今回ご紹介する葉物は「スチールグラス」と「ベアグラス」。どちらも針金のような線のラインが印象的です。
よく似たグリーンですが、それぞれに特徴があり使い方が異なります。
曲線を作ることも可能でアレンジメントに重宝し、束ねる本数により見た目のインパクトが変わります。
シンプルな見た目とは裏腹に、デザイン性に優れた面白い使い方をご紹介します。
さらに基本情報や扱う時の注意点など、スチールグラスとベアグラスの特徴を比べながら詳しく解説していきます!
スチールグラスとベアグラスはこんなグリーン!
スチールグラスの基本情報
学名:Xanthorrhoea
分類:ススキノ科クサントロエア属
英名:Blackboy,Grass tree
原産地:オーストラリア
ベアグラスの基本情報です。
ベアグラスの基本情報
学名:Carex oshimensis ‘Evergold’
分類:ユリ科クセロフィルム属
英名:Bear grass
原産地:北アメリカ
どちらも1年を通して流通しており、暑さや寒さに関係なく楽しむことができます。
仕入れの際の本数は約50本〜100本で1箱。店頭での販売価格は50円〜100円で設定されることが多く、束で扱われることもあります。
香りはなく、緑一色。根本にかけて少しだけ色が淡くなります。
最大の違いは葉の柔らかさ。
スチールグラスはその名の通り固く、しなりすぎると折れてしまうので注意が必要です。
長さは50cm〜100cmあり、大きなアレンジメントにも重宝されます。
スチールグラス・ベアグラスの飾り方・日保ちについて。
スチールグラス・ベアグラスは日もちする?
似ている葉物ですが、使い方の他に日持ちにも大きな違いがあります。
スチールグラス・・・3週間
ベアグラス・・・・・1ヶ月
ベアグラスの方がやや長持ちする印象です。日持ちは季節や飾る環境により多少前後します。
買ってきたベアグラスの根元はこんな感じ。白い部分は吸水性スポンジにうまく挿さらないので、適宜カットして使いましょう。
2〜3日おきに水換えと切り口を新しくして管理しましょう。
スチールグラス・ベアグラスの飾り方・飾るときの注意など。
使用する際は数本から数十本束ねて使用すると「線」と「面」を演出できます。
隙間なく並べるとインパクトのある見た目になりますよ!
長さを活かせば大型の装飾にもぴったりです。
ベアグラスは「ため」が効くので指で癖をつけることができます。
どちらも曲げて使うことができるので円を描くこともできます。
ベアグラスはありのままの曲線を活かし垂れるような活け方も可能です。その際は土台から抜け落ちないようにしっかりと固定しましょう。
合わせたいお花・おすすめの使い方。
花材にも葉物にも合わせやすい
「ウエディングブーケ」「アレンジメント」「生け花」どんな場面や花材にも合わせられ、形や長さの調整もしやすく使い勝手が抜群。
また、どんな葉物とも相性がいいのもポイントです。
スチールグラスやベアグラスを装飾として取り入れる際は、土台隠し用に別の葉物を用意します。
その場合においてもスチールグラスとベアグラスは多くの葉物と合わせやすく、装飾として葉物を数種類使用する時にも同じ事が言えるでしょう。
実際に使ってみる
蔓性植物のように使ったり、水引のような使い方ができ、向きや編み方を変えれば幅広いデザインを生み出すことが可能です。
・長さを活かし全体を大きく見せる
・「ため」を効かせて印象を強める
・流れるように垂らす
・円を描くように曲げる
・グルグルと巻きつける
・糸のように編む
・並べて面を見せる
・結んで使う
これだけのことができますので、いろいろなパターンの作品に取り入れ飽きることなく楽しめます。
こちらの記事がわかりやすかったのでおすすめ!
スチールグラス・ベアグラスは「グラス類」?
昨今、ガーデニングがブームとなり「グラス類」を楽しむ方が増えています。
家庭内の需要においてもコロナ前からドライフラワーが流行しており、こちらでも「グラス類」が多く取り入れられ知名度が上がっています。
スチールグラスとベアグラス。
「グラスと名がついているのだからグラス類?」
細長いい葉を持つ葉の類をそう呼ぶ場合もあるのですが、「グラス類」の多くはイネ科やカヤツリグサ科の植物に対して分類される傾向にあるようです。
スチールグラスはススキノ科、ベアグラスはユリ科に分類されているので、曖昧な立ち位置にあるといえるでしょう。
スチールグラス・ベアグラスまとめ。
・長さを活かすもよし、好みの長さにカットするもよし!
・仕入れの本数は50本〜と多め。
・スチールグラスはしなりすぎると折れるので注意。
・巻いたり「ため」たりできます。
いかがだったでしょうか。
スチールグラスやベアグラスのように細長いグリーンはたくさんあります。
今回の記事や葉物図鑑を利用してそれぞれの特徴を理解し、多くの場面で使い分けてお楽しみください!
ただ活けるだけでなく「曲げて使える」というのが最大の特徴です。しなり方の違いは、実際に触って比べると分かりやすいですよ。
シンプルなデザインにもダイナミックなデザインにも、是非お楽しみください!