くねくねと枝が曲がり、独特の姿をしたセッカエニシダ。その個性的な姿は、力強い動きのあるラインを出してくれる存在感のある枝ものです。
セッカエニシダを入れるだけで、ぐっとアレンジが引き締まった感じになります。
今回は、ユニークな枝もの、セッカエニシダをご紹介します。
セッカエニシダってこんな枝もの
セッカエニシダの基本情報
分類 マメ科エニシダ属
原産地 地中海沿岸~中部ヨーロッパ
和名 石化金雀枝(セッカエニシダ)
園芸では黄色い小花を咲かせるエニシダがよく知られていますが、エニシダには別種に真っ白な花を咲かせるシロバナエニシダがあります。
セッカエニシダは、このシロバナエニシダの枝が平たく帯化(たいか)したもののこと。花材として人気があります。
「石化」とは?
石化とは、茎が板状に平らになること。もともとは、マメ科の「エニシダ」という植物ですが、成長点の異常でユニークな形になったと言われます。
枝の曲がり具合は自然のものなので個体差があります。一本の枝の中に、石化したくねくね曲がった茎と石化していないまっすぐな茎と両方あり、使い分けを楽しめます。
茎につぶつぶとしたものがありますが、これは芽です。
セッカエニシダの出回り時期、選び方
セッカエニシダの出回り時期
セッカエニシダの出回り時期は8月~5月頃。9月から10月にかけてが主な出回り時期で、お店で見かけることも多くなります。90~100センチの枝が300円から500円くらいでしょうか。
選び方
選び方は、石化している部分の幅が広く、色が青々として先がピンとしているものを。花はついていない状態で出回ります。
セッカエニシダの飾り方、日もち
セッカエニシダの日もち
セッカエニシダの日もちは、1週間から2週間くらいです。水あげはそれほど気を遣うことはなく、割りを入れて活けましょう。
水を汚しやすいので注意
セッカエニシダは灰汁が多いのか、とても水が濁りやすいです。水に浸かる部分の側枝はあらかじめ取り除きましょう。
生け花やアレンジメントに
セッカエニシダは、生け花の花材としてもよく利用されます。アレンジメントでは動きを表現するのに重宝します。
枝には柔軟性があるので、ためて使うことができます。アレンジがぐっと引き締まるので、アクセントをつけたいときや動きを出したいときなど、個性的な姿を生かして使いましょう。大きなアレンジにも使えます。
セッカエニシダの花言葉
セッカエニシダには、『博愛』『謙虚』『謙遜』『清楚』などの花言葉があります。花言葉は、エニシダ一般の花言葉と共通します。
「謙遜」という花言葉は、フランスの伝説で、兄を殺害して王位を奪った王子が罪を懺悔するときにエニシダの枝を手にしていたことからついたとか。
セッカエニシダのまとめ
セッカエニシダのまとめです。
・セッカエニシダは、エニシダの枝が平たく帯化したもの
・くねくねした曲がりが特徴の枝もので、生け花でも利用される
・動きのあるラインを表現するときに重宝する
セッカエニシダは、使ってみると、その面白さがわかる枝ものです。
合わせ方によって、多様な味わいが出ます。アレンジなどにぜひ取り入れてみてください。