仏花やサービス束の常連。ドライフラワーやスワッグでも活躍する花、スターチス。
ドライになる、紫のカサカサしたお花…と言えば、多くの人がその姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
あんまりオシャレなイメージはないかもしれないけど、実はいろんなカラーがあるし、ドライにしても色鮮やかに残ります。最近のスワッグやドライフラワー、ハーバリウム人気で重宝されている花のひとつ。
そんなスターチスってどんな花?まとめてみました!
スターチスってこんなお花!
ドライフラワーにも使いやすい。スターチスの基本情報です。
スターチスの基本情報
学名:Limonium sinuatum
分類:イソマツ科 / リモニウム属
和名:ハナハマサジ 英名:Sea Lavender、Marsh rosemary など
原産地:地中海沿岸~小アジア
本来の花期は4~6月頃ですが、切花市場には一年中出回ります。
お盆や秋彼岸の仏花には欠かせない。他の花が保ちにくい夏にも丈夫に長持ちするので、夏によく見かける印象です。
色は濃い紫が多いですが、薄紫、ピンク、白、黄色、アプリコット色など、可愛い色の品種も。
花もちがよくて、ボリュームもあって、値段もそれほど高くない(1本200~300円)ので、とっても優秀な花だと思います。
同じスターチスの仲間で『ハイブリッドスターチス(宿根スターチス)』系とよばれる花の細かいスターチスも切花として多く出回っています。
スターチスの切花の飾り方・日保ちについて。
スターチスの切花、日持ちはする?
スターチスの最大の強みは「日持ち」でしょう。しおれるという概念がないくらい、平然と姿を変えず、そのままドライになっていたりします。
この花持ちの良さは、花のつくりにヒミツが。
スターチスのいわゆる「花」に見える色のついている部分は、花ではなく「萼(ガク)」。
実際の花は、この中に咲く小さな白い点々です(よく見ると切花でも見ることができます)。
お花が終わってもガクの部分はキレイに残るので、花が長持ちしているように見えるんですね。
茎についてるピラピラの部分は取ったほうがいい?
スターチスの茎はちょっと不思議なカタチをしています。こんな感じで、ピラピラした葉っぱみたいな部分が、茎についているんですね。
水に活けていると、最初に傷んで黒くなってくるのはこの部分。水も濁りやすくなってしまいます。
水に浸かる部分のピラピラは、取り除いた方が傷みにくいです。
花屋はナイフで切り取ったりしますが、手でこそげ取れば簡単に採れます。
スターチスの花言葉は?
花言葉は、『永遠に変わらない心』『途絶えない記憶』『いたずら心』 など。
“色が変わらない”という特徴からイメージされた花言葉が多いです。
品種・合わせたいお花・おすすめの使い方。
紫がメインだけど、カラフルな品種もかわいい。
一番よく見るのは、濃い紫ですよね。よく仏花に入ってるやつです。
でも、最近は微妙なニュアンスカラーで美しい色の品種もふえてきました。個人的には、アプリコット系の色がキレイだなあと思います。
白や黄色も定番ですが、傷んでくると黒ずみがやや目立ちます。ドライにするなら、きれいなうちにドライにしちゃうのがオススメです。
ドライフラワーで本領発揮。
スターチスといえば、ドライフラワー。というくらい、「ドライになる花」の印象が強いです。
そのまま飾ってもいいし、リースやスワッグにしてもいい。色が鮮やかなままドライになるので、他の花にポイントで混ぜるのもいいです。
また、花ひとつひとつをバラすと、こんなに可愛い。工夫次第で、押花やレジンクラフト、ハーバリウムなどにも使えますね。
いやほんと、最近クラフト系ジャンルではスターチスめっちゃ見ますよ。レジンアクセとか、インスタグラムで検索してみてください。仏花の花とかイメージ持ってる場合じゃないなー。
ドライになるカサカサした花と合わせやすい。
色味で合わせてもいいのですが、質感で合わせてみるのも面白い。
同じくドライになりやすいタイプのお花と合わせると、カッコイイ感じでまとまります。スターチスだけでもいろんな種類があるので(次項にて)、スターチスのいろんな品種を束ねるのもいいかも。
引用したような、スターチスだけのリースもキレイですね。そのままドライになるので、夏の贈りものにとても良いと思います。
アレンジなどに使うときは、歯ブラシのような花のカタマリをどの向きで使うかがポイントです。中心から放射状に広がっているような向きで使うのが王道。
ハイブリッドスターチスとスターチスの関係。
ハイブリッドスターチスとは?
切花で出回るお花の中に「ハイブリッドスターチス」とか「宿根スターチス」と呼ばれるジャンルがあります。「リモニウム」と言ったりもしますね。
こんなやつ→(ハイブリッド系スターチス)
今までご説明してきたスターチスは、Limonium sinuatum(リモニウム・シヌアータ)という学名でまとめられる仲間。
それに対して、ハイブリッド系スターチス(Limonium hybrid)は、様々な種類のスターチスを交雑して生まれたスターチスです。
ハイブリッドスターチスを大きく分けるとさらに2つの系統があります。
1.細かい紫色の花が特徴のハイブリッドスターチス(ブルーファンタジーなど)
カスピア(Limonium caspium)とラティフォリア(Limonium latifolium)の交雑種。
品種では、“ブルーファンタジー” が有名です。カスミソウみたいに、ふわふわとボリュームアップに使いやすい。
2.黄色、白、ピンクなどがある、シネンシス系ハイブリッドスターチス(キノブランなど)
シネンシス系の原種同士を交雑させたものを「シネンシス系」と呼んでいます。ブルーファンタジータイプより花が大きく、スターチスにより近い印象ですね。
色は白、黄色、ピンクなどがあります。
どちらもシヌアータのスターチスと同じく、ドライになり日持ちします。花の大きさが違うので、組み合わせてリースやスワッグにしてみても良いですね。
切花のスターチス、まとめ。
スターチス、まとめです。
・周年出回っていて、買いやすい。
・紫以外の品種もいろいろ。可愛い色のを見つけたらぜひ買ってみよう!
・ドライフラワーで本領発揮。クラフトに使うもよし。
・ハイブリッドスターチスも種類いろいろ。合わせて楽しもう!
仏花の花、昭和なイメージのドライフラワー…など、ちょっとオシャレイメージは少なめのスターチスですが、使い方次第では素敵に楽しめます。
傷みも目立ちにくく長持ちするので、切花初心者の方や、オフィスやお店などで使うのもおすすめ。ぜひ使ってみてください。
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