庭づくりや園芸好きな方には根強い人気のある『クレマチス』。つるが伸び、壁面やアーチを覆う様子は美しく、種類も豊富でファンの多い植物です。
ナチュラルな花姿は自然風のブーケにもよく似合い、最近は切花で見かけることも増えてきました。
クレマチスは系統が多く、花の形も多様です。見慣れていないと同じ植物と気づかないことも。今回は、切花で出回るクレマチスを見ていきましょう。
クレマチスってこんなお花!
クレマチスの基本情報です。

クレマチスの基本情報
学名:Clematis
分類:キンポウゲ科 / クレマチス属
和名:鉄線(テッセン)・風車(カザグルマ)など
クレマチスの花が咲く時期は初夏。切花の出回りも春~初夏が多いと思います。
最近はナチュラルな野草風が流行していることもあり、クレマチスも人気の花材。種類によっては秋冬や夏にも見かけますし、つるのような茎葉を葉物として利用することも。
価格は種類によってまちまちですが、小輪のものは1本300円くらいからでしょうか。
花の特徴は種類によって大きく違うので、次項で解説していきます。
切花でよく見るクレマチスの種類
クレマチスは種類によって花姿も大きく違います。
園芸的に見た場合、分類のもとになる「系統」があるのですが、複雑で難しいので、この項では、「切り花で見る種類を、見た目でざっくり分類」してみました。
*園芸的な系統分類ではありません
一重咲きで大輪系

昔からよく出回っているクレマチスがこのタイプ。「風車(カザグルマ)」などとも呼ばれます。
竹の支柱に絡まった状態で出回る切り花もあります。やや和風の雰囲気があるクレマチスで、生け花などにも使われます。
八重咲きで大輪系

ボリューミーな大輪の花を咲かせるタイプ。一重咲きより洋風な雰囲気があります。
上写真は”ベル・オブ・ウォーキング”という品種。
ベル型に咲く小輪系

最近人気の小型のクレマチスといえばベル型のタイプ。紫や濃いピンクがあります。葉や茎も動きがあり、葉ものとしても使えます。上写真はインテグリフォリア系の品種。
すぼんだベル型でも、徐々に開いてくるので咲き進むのを眺めるのも楽しい。
クレマチスシード(種)
花が終わった後のクレマチスも「シード」として出回ります。くるくるとしたユニークな形状で、ブーケやアレンジのアクセントに。
クレマチスの切花の飾り方・日保ちについて。
クレマチスの切花、日持ちはする?

クレマチスの日持ちは種類によっても違います。小型でベル型のものは比較的長く、1週間ほどでしょうか。

↑ベル型のインテグリフォリア系が咲いてきたところ。
ベル型のタイプは葉がのびてきたり、茎が動いてきたり、咲き進む姿も楽しめます。
クレマチスの飾り方・飾るときの注意など。

クレマチスの水あげはやや難しめ。水あげの際は、茎を少し叩いて潰すとよいでしょう。

咲き進んだのち、最後はバラバラっと散ります。散らかしたくない場合は早めに片付けを。
クレマチスの花言葉は?

花言葉は、『旅人の喜び』『精神の美』 など。
かつてヨーロッパの玄関先にクレマチスがよく植えられ、旅人疲れを癒していたことから「旅人の喜び」の花言葉がついたそうです。
クレマチスの豆知識いろいろ。
世界のクレマチスに影響を与えた日本の「カザグルマ」

日本原産のクレマチスの中に「カザグルマ」という大輪一重咲きのクレマチスがあります。花色は紫や白で、よく見かけるクレマチスではないでしょうか。
江戸時代の終わり、シーボルトやロバート・フォーチュンによってこの「カザグルマ」が海を渡りました。
ヨーロッパに渡ったカザグルマは、様々な地域の原種と掛け合わされ、現代の大輪系クレマチスがうまれるもとになっています。
クレマチスというとヨーロッパやイングリッシュガーデンをイメージしますが、日本の原種も重要な役割を果たしているのですね。
切花のクレマチス、まとめ。
クレマチス、まとめです。
・クレマチスは系統によって花型が全然違う!バリエーション豊富。
・花びらに見える部分は花弁ではなくガク。
・大きく分けると、「一重咲き」「八重咲き」「ベル型」がある
・タネがついたものはクレマチスシードとしても出回る
切り花でも年々人気が出てきているクレマチス。野草風に可愛らしく飾れる小輪ベル型の品種は、家庭でも飾りやすいと思います。
お店で見かけることがあったら、ぜひおうちにも飾ってみてくださいね。
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