北国の街路樹としても有名な、ライラック。
「リラ」とも呼ばれ、ロマンチックな雰囲気が漂います。小さなお花が集まって1つの房のように咲きますが、甘くさわやかな香りも特徴です。
街路樹の印象が強いお花ですが、枝ものとしてもお花屋さんに出回ります。今回はそんな『ライラック』をご紹介します。
ライラックってこんな枝もの
ライラックの基本情報です。
・分類:モクセイ科ハシドイ属
・原産地:ヨーロッパ
・和名:紫丁香花(ムラサキハシドイ)
花の大きさは1センチ程度で、先が4つに割れた花を円錐状につけます。色は紫、白、ピンク、青、赤。香りのよさが特徴です。
フランス語で「リラ」とも呼ばれますが、これは花名に由来しており、サンスクリット語の「nila」(暗青色)が語源になっているとのこと。フランスでは「リラの咲くころ」というと、一番気候のよい時期を指すそうです。
また、北海道札幌市の木になっており、毎年5月にはライラック祭りが開かれています。「リラ冷え」という言葉もありますね。
ライラックの出回り時期、選び方
国産のものは春が旬
街路樹として花が咲くのは4月~6月ですが、お花屋さんには10月~6月頃に出回ります。40~80センチのものが800円前後でしょうか。
輸入ものと国産のものが出回ります。国産のものは季節が限定され、4月中旬から6月頃。産地は長野、山形、北海道といった涼しい地方になります。
輸入ものは葉をすべて落とした状態で入ってきますが、国産のものは葉がついたまま出回ります。明るい緑色の葉がついているライラックは貴重ですね。
選ぶときは花のつき方に注意を
・花つきがよく、ふっくらとして色がきれいなもの
・茶色く変色した花が入っているものは避けましょう
・小花がパラパラと落ちてくるものは避けましょう
ライラックの飾り方、日もち
ライラックは水あげに注意
ライラックはちょっと水あげが難しい枝ものです。水切れを起こさないように注意しましょう。
ライラックを飾る時は斜めにカットして水切りをするか、根元割りをしましょう。金槌などでたたくとよいでしょう。あるいは、表皮をそいであげると表面からも水を吸い上げやすくなります。
葉がついている場合は、不要な葉を取り除いて整理してから行いましょう。枝はためがきかず硬いので、注意してください。
飾り方
ライラックは花びんやピッチャーに入れて1本だけで楽しむのもよし、数本入れて飾るのもきれいです。
アレンジに使う場合は、花のボリュームがあるのでそれを生かすとよいでしょう。バラ、ラナンキュラス、アネモネなど春の草花と合わせると季節感が出ます。
日もちは3~7日くらい。直射日光やエアコンの風に当たらないところに置きましょう。
ライラックの花言葉
ライラックの花言葉は「青春の思い出」「初恋」「青春の喜び」「友情」など。
色別の花言葉もあり、紫は「初恋」「恋の芽生え」、白は「青春の喜び」。葉がハートの形をしているので恋にまつわる花言葉が生まれたとか。
花言葉もロマンチックですね。ちなみに花弁は4枚ですが、5枚のものを見つけると幸せになるという言い伝えがあるそうです。
ライラックのまとめ
ライラックのまとめです。
・ライラックは春に甘い香りの花を咲かせる落葉低木
・国産の枝ものとして出回るのは4月中旬~6月
・飾るときは水あげ、水切れに注意を
街路樹として楽しむだけでなく、枝ものとしてもぜひ取り入れてみましょう。季節を逃さず、見かけたら手に入れて、甘い香りとやさしい色あいを楽しんでくださいね。