暑い夏にも日持ちのする枝ものとして人気のドウダンツツジ。インテリア雑誌や、おしゃれなショップの活けこみで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
じつは街路樹や公園の生垣などにも多く使われ、とても身近な植物。初夏には小さな白い花を咲かせ、秋には真っ赤な美しい紅葉が美しい、四季を通じて楽しめる植物でもあります。
今回は、大きく広がる枝ぶりが存在感ばつぐんの枝もの、『ドウダンツツジ』をご紹介します。
ドウダンツツジってこんな枝もの

ドウダンツツジの基本情報です。
分類:ツツジ科ドウダンツツジ属(エンキアンサス属)
原産地:日本、台湾
和名:燈台躑躅(ドウダンツツジ)、満天星(ドウダン)
別名:ドウダン・フデノキ
もともとは山に自生する植物ですが、枝ものとしては生け花やディスプレイなどにも利用されます。大ぶりの枝、さわやかな緑の葉が印象的です。
初夏には白い花がついたものも出回ります。中にはピンクの花もあります。
名前の「ドウダン」は、小枝が三つ又に分かれているところが結び灯台の脚部に似ているところからついたそうです。結び灯台とは、昔、宮中で使われていたもので、3本の棒をひもで結んで油皿を置き火をともすものです。「トウダイ」から転じて「ドウダン」になったとか。

また「満天星」という当て字は、白い花が数多く咲く姿が満点の星を連想させるところからついたとも言われます。
属名の「エンキアンサス」はギリシャ語の「妊婦の花」が語源で、ふくらんだ花の様子にちなんでいるそう。
ドウダンツツジという特徴ある名前は、木の様子や花の姿を表しているのですね。
ドウダンツツジの出回り時期、特徴
ドウダンツツジは時期によって枝ぶりや葉の状態が変わります。3月から12月頃まで枝ものとして出回りますが、手に入れる時期の特徴を生かして使いましょう。
春、新芽の頃

出始めの3月~5月半ば頃は新芽で葉も小さい状態です。白い花がついたものもあります。新芽は水下がりもしやすいので気をつけましょう。茎を十字に割って深水で水揚げするとよいでしょう。
夏、青々とした葉がつく頃

6月~8月、夏になると葉もかたまり、枝ぶりも大きくなります。水揚げがしっかりできていれば日保ちもよい季節。上手に管理すれば切り枝でも1ヶ月近く楽しめます。
秋、紅葉の頃

10月~11月、紅葉のドウダンツツジが出回ります。紅葉は大変美しいですが、夏場より樹勢も弱く、色づいた葉は散るのも早いです。夏場ほどは日持ちしないと覚えておいてください。
ドウダンツツジの選び方、日保ち、飾り方

枝ぶりを見て選ぼう
長さ80㎝くらいの小ぶりなものから、大きなものは2m以上のものまで出回ります。枝ぶりを見て使い道に合わせて選んでください。
家庭では80㎝~1mくらいのものが飾りやすいと思います。枝ぶりがよく、葉がみずみずしく色鮮やかなものを選びましょう。
日保ち
ドウダンツツジの水揚げは、ハサミで枝元に十字に割りを入れるとよいでしょう。日保ちは7~10日くらい。夏場のしっかりした枝は1ヶ月近くもつこともあります。
葉が薄く乾燥しやすいので、たまに霧吹きで葉に水をスプレーすると良いです。エアコンの風が直接あたる場所は避けましょう。
飾り方
大きなドウダンツツジは生け花や店舗のディスプレイにも利用されます。おうちで飾る場合は、ドウダンツツジだけ1本でも十分。花瓶に入れてお部屋に置くと、生命力あふれる樹木の力を感じますよ。
ただ、枝が大きいので花びんを選ぶときはご注意を。全体のバランスを見て、長すぎる場合は枝や葉を落として整理するとよいでしょう。
アレンジメントに入れる場合は、初夏に咲くお花と合わせると生命力あふれる感じが出ます。
ドウダンツツジの花言葉

ドウダンツツジの花言葉には『上品』『節制』などがあります。「上品」は、花の姿に由来するとも言われています。
ドウダンツツジのまとめ

ドウダンツツジのまとめです。
・4月~5月に白い小さな花を房状に咲かせる落葉低木
・枝ものとしては3月~12月頃に出回り、夏に人気
・初夏には花付き、秋には紅葉の枝ものとして出回る
・選ぶときは枝ぶりがよく葉がみずみずしいものを
・ディスプレイ、生け花、アレンジメントなどに活用される
木は身近にあるだけでこちらも力が湧いてきますね。ドウダンツツジは1本だけでも存在感ばつぐんの枝もの。
夏は特に生き生きとした姿なので、身近に置いて楽しんでみてはいかがでしょうか。