花鉢図鑑

【フクシア】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

フクシア

フクシアは、「貴婦人のイヤリング」や「女王様の耳飾り」と言われるように下垂した花がとても上品な植物です。


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極端な暑さと寒さに弱く、枯らしてしまうことの多い花鉢ですが、夏と冬の管理方法を習得して上手に育てれば、春と秋の2回美しい花を楽しむことができます。

では、フクシアの育て方のポイントをみていきましょう。

フクシアとは?

フクシアの基本情報です。

フクシア

分類:アカバナ科フクシア属  常緑性低木

原産地:中南米(熱帯アメリカ)、西インド諸島のほか、ニュージーランド、タヒチ島など

別名:ホクシア、釣浮草(和名)、イヤードロップス(レディー・イヤードロップス)

フクシアは、春と秋にお店に出回ります。現在、世界に2,000~3,000種ほどの園芸品種があると言われていて、花の大きさや咲き方、樹形などによって様々なタイプに分類できます。

花の大きさは直径1cm未満の極小輪から6cm以上の大輪まで、花の咲き方は一重咲き、八重咲き、半八重咲きなど、樹形は草丈が大きくなるスタンダード仕立て向きのタイプ、ハンギング向きのタイプ、コンパクト向きのタイプなどがあります。

5〜6号の釣り鉢仕立てになっているものが多く、その他に小さいポット苗で流通している場合もあります。

また、花色も豊富でピンク、赤、白、紫、オレンジ、複色などがあり、品種は、日本で作出された暑さや寒さに強い「エンジェルス・イヤリング・シリーズ」や、西インド諸島原産の「トリフィラ・タイプ」、ハンギング仕立て向きの「マリンカ」などがあります。

今回はフクシアを春に購入したと仮定して詳しく解説していきます!

フクシアの花言葉と名前の由来

花言葉は、「つつましい愛」「信じる愛」「恋の予感」「好み」「上品な趣味」「恋の予感」などで、花の形がおしゃれや恋愛を連想させるイヤリングに似ていることにちなんでいます。

また、フクシアという名称は、16世紀ごろドイツ植物学の父のひとりとして活躍したレオンハルト・フックス((Leonhart Fuchs)の名前に由来するそうです。


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フクシアを購入するときのポイント・選び方

どんな鉢を選ぶのがよい?

フクシア

根がしっかり回っているもの、株の根元がぐらぐらしないものがおすすめです。

小株から大株まであるので、どのくらいまで成長する品種かを確認し、育てる環境に合わせて選びましょう。大きすぎると管理しきれなくなるので、初心者は株が小さめの種類を選ぶのがオススメ。

また、葉が黒くなっていたり白くなっている鉢は、スス病やハダニの発生の可能性があるので避けましょう。

購入後は植え替え厳禁!ポット苗の場合のみ同じ大きさの鉢に植え替えますが、それ以外の場合は根を傷めないように買ってきた状態のまま楽しみましょう。

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

置き場所は?

サンタンカ

生育期の春と秋は、日当たりがよく風通しのよい屋外で育てます。暑さに弱いので、夏の時期は日陰か半日陰の涼しい場所、風通しのよい場所で育てます。ベランダの床やコンクリートは高温になるため直置きは禁物です。

水やりは?

非常に水切れに弱いフクシア。しかし一番大事なポイントはメリハリをつける事にあります。水切れを心配するあまり、「土が乾く前に水を与えてしまい根腐れを起こしてしまう」のも枯らしてしまう要因です。

「水切れに弱い」と同時に「土がしっかり乾いてから水を与える」事も覚えておきましょう。一見正反対のことを言っているようで混乱してしまいがち。これがフクシアを育てるのが難しいと言われる要因なのです。水やりをマスターして、美しいフクシアを楽しみましょう!

肥料は必要?

施肥については、生育期の春から6~7月頃と9~10月頃、2~3か月に1回置き肥などをするとよいでしょう。

また、花を咲かせるためにリン酸分の多い緩効性液肥を1週間から10日間おきに与えます。休眠中となる夏と冬は肥料は与えないでください。

害虫と病気

フクシアにはオンシツコナジラミが発生しやすいので、気をつける必要があります。湿度の高い時期や低温の時期に灰色カビ病やスス病を誘発するので、見つけたら駆除してください。また、乾燥時期はハダニに注意しましょう。

終わった花は摘み取ろう

花弁に張りがなくなりしぼみはじめたら、花がらを摘み取ります。摘まずにそのままにするとたくさんの赤い実をつけ、栄養分が株に回らなくなるので、こまめに摘み取るのがポイントです。

お花が終わったらどうする?

秋も来春も花を楽しみたい

フクシア

春に買ってきた株であれば、上手に夏越しすることで秋にも花を咲かせることができます。しかし、フクシアは暑さも寒さも苦手でデリケートな鉢花です。人気のある花でありながら難易度はやや高めです。

夏場は25℃以下で管理し、水は土がしっかり乾いてからたっぷりと与えましょう。高温多湿が苦手なので水やりが大きなポイントになります。

梅雨の時期に葉を数枚残して草丈の半分程度に切り戻しをして、日当たりと風通しを良くしておくと、光合成を促し、夏の蒸れを抑えられます。

冬場は室内などに取り込み5℃以上を保ち冬越しをします。屋外では確実に枯らしてしまうので置き場所の確保が必要です。冬場でも病気の対策が大切で、部屋の空気を循環させることで予防になります。

植え替えと増やし方

購入時の植え付けは基本そのままの大きさの鉢にして、翌年以降、土の水はけが悪くなったり根がよく回ったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えをします。2年に1回、20℃程度ある春先の時期に行います。根鉢は軽くほぐす程度で大丈夫です。

秋にも気温が20℃以上になることはありますが、秋の植え替えはおすすめできません。植え替え時期の気温が高くても、次に訪れるのは寒い冬。次第に株が弱ってしまいます。

なお、フクシアは挿し木で増やすのが一般的です。春は2~3月、秋は9~10月頃を目安に行います。

花鉢の【フクシア】まとめ

フクシアのまとめです。

・夏は日陰か半日陰で風通しをよくする

・冬は室内で5℃以上をキープ

・暗い時間が半日続くと花が咲かなくなる

・水やりは土が乾ききってから与える

日当たりや風通し、温度管理にコツがいるフクシア。でも、上品で美しい独特な花姿を長い期間楽しめるとなれば、そんなことは全く苦にならないでしょう。

色や形、大きさなどいろんなタイプがあってどれも魅力的なので、自分の好みのフクシアを探してみてはいかがでしょうか。

 

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