夏から秋にお花屋さんに並ぶケイトウの切り花。
「鶏頭(ケイトウ)」というだけあって、トサカみたいな(ちょっと脳みそみたいな…)個性的な印象を受けるお花です。
切り花として出回る「ケイトウ」には、じつはたくさんの種類があるんです。
お花屋さんで見られる「ケイトウ」の種類について、解説します!
ケイトウの種類は大きく分けて4つ。
お花屋さんで切り花として出回っているケイトウには、4つのタイプがあります。
見た目は違いますが、すべて「ヒユ科ケイトウ属(セロシア属)」のお花。
それぞれ見覚えがあるケイトウですが、特徴などは微妙に違いますね。それぞれを詳しく見ていきましょう。
丸くて小ぶりで使いやすい、『クルメケイトウ』。
切花で一番よく見かけるのはこの『クルメケイトウ』かもしれません。
丸くてころんとした、小ぶりな形が特徴です。赤、ピンク、オレンジ、黄色などポップな色合いが多く出回っています。
秋のお彼岸では、お供え花にもよく使われますね。茎も細く、ブーケやアレンジにも使いやすいケイトウです。
炎のような形が特徴の、『ウモウケイトウ』。
ふさふさとした花が特徴の『ウモウケイトウ』。サービス束や仏花、大型のものはスタンド花にも映えますね。
赤やピンク、黄色などの品種が出回っています。
まさに鶏のトサカのよう!『トサカケイトウ』。
迫力ある大型のものが多い、『トサカケイトウ』。
お花屋さんで切花として出回るのは、や「ボンベイ」などの品種や、茎が平べったい「セッカケイトウ」など。大ぶりで茎も長く、大胆なアレンジにぴったりですね。
モーブっぽいピンクやグリーンなど、ニュアンスカラーの素敵な品種が多く作られているのもこのグループです。
つんつんした花がキュートな、『セロシア』。
ノゲイトウ系と言われるケイトウを改良してできたのが『セロシア』と呼ばれるケイトウの種類。
先の3つのケイトウとは少し雰囲気が違いますね。1本の茎から枝分かれして小さな花穂をたくさん付けるタイプ。キャンドルのような形です。
あざやかなピンク系「ローズベリーパフェ」や「ルビーパフェ」などが人気です。
○○ケイトウっていうけど、これもケイトウ?
今ご紹介した4つのケイトウの他に、お花屋さんに出回る切り花の中に「○○ケイトウ」と言われるものがあります。解説しましょう。
ヒモゲイトウ(アマランサス)のなかま
垂れ下がるヒモのような不思議な花『ヒモゲイトウ(アマランサス)』。
先にご紹介してきた4つのケイトウは「ヒユ科セロシア属」なのに対して、こちらは「ヒユ科アマランサス属」と別の属。
大型のアレンジやスタンド花にインパクトがあるので、お花屋さんにはけっこう人気なのではないでしょうか。使いやすい短めの品種も出てきています。
ちなみに、雑穀米とかに入ってる「アマランサス」はコレの仲間。花が終わってツブツブの種ができて、それを雑穀として利用しているんですね。
古代インカ帝国の頃から食用にされており、雑穀として古い歴史があります。
ハゲイトウのなかま
鮮やかな葉っぱを楽しむケイトウ、『ハゲイトウ』。こちらも「ヒユ科アマランサス属」のなかまです。
よくこんな色になったなあ!と思うくらい鮮やか。花壇とか鉢物でよく利用されますが、切り花もあります。
ケイトウの切花を飾るときのポイント。
ケイトウ類は比較的長持ちするお花ですが、茎が腐りやすいのが難点。
輪ゴムなどできつく留めたまま活けると、そこから茎が腐ってくることも。できれば茎はばらして、風通しよく飾ると長持ちします。
花瓶の水は少なめにして、水をこまめに替えましょう。キッチン用の漂白剤を少し水に入れておくと、腐りにくくなるのでおすすめです。
茎が黒ずんだり、ぬるぬるしてきたら、その部分はカットして活けなおしてください。
切り花の「ケイトウ」の種類まとめ。
意外と奥深い切り花ケイトウの世界、まとめです。
・切り花のケイトウには
「クルメケイトウ」
「ウモウケイトウ」
「トサカケイトウ」
「ノゲイトウ(セロシア)」
の4つの種類がある。
・「ヒモゲイトウ」「ハゲイトウ」は同じヒユ科の仲間だけど、属が違う。
・ケイトウの仲間はカラフル!色を楽しもう。
参考サイト
クルメケイトウ、セロシア、セッカケイトウの畑見学レポ。セッカケイトウは190センチ以上になるんだって!
▶大田花き産地ウンチク探検隊:千葉県印西市・大野さんのケイトウ
ニュアンスカラーが人気のボンベイケイトウの産地、佐賀県・明日香園さんのレポート。オリジナル品種「アスカセレクト」を作っています。『地上のサンゴ』って、いいキャッチコピーだな。
この豊富な花色!美しいですねー。