野草風な雰囲気をもちながら、カラーバリエーションも豊富で脇役にも主役にも重宝する『スカビオサ』。
今回は、そんな『スカビオサ』をご紹介します。
スカビオサってこんなお花!
スカビオサの基本情報です。

スカビオサの基本情報
学名:Scabiosa
分類:スイカズラ科 / スカビオサ属
和名:西洋松虫草 英名:Scabiosa
原産地:ヨーロッパ西部、コーカサス地方
周年出回りはありますが、多く見るのは秋から初夏までの間。特に3~5月頃にお店で見かけることが多いでしょう。真夏は出回り量が減ります。
価格は1本200~300円くらい。花びらの大きい大輪のタイプと普通サイズのタイプがあります(後述)。
色は、濃い紫・薄紫・ピンク・サーモンピンク・ワインレッド・白など。紫~ピンク系が豊富です。
スカビオサの切花の飾り方・日保ちについて。
スカビオサの切花、日持ちはする?

スカビオサの日持ちはまあまあといったところ。1週間ほどでしょうか。
温度が20度を超えてくるともちが悪くなるので、なるべく涼しい場所に飾る方がよいです。
最初はつぼみだった中心部分がだんだん咲いてきて、こんなこんもりした姿に(左)。

あまりに小さなつぼみは咲きませんが、大きめのつぼみは少しずつ咲いてきます。切花延命剤(栄養剤)を使うとなおよいでしょう。

スカビオサの飾り方・飾るときの注意など。

茎は細くて固め。よく切れるナイフかハサミで斜めにカットして活けましょう。

葉っぱは黄色くなりやすいので、最初から取り除くか、色が変わったら早めに取り除きましょう。
茎が細いわりに花が大きいので、くたっと下を向きやすいことも。まめに活けかえて、茎を短くしながら飾りましょう。
スカビオサの花言葉は?

花言葉は、『叶わぬ恋』『不幸な愛情』『私はすべてを失った』『未亡人』『風情』『魅力』 など。
こんなに可愛い花なのに!!なぜこんなかわいそうな花言葉がついているのかというと…
スカビオサ全般は、英語では「悲しめる花嫁(mourning bride)」、イタリアとフランスでは「寡婦の花」といわれています。
花が暗い紫色で、死んだ夫を悲しむ寡婦におくる花束にふさわしいということでこの名前になったといわれています。これは紫色を「悲しみの色」とみなすことが多い、花言葉の歴史に基づいているものと思われます。
とはいえ、ヨーロッパでは古くから園芸用に栽培されている花のひとつ。悲しい花言葉にとらわれず、ぜひギフトにも使ってほしい…!と思います。
*アメリカの花屋では、「悲しめる花嫁(mourning bride)」では縁起が悪いということで、発音の似た「朝の花嫁(morning bride)」の名前で売っているのだそう。どこの国の花屋も悩むところですね。
切花で売られているスカビオサは3種類
お花屋さんで切花として売られている「スカビオサ」には、3つの種類があります。なんとなく区別ついている人もいると思いますが、おさらいしておきましょう。
大輪のスカビオサ【スカビオサ・コーカシカ(コーカサスマツムシソウ)】

花弁が大きく、ひらひらっとした雰囲気のスカビオサ。色は薄紫か白で、花色はあまり多くないです。有名な品種は、”ファーマ” ”アルバ”などでしょうか。
普通のスカビオサ【スカビオサ・アトロプルプレア(セイヨウマツムシソウ)】

いわゆる普通のスカビオサ。色のバリエーションも豊富で、新しい品種もどんどん出てきています。
実を楽しむスカビオサ【スカビオサ・ステラータ(ステルンクーゲル)】

なんでコレもスカビオサ!?と思っちゃうくらい、見た目は違うスカビオサ。花屋さんでは「ステルンクーゲル」と呼ばれています。ドライフラワーとして使ったりもします。
鉢物もあります

花壇などに植える用の苗ものとしても、スカビオサは使われています。春先によく出回っています。
切花のスカビオサ、まとめ。
スカビオサ、まとめです。
・別名・セイヨウマツムシソウ。春先によく見る野草風の花。
・切花で出回るのは「スカビオサ・アルプレア」と、大輪の「コーカシカ」と、実を楽しむ「ステルンクーゲル」
・紫系・赤系・ピンク系・白など色も色々
・悲しい花言葉は原種の暗い紫色から。あまり気にせず使ってほしい…!
冬~春に可愛く楽しめるスカビオサ。自宅にちょっと飾るのにもおすすめです。お花屋さんで見かけたらぜひ一度、手に取ってみてくださいね。
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