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「私、サボテンも枯らしちゃうんです」という人に、ひとこと言いたい件。

園芸店・生花店で働く人が、必ず一度は言われたことがあるセリフ。

 

『育てやすい植物って何かありますか? 私、サボテンも枯らしちゃう人なので…』

 

植物を育てるのが苦手と言いたいのはわかるけど、なぜか決まった様式のように「サボテンも枯らす」という枕詞がついてくるんです。なんなの?定型文?!

言われるたびに何となくモヤっとするので、なぜモヤっとするのか、掘り下げて考えてみました。

 

サボテンだって枯れます。

 

サボテンだって普通の植物です。水がなければ枯れるし、日が当たらなければ枯れる。

さらに、実感としては、特別育てやすい植物でもないと思います。私も何度も枯らしてますよ。

「サボテンも枯らす」と言う人たちは、サボテンをサイボーグだとでも思っているのでしょうか。

サボテンだって必要な水分と養分が得られなければ枯れます。普通の植物と同じです。

 

そもそも植物は、環境が合わなければ枯れる。

 

植物は、動物と違って動くことができません。つまり、自分が生えている場所の環境が自分に合わなくなったとき、移動することができません。

なので、植物は環境が合わなくなると枯れます。それは園芸でも、自然下でも同じ。

 

原っぱに生えている草花は、大きな木が生えて日当たりが悪くなれば、いつの間にか枯れてなくなります。そのかわり、日陰に強い植物がどこからともなくやってくる。

ひとつの個体は死んでなくなりますが、種としては適正な場所に移動したということ。

 

植物にとっての「枯れる」というのは、動物における「死」とは少し違うのだと理解しています。環境が合わなくなったら枯れるのは自然なこと。

植物は、無理な環境で頑張ろうなどとはしないのです。

 

園芸とは、合わない環境下で植物を楽しもうとすることである。

 

ところが人間がやっている「園芸」というものは、人間が楽しむためのもの。

植物にとっていい環境かどうかはお構いなく、自分の見える場所に植物を置いて愛でようとする、人間の道楽です。

 

実際、我々が楽しんでいる園芸植物の種類の多さ・出身地の幅広さはどうでしょうか。

大航海時代、ヨーロッパ人がアジアやアフリカの植物を持ち帰って珍重したのに始まり、はるか地球の裏側から珍しい植物を持ってきては栽培し、小さな鉢に植え、都会のマンションで楽しもうとする。

 

むりやり人間に置き換えるなら、生まれ育った町から突然さらわれて、気候も文化も違う場所に連れていかれ、知らないおじさんの家に連れてこられ狭い部屋に閉じ込められるようなものです。そりゃあ体調も崩すわ。

 

園芸が悪いと言っているわけではありませんが、人間はそういう「不自然なこと」をしているのだという自覚はあってもいいのではないでしょうか。

 

サボテンはどこからきたか。

 

「サボテンも枯らしちゃう」と引き合いに出されているサボテン。せっかくなので、どんなところから来たのか、思いをめぐらせてみましょう。

 

多くのサボテンの原産地は、南北アメリカです。

アリゾナ、ニューメキシコ、テキサス、カリフォルニア、メキシコ、チリ、アルゼンチン、ボリビア、ブラジルなどが彼らの故郷。

 

垂直分布もかなり高く、高原や山地など標高の高いところに多く生育しています。

乾季と雨季がはっきりしている(乾季にはとても乾燥する)、冬季には雪にうもれる場所もあるなど、非常に厳しい環境にそれぞれの種が適応して生息しているのです。

 

「サボテンの自生地」で画像検索してみると → こんな感じ

 

そんな環境の中に非常に多くの種があり、それぞれが適した場所に住み分けているのです。

それを持ってきてひとくくりに「サボテン」として売っていますが、自分が育てようとしているサボテンの故郷がどんな環境なのか、まずは調べてみるべきでしょう。

 

「サボテンも枯らしちゃう」と言う人に、言いたいこと。

枯らすことを恐れるな。

先程も述べたように、「園芸」というのは、その植物にとってベストではない環境に植物を持ってくることです。

そりゃあ、枯れることもある。枯れることを怖がっていたら、園芸なんてできません。

 

私は、枯らすことにそんなに罪悪感を持つことはないと思う派です。園芸なんてそもそもそういう身勝手なことをしているのだから、そんなに長生きしなくても仕方ない。また買ってきて置けばいいじゃない、と。

 

そんなの冷たい!かわいそう!と思うのであれば、その植物が本来どんな環境にいたものなのか?(原産地情報)、それを自宅でどこまで再現できるか?くらいは調べて考えてみたら?と思います。それもしないで、かわいそう!とか言うのはいかがなものでしょうか。

 

サボテンを引き合いに出すな。

すべての植物には、育つのに快適なそれぞれの環境があります。それは難しいとか簡単とかではなく、ただ「それぞれ違う」ということだけ。

「私、サボテンも枯らしちゃうんですー」というセリフにモヤっとする原因は、サボテンの事情も調べずに、サボテンを引き合いに出してくるからなのでしょう。

 

サボテンにはサボテンの、アイビーにはアイビーの、苔には苔の、「快適な環境」がある。

枯らしたくないと思うのであれば、その環境(に近いもの)を提供できるかどうか、こちらが歩み寄ることしかありません。

 

まとめ。

サボテンを枯らしたからといって、植物を育てるのが苦手と思う必要はありません。

地球の裏側から連れてこられたサボテンが、あなたのおうちに合わなかっただけ。

 

「簡単に育てられる植物」「枯れにくい植物」を探すなら、あなたのおうちの環境や生活のペースに合う植物を探せばいいのです。種類は少ないかもしれませんけどね。

 

植物を真剣に育てる人も、インテリア感覚で楽しむ人も、どちらもあっていい。

ただ、サボテンへのリスペクトは忘れてはいけないぞ、と思うのでした。