花鉢図鑑

【西洋シャクナゲ】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

西洋では「春の花木といえばコレ」と言われるくらい、お庭に欠かせないシャクナゲの木。イングリッシュガーデンでも見かけることの多い花ではないでしょうか。


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赤や白、ピンクなどのカラフルな花色やラッパ型の花が房状に集まった豪華な花姿が印象的ですよね。そんな理由から「花木の女王」と呼ばれることも!

興味はあるけれどうまく育てられるかな…と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんね。

でも大丈夫!現在は品種改良により日本の環境にあった品種だけでなく、鉢のままでも育てやすい小型の品種も誕生しているんですよ。

初心者でも更に育てやすくなったシャクナゲの育て方・管理方法についてご紹介していきます。

西洋シャクナゲとは?

西洋シャクナゲの基本情報です。

シャクナゲ

分類:ツツジ科/ツツジ属

原産地:ヨーロッパ、アジア、北アメリカ

和名:シャクナゲ(石楠花、石南花)

他:ロードデンドロン、ロドデンドロン、西洋シャクナゲ

19世紀中期、シャクナゲの原種が中国から西ヨーロッパにもたらされたことから始まり、またたく間に注目が集まってこれまでに何度も交配が行われてきました。

シャクナゲの原種が自生しているのは高山地帯。その為「日本の夏の暑さには弱いのでは」と思われることもあるようです。

現在鉢植えで出回っているシャクナゲは、暑さに強い品種や改良された品種など、日本の環境でも栽培難易度が低いものがほとんど。このような、もともと欧米で育成された園芸種などを総称して「セイヨウ(西洋)シャクナゲ」と呼びます。

品種改良が進んだ結果、なんとこれまでに世界各地で5000以上もの種が生まれています。

なお、日本にも元々自生しているシャクナゲがあり、日本シャクナゲと呼ばれていますが、高山に自生していることが多いです。造園では使われることがありますが、鉢植えで出回っているような豪華な花を楽しむシャクナゲは、ほぼ西洋シャクナゲだと思います。


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シャクナゲの花言葉は?

シャクナゲ

「警戒」「危険」「威厳」「荘厳」など。

シャクナゲは元々高山地帯に自生する植物。そのため、採取に行くのには危険を伴うことから「危険」や「警戒」という花言葉がついたのでしょう。

また「威厳・荘厳」は、シャクナゲが高山の奥地に咲く様子からついたといわれています。険しい山に豪華な花を咲かせて立つ木の姿は、神々しさに満ちていたのではないでしょうか。

シャクナゲを購入するときのポイント・選び方

葉と枝が元気なものを選びましょう。

シャクナゲ

葉に厚みがあって緑色が濃いこと、枝数が多いこと、全体的に枝がバランスよく出ていること。この3つに着目しましょう!

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

置き場所:日当たりと風通しのいい屋外で管理。

シャクナゲ

シャクナゲの花鉢は1~5月にかけて出回ります。開花期は4月~6月頃。お花は雨が当たると傷んでしまうので、花が咲いている間は涼しい室内か軒下などの雨の当たらない場所を選びましょう。

屋内に置いておく期間が長かった場合は、いきなり屋外に出すと葉焼けを起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。半日陰となる場所に約1週間置いて、だんだんと日光にならす…といったように少しずつ外の環境に慣れさせましょう。

水やり:花には水がかからないように。

開花中はお水がたくさん必要!土が乾きやすい時期でもあるので、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。

病気を防いで長くお花を楽しむためにも、花には水がかからないように気をつけて…。夏は葉水を兼ねて2日に1回を目安に水やりをしましょう。

肥料:秋までは週に1回程度

秋までは週に1回程度薄い液肥を与えます。花が終わった後、春・秋のお彼岸の頃に有機固形肥料や緩効性化成肥料(チッ素N・リン酸P・カリK=1:1:1など)を与えます。5号鉢に5~6粒が目安です。

終わった花は種ができる前にカット!

花がらを放置しておくとやがて種ができます。

種に栄養を使ってしまうと新芽の生長の妨げになって翌年の花着きが悪くなることも…。枯れた花は見つけ次第手で摘み取るか、ハサミで花茎のもとからカットします。

シャクナゲ、花が終わったらどうする?

シャクナゲは常緑性の花木です。比較的夏越し・冬越しも簡単。来年もお花を楽しめますよ。

来年のために芽かきをしましょう!

シャクナゲ

シャクナゲは枝数が少ない樹木。剪定を行うと芽が伸びないこともあります。なので樹形を整えるため、剪定の代わりに「芽かき」をおこないます。適期は花の終わった後の4月中旬から7月中旬。

花が咲かなかった枝があった場合、芽が伸び始めたばかりの柔らかいうちにかき取ることで複数のわき芽が出ます。枝数が増えますし、花の付きも良くなりますよ!

夏は強い光を避けて。

シャクナゲは西日が苦手…。葉焼けを防ぐためにも、夏は強い光の当たらない場所で管理します。朝日が当たる程度の日陰が確保できる場所、もしくは鉢を寒冷紗で50%ほど遮光して育てます。

水やりは葉水を兼ねて2日に1回を目安にたっぷりと与えましょう。

春と秋は午前中にたっぷりと日が当たり、午後は日陰となる場所に置きましょう。

冬は寒風を避ける。

冬は蕾を傷めないために冷たい風の当たらない場所で管理します。水やりの際は暖かい日の午前中を選び、土の乾き具合を確認してからたっぷりと。

植え替えは花が終わってから。

植え替えの頻度の目安は2年に1度。花後すぐに植え替えを行います。水もちと水はけが共に良い土を使用して、ひとまわり大きな鉢へ植え替えましょう。

花鉢の【シャクナゲ】まとめ

花鉢のシャクナゲのまとめです。

・開花中はお水を特にたっぷりと。ただし、花には水をかけないように。

・植え替えの頻度の目安は2年に1度。

・樹形を整えるため「芽かき」を!わき芽を増やすことで枝数も増えて、花つきもよくなります。

・夏の強い日差しと冬の寒さに注意。

シャクナゲは庭木としても鉢植えとしても楽しめる花木。西洋風だけでなく、和風のお庭・お家にもぴったりで、素敵な空間を演出してくれます。

桜の時期が終わると、次にやってくるのはシャクナゲの季節!日本各地にはシャクナゲの名所もたくさんあります。

色々なお花を楽しく眺めながら、お気に入りの品種を探してみるのも楽しいかもしれませんね。

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