ですが、性質にもまた面白い一面が…!それは「虫が飛んできた刺激で花の雄しべが飛び出し、花粉が散る」というもの。
カルミアが日本に渡来したのはなんと大正時代。アメリカに桜を贈ったそのお返しとしてハナミズキと一緒に渡来し、戦後に全国へと普及していきました。
名前の由来はスウェーデンの植物学者、ペール・カルム氏の名前から。また、アメリカから贈られたことより「アメリカシャクナゲ」、花の形が花笠に見えることから「花笠石南花(ハナガサシャクナゲ)」という別名もあります。
花言葉は「優美な女性」「大きな希望」「爽やかな笑顔」「にぎやかな家庭」など。「優美な女性」は日傘をさす女性に見える花の形から。
ハナガサシャクナゲという別名に通じるところもありますね!「爽やかな笑顔」「にぎやかな家庭」は、たくさんの小さな花が丸く集まって咲く姿が由来だそう。
カルミアを購入するときのポイント・選び方
春になるとお花屋さんで花鉢が見られるようになります。
伸びた枝の数のうち、半分くらいの枝先につぼみがついているもの、葉につやがあるものを選びます。
買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法
置き場所は?:陽の当たる場所。
カルミアの花付きを良くするためには太陽の光にしっかり当てることが大事。基本的には屋外で風通しのいい場所を選び管理します。
病気の原因となる葉焼けを防ぐために、夏の直射日光と西日が当たらないこともポイント。半日陰でも栽培が可能ですので、日当たりを確認して置き場所を決めましょう。
水やりは?:過湿に注意!
カルミアはジメジメした土が苦手…。なので、土が乾いたのを確認してからたっぷりと与えます。特に夏の時期は過湿に注意!根腐れの原因になってしまいます。涼しい時間帯を選ぶことも大事です。
肥料は?:あげるのは年3回。
花が終わったら、有機固形肥料を置き肥します。花芽ができる9月上旬、寒肥として2月上旬にも置き肥をおこないましょう。
花がらはどうする?:元から切って大丈夫!
カルミアは花が散るのではなく、花が茶色く変色して残ります。あじさいのような感じ…と言えば伝わるでしょうか。花が少ししおれてきたら花茎の元から摘み取りましょう。手でもハサミでもOK!
尚、乱れた樹形を仕立て直す場合は、開花してからのなるべく早い時期に剪定します。5月から6月がベスト!太い枝を短くしたり、多くの枝・芽を切ることを「強剪定」といいますが、これをしてしまうと来年は花が望めません。
枝が混み合ってしまっている部分がある、若い枝がぴょこんと飛び出ている、花つきの悪い古い枝がある場合はカットする…位で大丈夫。
カルミア、花が終わったらどうする?
来年もお花を楽しめます!
カルミアは常緑低木。いくつかコツをマスターすれば来年もお花を楽しめます。花が終わったら、花がら摘みと同様の方法で花茎の元から花を摘み取りましょう。
冬越し・夏越し:水のあげ方に気をつけて。
夏は水のあげすぎによる多湿、直射日光、西日に注意。ある程度の寒さにも耐えるので、冬も屋外の管理で問題ありません。ただし、水やりは控えめに。
植え替えは?:2~3年に1回
2~3年に1回、春(花が終わった直後)か秋(9月中旬から10月上旬)に植え替えます。
鹿沼土大粒にピートモスを3~4割混ぜた土、もしくは赤玉土7割・ピートモス3割で配合した土を使って一回り大きな鉢に植え替えます。
根を傷めてしまうとその後の生育に影響が出るので、土をくずさずそのまま植え替えましょう。
花鉢の【カルミア】まとめ
カルミアのまとめです。
・花付きを良くするために太陽光にしっかり当てる!
・過湿は厳禁!水の量に注意して。
・10月頃になったら蕾の様子を観察。多すぎるなら摘蕾を。
個性的なだけでなく、育てやすくて華やかさもインパクト有り!そして管理も比較的簡単…というのは、初心者にとってハードルが低いのではないでしょうか。
カルミアをお店で見かけたら、是非あなたのお家にもお迎えしてみてくださいね。