食用のイメージが強いアスパラガス。葉はどんな姿か想像できますか?
針のような細い葉が細かく密集しており、爽やかな緑色をしています。複数の品種が流通しており、お花屋さんではそれぞれの特徴を活かして使われています。
扱いには少々注意が必要なグリーン。今回はそんなアスパラガスの魅力を詳しく解説していきます。
アスパラガスってこんなグリーン!
アスパラガスの基本情報
学名:Asparagus officinalis
分類:ユリ科 アスパラガス属(キジカクシ科 アスパラガス属)
和名:立ち箒(タチボウキ)、忍箒(シノブホウキ)
英名:Aaparagus
原産地:南アフリカ
一年を通して流通しています。様々な品種があるので値段は一概に言えませんが、1本300~500円ほどで手に入ります。
葉の色や形など、品種ごとに異なった特徴があります(品種名なのか流通名なのかよくわからないものも多いのですが…)
よく出回っている種類の呼び名を覚えておくといいです。次項で詳しく見ていきましょう。
よく出回るアスパラの種類を覚えよう!
ミリオグラタス
大型でもこもこした印象のアスパラ。茎が木質化していて、トゲがあるので注意。通称「ミリオ」。細かく切り分けてアレンジに使うのに便利。
正式名称はアスパラガス・マコワニー(Asparagus macowanii Bak.)。
ミリオン(福みどり)
ミリオグラタスよりふわっとしていて柔らかいアスパラ。「福みどり」という品種名で出回っているものが有名。アスパラミリオンなどとも呼ばれるものも。
「ミリオンアスパラの改良品種」と記載がある(参考:花卉園芸新聞WEB)ので学名は Asparagus virgatus Baker になるのかな??
プルモーサス・ナナス(ペラ)
葉の形は平らかで、繊細な葉が特徴的。ボリュームがあり、長さも長いものが多い。「アスパラ・ペラ」と呼ばれているものと植物的には同じ(らしい)。
「ペラ」は丈が短かったり、ぶつ切りになっているものも含むけど、「プルモーサルナナス」で出回っているものは丈が長く、流れるように使えるものが多い(…という差なのかなと認識しています。違ったら教えてください)。
学名は Asparagus plumosus var. nanus 。鉢物の観葉植物としても出回っています。
スプレンゲリー
分岐が多い品種で、茎は流れるような弧を描きます。流れるような動線をデザインしたり、明るいグリーンを生かしてポップなアレンジにも組み込みやすいアスパラ。
学名は Asparagus densiflorus ‘Sprengeri’ 。観葉植物でもたまに見ます。
メリー
スプレンゲリーがぎゅっと密になったようなアスパラ。存在感があってデザイン的に使えます。スプレンゲリーほど茎が柔らかくないので、直線的なラインフラワーのような感じで使ったりもします。
Asparagus densiflorus ‘Myers’
学名を見るとわかるように、スプレンゲリーとメリーは同じ仲間。
スマイラックス
つる状に長く伸びた茎、明るい黄緑の葉が特徴的。ブライダルの現場では欠かせない素材です。
植物的にはアスパラの仲間なので一応出しましたが、切花屋としては「アスパラのなかま」と認識はしていないかも。詳しくは別記事で解説します(>>【葉もの図鑑】スマイラックス|花言葉・出回り時期・花もち・飾り方)
Asparagus asparagoides
アスパラガスの飾り方・日保ちについて。
アスパラガスは日もちする?
アスパラの葉に見える部分は枝(葉)が退化した『仮葉(葉状茎ともいう)』で、触れると落ちやすいのが特徴です。
仮葉は時間がたつと黄色くなり、さらにパラパラと散りやすくなります。アスパラガスを選ぶポイントは葉の色と茎の硬さ。葉の変色していない商品を選びましょう。
日持ちは5〜7日。数日おきに水換えと切り戻しをして管理します。
アスパラガスの飾り方・飾るときの注意など。
仮葉が落ちやすいので持つときは枝を持つように。柔らかい茎の場合は折れないように気をつけます。
日がたつにつれ仮葉が散りやすくなるので、風の当たらない場所に飾るといいでしょう。
散った仮葉により花器の周りが散らかるので、こまめにメンテナンスのできないなどの条件があるディスプレイ装花には向きません。
合わせたいお花・おすすめの使い方。
涼しげな印象のアスパラガスは、デルフィニウムのような涼しげな花との相性が抜群。
透け感のあるグリーンなので、柔らかい印象の花や淡い色を選ぶと合わせやすいでしょう。
アレンジメントの場合は吸水スポンジを隠す役目より、花の間から顔を覗かせるように挿したり、花束やブーケであれば周りや裏からさり気なく見せるのも素敵です。
アスパラガスの花言葉
アスパラガスは黄色や白の釣り鐘型の花を咲かせます。
花言葉は「敵を除く」「私が勝つ」「何も変わらない」などがあり、その由来はギリシャ語の「棘のある」や「刺す」からきています。
アスパラガスまとめ。
・仮葉が落ちやすい
・挿すときは細心の注意が必要
・品種により特徴が様々
食用はもちろん、今回紹介した品種の他にも観葉植物としての品種はさらに多くあり、昔から愛されているアスパラガス。元々はオランダ人が観賞用として持ち込んだのが始まりです。
葉が散りやすかったり茎が折れやすいなど、一見デメリットの多いグリーンに思えますが、細かく繊細で美しい葉の広がり方はアスパラガスにしかありません。
品種ごとの特徴を活かし、様々な組み合わせで楽しんでみてください!