2022年9月、イギリスの女王であるエリザベス女王2世が崩御されました。
9月19日に国葬が行われ、日本でも中継されていたのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。
荘厳な儀式や、美しい建物や讃美歌やそれを映し出すカメラワークの見事さなど…まるで映画を見ているような映像に驚きましたが、やっぱり見てしまうのはお花です。
エリザベス女王の葬儀で見た花たちについて、わかる範囲でまとめてみました。
棺の上に置かれた花
女王ゆかりの庭から集められた花
葬儀が行われたウェストミンスター寺院で、棺の上に置かれていた花。ピンクと紫を基調にしたナチュラルで可愛らしいアレンジです。
こちらは、バッキンガム宮殿、クラレンスハウス、ハイグローヴハウスの庭園から摘まれた花が使われているそう。
記事などを参考に特定してみるとこんな感じでしょうか。
バラは3~4種。濃い紫のダリア、スカビオサ。秋色に色づいた紫陽花。ピンクのセダムが見えます。
葉ものはイングリッシュオーク、ローズマリーなど。マートル(ギンバイカ)の枝も入っているそうです。
ハイグローヴハウスは女王の息子であるチャールズ3世の私邸。チャールズ氏が丹精したイングリッシュガーデンが有名です。
Here at Highgrove, we're still soaking up the last of the summer sun. This time of year, the Kitchen Garden has a special beauty as it prepares for its autumn harvest. Why not visit Highgrove Gardens in late summer? Book a garden tour today: https://t.co/gDCsQFXl5R pic.twitter.com/e7Gy2cHwQj
— Highgrove Gardens (@HighgroveGarden) September 1, 2022
参考記事:チャールズ皇太子の私邸 ハイグローヴハウスとオーガニックガーデンの話
イングリッシュオーク(ヨーロッパナラ)は、イギリスに自生する樹木で、非常に堅牢で耐久性を持つ木材。大航海時代には船の建材に欠かせないものだったとか。そういえばスコッチウイスキーの樽もオークですね。
この特徴的な葉は、彫刻のモチーフなどにもよく使われています。
結婚式で使われたマートル(ギンバイカ)
写真参照:floristrytradeclub
英国の花を調べていると良く出てくる”マートル”。
ヨーロッパでは古くから「花嫁がマートルの花や枝を身につける」風習があり、英国王室でも伝統的に使われています。
英国王室で結婚式のブーケに使われるマートルは、ビクトリア女王とアルバート王子の結婚式のとき、ビクトリア女王が植えたものなのだそう。
今回の葬儀に使われていたマートルの枝は、1947年エリザベス女王がフィリップ氏と結婚したときのブーケから枝をとって育てられたものと伝えられています。ちゃんとずーっと育ている庭師さんとかがいるのでしょうね…伝統の重みを感じます。
ヘンリー王子&メーガン妃の結婚式のブーケにも入っていました。
フローラルフォームは使われていない
今回の棺上のアレンジメントについて、花を解説する記事には
Worked into a base of oak branches and moss rather than floral foam,
と書かれています。
フローラルフォームは使わず、オークの枝とコケをベースに作られている、ってことですね。これはチャールズ3世の要請だとのこと。
そもそもヨーロッパでは、徐々にフローラルフォームは使わない風潮になっているのかも。環境に配慮した選択ということなのでしょう。
意味のある花の使われ方は、さすが英国
その他、ウエストミンスター寺院で飾られていた白いユリのアレンジメントや棺上の白い花輪にも、バルモラル城やウインザー城で摘み取られたグリーンが使われていたそうです。
王室ゆかりの城や邸宅には当然広いガーデンがあるので、そこで栽培されている植物で葬儀のアレンジメントもできてしまうってことなんですね。さすが庭園の国。
参考にした記事はこちらです。Google翻訳だけでも何となく意味はわかるので、ぜひ読んでみてください。
>>How Queen Elizabeth II’s Funeral Wreath Honored Her Wedding to Prince Philip(FNEWS)
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