「オクラレルカ」という植物をご存知ですか?
呪文のような名前であまり馴染みのないグリーンかもしれません。
沖縄では4月頃の花畑が有名で、アイリスに似た花を咲かせることで知られています。切り花としての流通は主に葉物として出回っており、生け花での活躍が多く見られます。
今回はそんな「オクラレルカ」についてご紹介します!
オクラレルカってこんなグリーン!
オクラレルカの基本情報です。
オクラレルカの基本情報
学名:Iris orientalis
分類:アヤメ科アヤメ属
和名:長大アイリス(チョウダイアイリス)
英名:Iris ochroleuca
原産地:トルコ
見た目はアイリスの葉そのもので、細長く靭やかな見た目が印象的です。
先端にかけて鮮やかなライトグリーンがメインですが、付け根は白いためグラデーションの美しさも楽しめます。
長さは80㎝〜120㎝と長く、大きなアレンジメントなどに組み込むと使いやすいでしょう。
葉物としてのオクラレルカは通年流通しており、稀に花つきの商品にも巡り会えることがあります。(花期は3〜4月)
価格は150円〜300円。シャキっと伸びていて、傷のない新鮮な商品を選びましょう。
オクラレルカの飾り方・日保ちについて。
オクラレルカは日もちする?
オクラレルカの日持ちは7〜10日程度。
日々の管理は高温多湿を避け、切り戻しと水換をすれば上記の期間楽しめるでしょう。葉に張りがなくなったり変色が始まったら取り替えるサインです。
オクラレルカの飾り方・飾るときの注意など。
薄く靭やかな葉が魅力のオクラレルカですが、その反面折れやすいグリーンでもあります。
水揚げ作業を始め、アレンジメントに使うスポンジに挿す際や花束に組み込む時も細心の注意が必要です。
生花の花材として使われることが多く、剣山に挿す事も多いでしょう。
生けるときは根本を持ち慎重に扱うのがポイントです。
合わせたいお花・おすすめの使い方。
葉が平たいため剣山に挿しやすい事から生け花に使いやすいオクラレルカ。
花の組み合わせは和の雰囲気にも洋の雰囲気にも合わせやすいので、色々な合わせ方が可能です。
花の出回る時期には単体で生けるのもいいですね。
基本は直線的なラインですが、長い葉であれば葉先が自然にカーブしているためそこを活かすのもいいでしょう。折って使うことも可能です。
ためを効かせて自然なカーブを描くことも可能。他にもワイヤーを通して好きな流れを演出する技もあります。
生け花特有の花材選びで、シンプルに少ない花の種類で生けることが多いです。
数枚の葉が一点から複数枚伸びる株状の状態で使用する他、一枚ずつに分けて挿す事もできるので作品のイメージに合わせて使いこなすといいでしょう。
葉の流れを活かし色々なデザインに挑戦してみてください!
オクラレルカの豆知識いろいろ。
アイリスにそっくり!まさにアヤメ科。
アヤメ科アヤメ属のオクラレルカの花は色も形もアイリスにそっくり。
花弁の模様はハナショウブに似ており、色は「紫」「白」「青」とあります。
ハナショウブ・アヤメ・カキツバタの見分け方に開花期や模様、生育する場所などの違いがあげられますが、ここにオクラレルカが混ざれば更にややこしい!
産地にもよりますが、オクラレルカ→カキツバタ→アヤメ→ショウブの順で花期をむかえるので、入れ替えながら長く楽しむのもいいですね!
春の風を感じる花言葉
オクラレルカの花言葉は「良い知らせ」。若草色の葉と4〜5月に咲く花にピッタリです。
因みにアヤメやカキツバタは・・・
アヤメ・・・・・「良い便り」
カキツバタ・・・「幸運はかならず訪れる」
ハナショウブ・・「嬉しい知らせ」「あなたを信じる」「心意気」「優しい心」「優雅」「信頼」
「良い便り」「嬉しい知らせ」はアヤメ科の花言葉に共通していることが多いようです。
それぞれ花言葉の由来は異なりますが、身近な場所に活けたり贈り物としても良い意味を持つ花言葉ですね。
オクラレルカまとめ。
・花も葉もアヤメにそっくり!
・スタイリッシュな葉でありながら様々な表現が可能。
・「ため」や「ワイヤー」の技あり!
いかがだったでしょうか。
覚えにくい名前ですが、アヤメ科の仲間と聞くと少し馴染みがありますね。すっと伸びた葉を見かけたら「オクラレルカかな?」と様子を見てみてください!
生け花の展示会ではたくさん見かけることができるかと思います。もちろん、アレンジメントやお部屋に生ける花材としてもオススメです。
ワイヤーや「ため」も是非チャレンジしてみてくださいね!