春のお花の中でも、独特の人気を誇る『アネモネ』。
こってりとした紫やピンクの花びらに黒い花芯、インパクトのある見た目はどこか心を惹きつけてやまない魅力があります。
今回はそんな『アネモネ』をご紹介します。
アネモネってこんなお花!
アネモネの基本情報です。
アネモネの基本情報
学名:Anemone coronaria
分類:キンポウゲ科 / イチリンソウ(アネモネ)属
和名:牡丹一華(ボタンイチゲ) 英名:Anemone
原産地:ヨーロッパ南部~地中海沿岸
1~4月頃に出回る、春の花。1本150~300円ほどで、チューリップやラナンキュラスと並んで春と言えば思い浮かぶ定番の花です。
色は白・ピンク・赤・紫など。
アネモネの面白いところは、色ミックスの束が流通しているところ。普通お花屋さんが市場で仕入れる単位は10本で、同一品種を10本買うわけですが(赤いバラなら赤いバラ10本)、アネモネは「白・赤・紫・ピンクがミックスになった10本」みたいな感じで流通しているのです。
慣例なのでしょうが、ほかの切花ではあんまりないことなので面白いですね。(もちろん、白10本とか紫10本とか、単一色でも流通しています)
アネモネの切花の飾り方・日保ちについて。
アネモネの切花、日持ちはする?
アネモネの切花が出回る時期は寒いので、比較的もちは良いと思います。
ただし、花が開いたり閉じたりするので、「同じ姿のまま日持ちする」というタイプではないです。チューリップに似ていますね。
アネモネは明るい場所では花を開き、暗くなると閉じる性質があります。切花でも最初のうちはそんな感じで開いたり閉じたりします。最後は開きっぱなしになり、花びらが散っていきます。
アネモネの飾り方・飾るときの注意など。
水あげは良いのであまり心配いりません。茎をカットしてから水に活けましょう。
アネモネの花言葉は?
花言葉は、『はかない恋』『見捨てられた』『恋の苦しみ』 など。
色別には
赤:『君を愛する』
白:『希望』『期待』
青紫:『あなたを待っています』
春の切花として人気で可愛いアネモネですが、花言葉は悲しい意味が多くてとっても残念。
これは、ギリシャ神話に出てくる悲恋の物語に由来したもの。
ゼフュルス(西風の神)は花の女神フローラの侍女だったアネモネを愛していましたが、フローラはゼフュルスが自分のことを愛していると思っていました。愛されているのは自分ではなくアネモネだったと知ったフローラは腹を立て、アネモネを追い出してしまいます。
ゼフュルスはフローラと平和を保つため、仕方なくアネモネを見捨て、彼女の姿をアネモネの花に変えたと言われています…
というもの。
その他にも、ヴィーナスと美少年アドニスにちなんだ物語もあり、アネモネは古くから身近な花であったことがうかがえます。神話にたくさん登場するほど、ヨーロッパでは古くから親しまれている花ということ。
悲しい花言葉だけに目を向けずに、ぜひアネモネを楽しんでもらいたいと思います。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
切花アネモネの品種いろいろ
切花のアネモネで有名なのは、”モナリザ”や”ミストラル”シリーズ。最近見かけることが増えてきた小輪のタイプは”デカン”。八重咲の”モナーク”などがあります。
単品で映えるアネモネ
春の花なので、ほかの春の花と合わせても良いのですが、アネモネはアネモネ単品で飾るのもおすすめ。色が色々あるので、アネモネだけミックスで飾って十分な存在感と主役感があります。
アネモネの豆知識いろいろ。
名前の由来は「風」
アネモネという名前の由来は、ギリシャ語のアネモス(=風)から来ています。
アネモネは心地よい風が当たる場所を好んで生えていることから、この名前がついたそう。イギリスでは「wind flower」と一般に呼ばれています。アネモネは風の花なのです。
ハウスでの栽培でも、風通しがよくなるよう工夫されています。
参考:産地ウンチク探検隊「JA信州諏訪・長野県 アネモネ・アルストロメリア」
切花のアネモネ、まとめ。
アネモネ、まとめです。
・12~3月に出回る、春の花。
・紫・濃いピンク・赤・ピンク・白などこってりめの色合いがMIXで出回る。
・切花は活けた後も花が開いたり閉じたりする。
・ギリシャ神話にも登場するほど、ヨーロッパでは歴史の古い花。
春の球根花のなかでも、独特の存在感を放つアネモネ。悲しい花言葉がついていることだけが残念なのですが、どうかあんまり気にせずに!!シーズン中のアネモネをたっぷり楽しんでください。
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