春にジャスミンのような香りをただよわせるラッパ型の鮮やかな黄色の花…それがカロライナジャスミン!
温暖な地域では鉢植えのみならず、フェンスやパーゴラに絡ませて庭木として親しまれている植物でもあります。
とても丈夫で育てやすく、管理の仕方もシンプル。主に日光不足に注意すれば、葉の付け根から次々にお花を咲かせてくれます。また、花だけでなく樹形が楽しめるのも魅力のひとつ。
カロライナジャスミンの花を長く楽しむための育て方や管理方法をご紹介します。
カロライナジャスミンとは?
カロライナジャスミンの基本情報です。
分類:マチン科(ゲルセミウム科)ゲルセミウム属
原産地:北アメリカ
別名:ゲルセミウム、イエロージャスミン、
トランペットフラワー、イブニングトランペット、
ニセジャスミン、カロリナソケイ等
特徴はジャスミンにそっくりの甘い香り。
でも、通常のジャスミンはモクセイ科ソケイ属のつる性植物で、カロライナジャスミンとはまったくの別のお花です。
お店にカロライナジャスミンの花鉢が並ぶのは主に2~5月。自然下での開花は4~5月。
つるをよく伸ばす性質があるので、アサガオやクレマチスのようにあんどん仕立てにした4~6号サイズの鉢花として販売されていることが多いです。
カロライナジャスミンの花言葉
花言葉は「長寿」「甘いささやき」「気立てのよさ」「素直」など。きっと「甘いささやき」は春になるとただよう甘い香りからつけられたのでしょうね。
また、カロライナジャスミンはかつてはアメリカで様々な疾患に効果があるとされてきました。医薬品として親しまれたという一面から「長寿」という言葉をつけられたようです。
【注意】有毒なので、口にしないように!
ただ、注意すべきことがひとつ。それは…カロライナジャスミンは有毒植物であること。
ゲルセミシンなどの有毒成分が、茎や葉だけではなく、根や花といった全ての部分に含まれています。
「ジャスミン」と名前についていることから、ハーブティーにしようとして中毒を起こした…という事故もあるそうです。
ペットと一緒に暮らしている場合や、小さなお子さんがいる場合、間違って口にすることがないよう特に注意を払ってくださいね。
カロライナジャスミンを購入するときのポイント・選び方
葉や茎に注目しよう!
茎が太いこと、節目が詰まっていること(葉と葉同士の間隔が狭いこと)、葉の大きさができるだけそろっていることを確認しましょう。
たくさんつぼみがついているものを選べば、花が長く楽しめます。
買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法
置き場所:たっぷりと日光の当たる屋外が基本
日光不足は花つきの悪化に直結!いい香りを室内で楽しみたくもなりますが、基本的には屋外の明るい場所を選んで、たっぷりと日光を当てて育てます。
1~2月など寒い時期に購入してきた花鉢は、軒下やベランダなど、霜が当たらない場所に置いて楽しみましょう。
水やり:開花期は水切れしないように。
鉢の表土が乾いたことが確認できたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとお水を与えます。
特に開花期から夏にかけての季節は水切れに注意しましょう。
肥料:生育期に置き肥を。
生育期(5~9月)には緩効性化成肥料を置き肥として与えます。月に一度くらいで大丈夫です!
花がら摘みは定期的に。
カロライナジャスミンの花1つ1つが開いている期間は短いものの、次から次へと花を咲かせてくれます。色が薄くなりしおれてきたら、摘み取りのサイン!
花がらを放っておくと見栄えが悪いのみならず、腐って病気の原因となってしまうこともあるので、開花期の花がら摘みは定期的に!
方法は簡単。花びらを指でつまんで、引っ張るだけ。もしくは花を元から摘み取ってしまいましょう。
前述のとおり、カロライナジャスミンは有毒植物。手袋をして作業をすることをおすすめします。
カロライナジャスミン、花が終わったらどうする?
カロライナジャスミンは樹木なので、上手に管理すれば毎年お花が楽しめます。春先~初夏までお花を楽しんだら、次のシーズンに向けて準備をしましょう。
剪定は7月までに。
花が終わるのは5月下旬から6月上旬頃。カロライナジャスミンは旺盛につるを伸ばす植物なので、ぼさぼさしているなと感じたらつるを剪定しましょう。
剪定の時期にはちょっと注意が必要。夏は翌年の花芽が形成される時期なので、この時期以降に剪定すると花芽を切り落としてしまうことに。
剪定をするのであれば、7月頃までには終わらせるようにしましょう。
夏の暑さ・冬の寒さにも耐性アリ。
カロライナジャスミンは暑さに強く、寒さにもある程度耐性があります。夏は花後に剪定をした後で、風通しのいい場所で管理します。もちろん、日光にたっぷり当てることも忘れずに。
冬は寒さのため、少し葉を落とすこともあります。注意しないといけないのは「霜」。霜に当たると株がいたんでしまうので、霜の当たらない場所で管理しましょう。
暖地では地植えにすることもできます。西日本や、東京の南側、千葉などでは露地植えにしているものも見かけます。
冬越しが心配であれば、鉢植えで管理し、寒い時期は軒下や室内に避難できるようにしておくのがオススメです。
植え替えは暖かくなり始める頃に。
植え替えは真冬ではなく、3~4月頃におこないます。購入した年にすぐ植え替えてもかまいません。
水はけの良い用土なら市販の園芸用培養土で充分!1~2回り大きい鉢に植えかえます。
花鉢の【カロライナジャスミン】まとめ
カロライナジャスミンのまとめです。
・有毒植物なので、管理に注意。
・購入時は茎や節目、葉をよくチェック。
・日光不足はお花が咲かない原因。たっぷり陽にあてて!
・寒さ(寒風と霜)にさらさないように、冬は霜よけを。
きちんとお日様の光に当てて、水やり等の最低限のケアをするだけでも、つるを伸ばしてどんどん成長してくれるカロライナジャスミン。それでいて、可愛いビタミンカラーのお花といい香りを楽しめるなんて嬉しいですよね!
暑さ・寒さの両方に強くて初心者でも育てやすいので、是非チャレンジしてみてください。