お花屋さんの業界誌といえば、誠文堂新光社の『フローリスト』。
昨年6月号から隔月刊となりましたが、新たな連載も始まり、内容は充実したものになっています。
今回は、お花屋さんのお宅拝見ということで、「花と植物を愛でる暮らし」という特集です。さっそく見ていきましょう。
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特集:お花屋さんのお宅拝見 花と植物を愛でる暮らし
お花屋さんは、家ではどんな暮らしをしているのだろう?という特集。興味深々ですね。7人のお花屋さんのプライベートな空間を取材した記事。登場するお花屋さんと紹介のひとことは次のとおり。
・farver/渡辺礼人 洗練された「非日常」を暮らしに落とし込む
・FUGA /斎藤かおり 植物と色とアートを楽しむモダンな暮らし
・ichi/岡寛之 整然とした暮らしの美意識に花が色を添える
・zero two THREE/梶谷奈允子 アトリエと庭、家を行き来しながら植物とたわむれる暮らし
・花とんぼ/座間アキーバ 家族が大好きなものに囲まれた海に近いマイホーム
・BROWNSEA FLOWER SHOP/熊木健二 植物の息遣いを楽しみながら暮らす部屋
・noo./野村祐喜 古道具と植物が調和する家族が憩う場所
みなさん暮らし方はそれぞれですが、ご自宅でも花や植物との暮らしを楽しんでいる様子がよく分かります。
(お花屋さんでちゃんと成功すればこんな素敵なおうちに住めるのね!という希望もみえますね 笑)
自然に還る古紙の植木鉢「Papierpot」
「土に還るもの作り」を目指している方々の紹介。インテリアショップ店主とアーティスト、デザイナーのユニットがコラボして、独自に「Papierpotパピエポ」という植木鉢を開発しました。
持続可能な社会を目指す今の時代に必要な視点ですね。
いつもと違う個性とアイデアを ドライフラワー+α
ドライフラワーの工夫を凝らした楽しみ方を紹介した記事。制作者の個性あふれる使い方に目を開かれる思いです。
壁掛け飾りに使ったりレジンを使って独特の風合いを出したり、模型石膏で固めて植物標本を作ったり。
押し花のキャンドルを作ったり、メディシンボトルに閉じ込めて小さな森を演出したり、廃ガラスを組み合わせたり。
ドライフラワーも可能性大ですね。
花と音楽、暮らしを豊かにするエレメントの掛け合わせ
ドライフラワーとレコードを扱ったお店の紹介。
古民家にドライフラワーと古書 時を経たものが集う静寂の空間
こちらはドライフラワーと本を扱ったお店。古い家屋で始めたお店ですが、雰囲気がよさそうですね。
ドライやアーティフィシャルフラワーを活用した お花屋さん視点で提案する商品としてのフラワーデザイン
「横浜ディスプレイミュージアム」で人気フラワーアーティストが装飾を企画する第3弾です。
今回のテーマは「お花屋さん視点での実用的・売れるフラワーデザイン」ということで、「marmelo」(マルメロ)を営む小野寺千絵さんが取り組みます。ナチュラルカラーのソラフラワーを主役にした秋色のテーブルコーディネートが出来上がりました。
もうひとつ、秋らしい木の実を使った小さなオブジェもできました。
FUGA小林深雪インタビュー 花とともに駆け抜けた28年
都内のフローリストならば知らない人はいない、「FUGA」。
「FUGA」の創業時のメンバーで、代表取締役だった小林深雪さんが引退され、花業界と東京から離れましたが、引退直前の思いをインタビューした記事です。
引退を決めたきっかけ、FUGAでの28年をふり返って、仕入れの話など、いかに情熱を注いでやってきたか、よく分かります。
連載記事
ボタニカル・メタモルフォーシス
今回は「ベニバスモモの枝をコントロールして見せる造形」まっすぐ伸びる枝を使い魅力を表現する造形ということで、枝物の扱い方も勉強になります。
季節の枝物
10月の枝物:クリ ’サレヤロマン’
観賞用のクリを使ったアレンジは、秋らしさが出ています。
11月の枝物:紅葉ブルーベリー
葉色がばらつきがある紅葉ブルーベリーは、枝取りを活用して使います。
バラの解体図譜
世田谷花きバラ担当による連載。今回は”花時間”。
雑誌『花時間』の創刊30周年を記念して命名された品種です。柔らかな桜ピンクの花色で、輪付きもよく1本でも1輪でも使えます。
フリルのある花弁は低温期から春先に見られ、高温期はフリルがなくなり丸弁になります。
旬花探訪
高倉なをさんの「にっぽんの花産地を訪ねて」。今回は、JA晴れの国岡山ラークスパー研究会の「ラークスパー」。
岡山県内では、温暖な瀬戸内海沿岸部から県北部の標高の高い地域にかけて、県内各地でラークスパーがリレー生産されているそうです。
秋から翌年5月まで切れ目のない出荷が続くそうで、ピンクやライラックといった淡い色に「オオムラサキ」も加えて、岡山県全体で「推し活」しているそう。岡山のラークスパ―、覚えておきたいですね。
花屋社長の現実と挑戦
東京・麹町にある花店「hanadouraku麹町本店」の代表を務める西田太郎さんのお話。
今回は「ハッピー連鎖で事業領域を広げる!」というテーマです。店舗から始まった「hanadouraku」では、ショップ事業、ウエディング事業、ライフスタイル事業、EC事業の4つを軸とした事業展開をしているとのこと。
事業領域を広げる理由は「花には無限の可能性がある」と確信しているから。その具体例が語られます。
まとめ。
今月は、花の新しい可能性に挑んだ記事が多かったなぁ、という印象です。今の社会に合った花屋のあり方を考えていく時期かもしれませんね。
次号の特集は「今年のクリスマスはリース&スワッグ」、「強みのある花屋」。
もうクリスマスの準備に入る時期が来ますね~。楽しみにしましょう。
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