名前のとおり、風船のようなまあるい実をつけたフウセントウワタ。かわいらしく風情のある姿は、独特の趣きがありますね。
トゲのある果実(袋果たいか=内部に種子を含んだ袋状の果実)がユニークで、庭植えや鉢植え、切り花で楽しまれています。
枝ものとしては、夏から秋にかけて出回ります。今回は、個性的な枝もの、フウセントウワタをご紹介します。
フウセントウワタってこんな枝もの
フウセントウワタの基本情報です。
・分類:ガガイモ科フウセントウワタ属
・原産地:南アフリカ
・和名:風船唐綿(フウセントウワタ)
「風船唐綿」という名前は、風船のような実の中に綿が入っていることからついたそうです。「唐」は、外国から来たことを意味します。
8月から10月に、風船のようなトゲのある果実をつけます。このトゲはやわらかく、触っても痛くはありません。果実は晩秋から冬にかけて成熟し、割れて中から綿毛のついた種が出てきます。
フウセントウワタの出回り時期、選び方
フウセントウワタの出回り時期
フウセントウワタの出回り時期は、8月から11月。
花の状態ではなく、実(袋果)がついた状態のものが花材として出回ります。実は4~7センチくらいの大きさで薄いグリーンですが、熟してくると紫色に色づきます。
枝ものとしては、50~80センチのものが300円前後でしょうか。
選び方
選ぶときは、風船状の袋果がふっくらとしているものを。しぼんだり割れたりしていないものにしましょう。
フウセントウワタの飾り方、日もち
生け花やアレンジ、ドライフラワーに
フウセントウワタは、そこはかとなく和風のイメージが漂いますが、以外に洋花にも合います。生け花やアレンジメントに使う時は、丸くかわいらしいフォルムを生かしましょう。
色合いがナチュラルなので、どんな色のお花とも合います。秋のアレンジにピッタリの枝ものです。枝ものとして楽しむほか、ドライフラワーにも利用されます(ただし、後述する爆発に注意!)
南アフリカでは、実の中から出てきた綿毛をクッションなどの詰め物に利用したりするそうです。
水揚げの時は白い液に注意
水揚げは水切りで。また、茎に傷をつけると白い液が出てきます。茎の切り口をふさいで水揚げが悪くなるので、白い液は洗い流しましょう。
また、白い液には毒性があります。目に入ると角膜炎を起こすことがあるということなので注意しましょう。
フウセントウワタの日もち
フウセントウワタの日もちは5日から7日くらいです。袋果が破れると、毛のついた種が中から出てきます。
フウセントウワタの花言葉
フウセントウワタの花言葉は花と実でちがってきます。
花は『隠された能力』、実は『いっぱいの夢』です。
「隠された能力」は、下向きに花が咲き、蜜は昆虫を引き寄せることからついたとも言われます。「いっぱいの夢」は、実の中には種が詰まっていて熟すと風に乗って飛散することからついたとも。
『楽しい生活』という花言葉も見受けられ、ユニークな形の実をつけることからついたのではないかと思われます。
実が爆発する!?長く飾るときは注意
フウセントウワタを長く飾ってドライっぽくなってくると、突然爆発することがあります…!
綿毛がふわふわ飛び散ってとても面白いのですが、活けこみ先やスタンド花を飾っている場所で爆発するとちょっと大変なことも。
こういうことも起きるよ、と覚えておくのが大事です。
種はきれいに整列しています!美しいですねえ。
フウセントウワタのまとめ
フウセントウワタのまとめです。
・フウセントウワタは、風船のような丸い実(袋果)が特徴の枝もの
・出回り時期は夏の終わり頃から秋にかけて
・生け花やアレンジメントに利用される
フウセントウワタは、見ているだけで楽しくなる枝ものです。
見かけたらぜひ手に入れて、飾ってみましょう。