秋が旬のお花のひとつ、ケイトウ。
なんか脳みそみたいで気持ち悪い、色が毒々しい、など「ちょっと苦手…」という意見もありますが、じつは種類も豊富でカワイイ品種もいっぱいあるんです。
切り花としても長持ちするし、大きいものは存在感あってアレンジやスタンド花にも活躍する、秋の花屋の味方です。
秋のたのしみ、切り花のケイトウをご案内します!
ケイトウってこんなお花!
ケイトウの基本情報です。
ケイトウの基本情報
学名:Celosia argentea
分類:ヒユ科 / セロシア属
和名:鶏頭・鶏冠花 英名:plumed cockscomb
原産地:アジア・アフリカの熱帯地方
切り花としての出回りが多い時期は、6~11月。最盛期は8月~9月です。
価格は種類にもよります(後述)が、1本200~400円くらいでしょうか。決して、高級な花!という印象はありません。
色がカラフルなこと、かたちがユニークなこと、秋の花であることから、『お盆・お彼岸・ハロウィン』で活躍するイメージです。
いろんな品種を見たかったら、そのへんの行事に合わせて探してみると良いかもしれません。
学名は、「燃焼」という意味のギリシャ語に由来しているそう。炎のように見える花姿から連想したのでしょうか。
ケイトウの切花の飾り方・日保ちについて。
ケイトウの切花、日持ちはする?
ケイトウは比較的もちのよい花だと思います。季節的にも、真夏より少し涼しくなってくる時期ですしね。
傷んでくると、花より先に葉っぱが黒ずんできます。意外なことに、花の方がもちはいい印象。見ばえの悪い葉は早めに取り除きましょう。
ケイトウの飾り方・飾るときの注意など。
ケイトウの弱点は、やや茎が腐りやすいこと。
花瓶の水は少なめ(浅水)にして、風通しよく飾りましょう。輪ゴムなどで留めたままだと、そこから茎が腐ってきやすいです。
ケイトウのいわゆる「鶏頭」部分は、茎が変形して色づいたもの。本当のお花はその下にツブツブとある小さな部分です。
長く飾ったりドライにして置いておくとタネがパラパラ落ちることがありますが、それはこの部分からこぼれます。
ケイトウの花言葉は?
花言葉は、『おしゃれ』『情愛』『風変り』『気取り』『色あせない恋』 など。
ちょっと個性的な見た目から、ついた花言葉かもしれませんね。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
切り花として出回るケイトウには、大きく分けて4つの分類があります。
クルメケイトウ系
一番よく見かける、丸いタイプのケイトウは『クルメケイトウ』。お値段も手ごろで、赤・ピンク・オレンジ・黄色などカラフルに色が揃います。
よく仏花の真ん中に入ってる真っ赤なケイトウもこれですね。
ウモウケイトウ系
ふさふさした炎のような形が特徴の『ウモウゲイトウ』。
こちらも比較的お手頃な値段で、秋にはよく出回ります。元気なうちはピンとして可愛いのですが、花が終わりかけになるとウモウ部分がダランとしてちょっとおどろおどろしい感じに。
トサカケイトウ系
鶏のトサカのような『トサカケイトウ』。大型の品種も多く、前の2つより少しお値段は高め。微妙なニュアンスの色が美しい品種が次々と出ています。
自宅で1本で飾るというより、どーんと大きい装飾や、色を綺麗に使うブーケやアレンジなどで魅力を発揮する印象。
横から見るとキモチワルイ…と思うかもしれないけど、本当に素敵な色が多くてイチ押しです。よく出回るセッカケイトウやボンベイケイトウはこの仲間ですね。
ノゲイトウ系(セロシア)
ツンツンした花がたくさん枝分かれしてついているタイプの『ノゲイトウ』。「セロシア」という名前で売られていることが多いです。
色はピンクのみ。濃淡でいくつか品種があります。ワレモコウやフジバカマなど他の秋の花とも相性がよく、秋らしいアレンジや活け込みに活躍します。1本で飾っても可愛い。
ケイトウの4つの系統(シャレではありませんw)については、こちらの記事もどうぞ。
ケイトウの豆知識いろいろ。
日本では歴史が古い花のひとつ。
ケイトウが日本に渡来したのは奈良時代と言われており、けっこう古い歴史を持つ花のひとつ。「万葉集」にも詠まれています。
江戸時代には、日本画にも多く登場します。日本人に古くから親しまれていた花だったことがわかりますね。(狩野永徳「花鳥図押絵貼屏風」より)
ヒモゲイトウ(アマランサス)とハゲイトウは、近いけど違う仲間。
「~ケイトウ」という名前で売られている切り花はまだあります。
それが「ヒモゲイトウ」や「ハゲイトウ」。
ヒモゲイトウは「アマランサス」という名前で出回ることが多いです。大型の装飾やスタンド花、フラワーアーティストの方がつくるブーケなんかでもよく見かけることが多いのではないでしょうか。
これが花?というインパクト。垂れ下がる美しさは、大きなアレンジなどに使ってみたくなる気持ちはよくわかります。
色は主に、赤とグリーン。最近は垂れ下がりが短く、小さなブーケや自宅用にも使いやすい品種も見かけるようになりました。
ハゲイトウは、園芸分野の方で見ることが多いかもしれません。鮮やかな色の葉を楽しむケイトウです。秋になると切り花でも出回ります。
この「ヒモゲイトウ」と「ハゲイトウ」は、『ヒユ科アマランサス属』に分類されます。
最初に紹介した4つのケイトウは『ヒユ科セロシア属』なので、近いけれど属が違う仲間、ということになります。
切花のケイトウ、まとめ。
ケイトウ、まとめです。
・ケイトウは夏~秋の花。日本での歴史も古い。
・大きく分けて4つの種類がある。
・茎が腐りやすいので水は少なめに。
・秋らしい色がケイトウらしさ。旬の秋に楽しもう。
こっくり深いカラフルな色は、秋色の花と相性抜群。
ちょっと個性的な印象の花ですが、ぜひ秋に楽しんでほしい花のひとつです。
帝国ホテルロビー装花(2018年8月~9月)、第一園芸さんによる装花。秋はセッカケイトウでした。
参考サイト
見本のアレンジがキレイ。ニットっぽいモコモコ感モケイトウの魅力のひとつですね。
クルメケイトウ、セロシア、セッカケイトウの畑見学レポ。セッカケイトウは190センチ以上になるとか!
▶大田花き産地ウンチク探検隊:千葉県印西市・大野さんのケイトウ
ニュアンスカラーが人気のボンベイケイトウの産地、佐賀県・明日香園さんのレポート。オリジナル品種「アスカセレクト」を作っています。
この豊富な花色!ぜひ見てほしいです。
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