最近の花束の流行は、いろんなお花をミックスしたものが多いと思います。
「3000円くらいで、おまかせで」と頼めば、何種類かのお花が入った花束を作るお花屋さんが多いでしょう。駅のお花屋さんの作り置きブーケなどもそんな感じです。
これはこれで素敵ですが、1種類の花をどんと束ねて作る「単品花束」の魅力も捨てがたい。
インパクトある花贈りをしたい方は、単品花束も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
単品花束の魅力。
単品花束の魅力とはなにか。ひとつずつ見てみましょう。
インパクトがある。

定番の、赤いバラのブーケ。
「赤いバラ100本のブーケ」のように、同じ花をぎゅっとたくさん集めた花束はインパクトが大きいです。
100本とまでいかなくても、10~20本でも充分な存在感。
「なんとなく花束をもらった」というのではなく「バラをもらった」「チューリップをもらった」として、印象に強く残るでしょう。
好きな花や、季節の花、思い出の花など、その「花」に意味を込めて贈ることができるのもいいですね。
種類を選べば、けっこう安くできる。

ガーベラのブーケは単色でも、いろんな色を混ぜても可愛い。
種類にもよりますが、単品花束はインパクトがあるわりに安く作れます。コストパフォーマンスがよいのですね。
たとえば1500円のブーケ。
いろんな花を入れて作るとコンパクトで当たり障りのないミニブーケ風ですが、150円のガーベラを10本束ねたら同じ予算でぐっと印象に残る「ガーベラのブーケ」になります。
1本1000円のユリと他の花を入れて2000円の花束を作るのはちょっと厳しいけど、ユリ2本だけを潔く束ねて贈れば、同じ値段でスタイリッシュな「ユリの贈りもの」に。
予算がないときにこそ、単品花束は心強い味方です。
手入れが同じでいいので、飾るのが楽。

単品だからこそ可愛い「スズランのブーケ」は人気。
色んな花が入っている花束は、枯れてくるスピードもバラバラ。
あちこちに分けて飾ったりするお花好きの人には良いですが、バサッとそのまま飾るなら単品花束は手入れが楽ちんです。
フローリストの腕やセンスに差が出にくい。

チューリップをぎゅっと束ねたブーケは、春だけの贈りもの。
これはまあ微妙な話ですが…同じ花を束ねるだけなので、腕やセンスの差が出にくいですよね。
例えば全国ネットワークなどで別のお花屋さんに頼むとき、なるべく思い通りのお花を届けたいから単品花束にする、というお客様もいらっしゃいます。
いろんなお花をミックスする花束は、センスや個性が出やすいということですね。
多種類の花をミックスした花束が人気なのはなぜ?

まあ、「流行」ってことなのでしょうが…
昭和のころは「バラとカスミソウ」みたいな単品に近い花束が主流でしたし、「カスミソウだけ」「カサブランカだけ」みたいな花束が流行った時期もあります。
また、昔に比べてたくさんの種類の切花が流通しているというのもあります。お花の種類がふえたから、いろいろ組み合わせて束ねることができるようになったのですね。
フローリストとしては、組み合わせる楽しさ・センスの見せ所です。その花屋さんの組み合わせ方が好きだから買う、という人も多いでしょう。
色々な花を在庫しているお花屋さんの場合、バランスよく在庫を使いたい、というのもあるかも。
単品花束を注文するとき、気を付けること。
そんな素敵な単品花束ですが、注文の際には1点注意があります。
それは、
事前に予約をしましょう。
ということです。
バラ20本の花束、今日欲しいんです…というお客さん、いるんですよねー。
ミックスしてつくる花束の場合、店の在庫をうまく組み合わせて予算内の花束をつくることはできますが、単品10~20本でつくる花束は、それに応じた仕入れが必要。
運良くたまたま在庫があって作ってもらえることもありますが、バクチのようなものです。
単品花束を作ってもらいたい場合は、1週間くらい前までに花屋さんに相談しましょう。
相談に行ったときに店にあるものや、季節のおすすめなどを聞くと、その時期に手に入りやすい、いいお花をおすすめしてもらえるはずです。
逆に言えば、事前に注文してもらえばほぼ間違いなく、良いものが用意できるのです。
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ご予約をいただいて、ホワイトデーに作ったブーケ。アネモネだけで、というご指定でした。

うーん、可愛い!こんなのもらったら嬉しいよね。
ちょっとした工夫と事前の準備で、思い出に残る花束は作れます。
ぜひ相談してみてくださいね。