「アワ」と聞いて思い浮かべるイメージは「穀物」や「五穀米の一つ」などでしょうか。
アワは小鳥の餌として売られていたり、食用の細かい状態で見かけることが多いですね。
田園風景に馴染みのある日本では、お米や麦の穂はイメージしやすいことでしょう。観賞用の葉物として楽しむ「アワ」は、猫じゃらしのようなふっくらとした穂と青々としたグリーンが特徴的。
今回はアワの扱い方から豆知識まで、詳しく解説していきます。
アワってこんなグリーン!
アワの基本情報
学名:Setaria italica
分類:イネ科エノコログサ属
和名:粟(アワ)
英名:Foxtail millet
原産地:東〜中央アジア
流通時期は5月〜9月で、1本あたり100円〜200円で販売されます。限られた時期のみ流通するので必ず必要な場合には、出始めや終わりの時期に注意しましょう。
全体的に緑色をした品種が一般的で、赤い穂の「紅孔雀」も出回ります。紅孔雀は毛先が赤くアワの実は緑色をしているのが特徴です。
全長は50〜80cmあり、そのうち穂の長さは10〜15cm。穂の太さはは500円玉くらいあるものもあり、三角柱型でボリューム満点。
葉は痛みやすく変色すると非常に目立つので、1枚ずつの先端を切った状態で出荷されます。
アワの飾り方・日保ちについて。
アワは日もちする?
切り花としての日持ちは7日から10日。ドライフラワーに加工すれば半永久的に楽しむことができます。
茎は斜めに切って活けましょう。水が多いと腐りやカビの原因になるので気をつけて。
季節によって違う姿のアワが出回る
アワは夏の出回りはじめの品物と、秋に近づき始めたものとでは見た目に差があります。
一番多く出回るのは初夏~夏の緑色のアワ。
穂の大きさは、夏の盛りにはモコモコと大きい商品が流通することもあります。茎の太さも違うので、細い商品は折れないように気を配る必要があります。
秋になると、穂が長く垂れ下がったアワが出回ります。
秋~冬には、ドライになったものを見ることも。
アワというと夏の緑色のグリーンのイメージが強いですが、秋のアワも実りを感じさせてくれますね。
合わせたいお花・おすすめの使い方。
ナチュラルなイメージのアワはどんな花材や色にも合わせやすいです。
夏のイメージのある青い穂のアワであれば、ヒマワリと合わせたアレンジ、秋口には実りを連想させるデザインで他のイネ科植物とのコラボも素敵ですね。
スワッグに組み込めばそのままドライフラワーとして観賞できます。「実り」「収穫」のイメージでドライフルーツや実物と束ねてもまとまりが出ます。
他の花材から顔を出すように、ふわりとした穂が活きる挿し方を心がけましょう。
秋のアワは穂が垂れて曲線を描くようになるので、夏のアワとは違った生け方や色合わせで楽しんでみてください。
アワの豆知識いろいろ。
アワの種類いろいろ
学名のSetariaは「硬い毛をもつ花」という意味があり、属名のエノコログサ(ネコジャラシ)をはじめ、アワの仲間は同じような形状をしています。
穂の大きさで分けられたり、ウルチ種・モチ種という分類で食味に関わる分類もあります。
食用となる粒の色も多彩で、黄色・紫・赤・白・黒と様々です。
日本で最も古い穀物
稲よりも前から食用として育てられてきたアワは、戦時中や戦後に「麦ごはん」として食べられていました。
名前の由来は「淡い(薄い)味」からきているそう。
味に反して白米よりも栄養価が高く、腸内環境を整える食物繊維も豊富なことから近年注目が集まっています。
切り花として流通しているアワは青い状態なので食べることはできませんが、見てもよし!食べての良し!のアワをたくさん楽しんでみてください。
アワまとめ。
・流通時期は5月〜9月
・時期により穂の長さ・大きさ・色が変わります。
・ドライフラワーとしても楽しめる!
・食用として古くから知られる穀物。
いかがだったでしょうか。
時期により違った姿を楽しめるアワ。1年のうち限られた期間ではありますが、何度も手にとって様々なデザインを楽しんで見てほしいグリーンです。
葉物の分類の中でも、「顔の目立つ切り花」「一本でも楽しめる花材」のような扱いで主役に近い活け方にも最適です。
店頭で見かけた際には是非、手に取ってみてくださいね。