初夏の花の中でひときわ豪華ではずせない花といえば「シャクヤク」。
立てばシャクヤク、座ればボタン…と美人のたとえに使われるほど、古くから人々の目を引いて離さない花のひとつでしょう。
今回はそんな「シャクヤク」の切花についてご紹介します。
シャクヤクってこんなお花!
シャクヤクの基本情報です。
シャクヤクの基本情報
学名:Paeonia lactiflora
分類:ボタン科 / ボタン属
和名:芍薬 英名:peony
原産地:東アジア(中国・朝鮮半島など)
5月~6月頃限定で出回る季節の花です。母の日頃から出回りますが、もう少しあとの5月下旬~6月の方が価格も下がって旬なのでオススメ。
色は赤、濃淡ピンク、白、コーラルピンクなど。
大きさや品種で価格も様々ですが、短いものなら1本300円~、高いものだと1本700~800円するものも。
お店に出回るのはつぼみの状態ですが、咲くと姿が変わるほど豪華な花が咲きます。どのくらい固いつぼみを買うかが楽しめる期間のポイント。固すぎず、ゆるすぎず、のつぼみを上手に選びましょう。(後述)
シャクヤクの切花の飾り方・日保ちについて。
シャクヤクの切花、日持ちはする?
シャクヤクの切花の日持ちについては、「咲き始めたら早いよ!」と声を大にして言いたい。
シャクヤクが出回る5月~6月は暖かい日も多いので、咲き始めるとぶわっっ!と咲き進みます。
これが
こうなって
こうなって
散り際にはちょっと色が変わったりして
ばらばらっと散ります。
ここまでくるのに、早いと4~5日。
でも、咲き進むシャクヤクは本当に見飽きない美しさなので、ちゃんと家にいてゆっくり眺められるタイミングで買うのがおすすめです。
じゃあ、固いつぼみを買えばいいの?というと、これも難しいところで。固すぎるつぼみは、買ったけど咲かなかった…ということもある花なのです。
咲かないつぼみへの対処法はこちらの記事に。
いろいろ考え方はあると思いますが、個人的なおすすめとしては、『ちゃんと咲きそうなつぼみを、ヒマな時期に合わせて買う』一択です。
シャクヤクの飾り方・飾るときの注意など。
花が咲くまでの水あげが大事。葉っぱが多すぎると水が下がるので、適宜葉っぱの量を減らしましょう(お花屋さんできちんと処理してくれるところが多いと思いますが)。
葉っぱの数そのものを減らす、または大きい葉っぱは先端の方を半分切り落としたりもします。
茎は斜めに切りましょう。花屋では「湯あげ」をするところも多いです。
斜めに切った茎の中心部、白いふわふわした部分はこそげとります。
シャクヤクの花言葉は?
花言葉は、『謙遜』『恥じらい』『清浄』『威厳』 など。
シャクヤクには夕方になると花を閉じてしまう性質があり(切花は閉じませんが)、はにかみ屋の妖精がこの花に隠れたら花ごと赤くなった、というイギリスの民話があるそう。
「恥じらい」などの花言葉はこのエピソードからついているのでしょう。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
シャクヤク単体+枝ものの組み合わせ
シャクヤクは咲くと大輪豪華な花なので、個人的には単体で飾るのがおすすめ。合わせるとしたら、枝ものや葉物でシンプルにシャクヤクを引き立てるのが良いのではないでしょうか。
この時期合わせやすい枝ものとしては、ヒメリョウブ、バイカウツギ、ドウダンツツジなどがおすすめです。
香りや手触りも楽しみのひとつ
品種によっては、ほんのり良い香りがするものも。また、シャクヤクの花びらはひんやりしっとりした独特の触感。
満開になったシャクヤクに顔をうずめたり、ぎゅっと触ってみてほしい…!気持ちの良い感触にうっとりです。
シャクヤクの豆知識いろいろ。
和シャクヤクと洋シャクヤク
出回っているシャクヤクには「和シャクヤク」と「洋シャクヤク」があります。これは品種改良された歴史の違い。
シャクヤクの原産地は中国や朝鮮半島。日本に伝わったのは平安時代より前だとか。漢方薬として伝わったのが最初だったのではないかと言われています。
日本にもシャクヤクの原種がいくつかあり、それらと交配育種していってうまれたのが「和シャクヤク」の系統。中心が見える一重咲きや、中心に花びらが多い翁咲きなどの咲き方が多いです。
それに対し洋シャクヤクは、18世紀に中国からヨーロッパに持ち込まれたものを改良した系統。花びらが多く、バラのように咲くものや、香りがよいものが多いです。
中国原産の菊が、和菊と洋マムになったのと、歴史的にはよく似ていますね。
切花のシャクヤク、まとめ。
シャクヤク、まとめです。
・5~6月限定で出回る季節の花。
・咲いた姿は豪華絢爛!咲き始めると咲き進むのが早いので、家にいる週末に合わせて飾ろう。
・香りや肌触りも楽しみポイント。満開のシャクヤクは触ってみよう。
・日本の「和シャク」と西洋の「洋シャク」がある。
豪華絢爛なシャクヤク。5~6月にしか出回らない、季節限定の切花です。毎年この花に会えると、初夏が来たなあと思うもの。
シーズン中に、ぜひぜひ一度は飾ってほしい!切花です。ぜひゆっくり眺められる休日に、シャクヤクを飾ってみてくださいね。