やわらかい緑の葉に、まるいつぼみ。白いポンポンとした花を咲かせるハナカンザシは、春先にお花屋さんに並ぶことの多い定番の花鉢です。
薄い紙のような不思議な手触りも魅力のひとつ。ドライフラワーとしての楽しみ方もあるお花です。
毎年春先に人気の『ハナカンザシ』の育て方・管理方法をお伝えします。
ハナカンザシとは?
ハナカンザシの基本情報です。
分類:キク科 ローダンテ属
原産地:オーストラリア
別名:アクロクリニウム、アクロクリニューム、ヘリプテルム・ロゼウム
どんな花?特徴は?
「ハナカンザシ」という名前は、ころんとした丸いつぼみや花の様子をかんざしに見立てて名づけられました。「冬の妖精」という別名もあるそう。
本来の開花期は3~5月ですが、お花屋さんには12~5月頃出回ります。3、4号の小さめの花鉢が多いでしょう。
お花のように見える白い部分は総苞(そうほう)と呼ばれ、本当の花ではありません。花は中央の黄色い筒状の部分。そのためハナカンザシの花(に見える部分)はとても長持ちです。
陽が昇ると開き、夜には閉じるという性質があります。最近ではピンク色の種類もあります。
どんな鉢を選んだらいい?
お花屋さんや園芸店には、12~3月頃に温室栽培の鉢花が出回ります。
株は全体的にがっしりとしていて、茎が太くて短めのものを選ぶことがポイント。また、つぼみはちゃんと咲くので、つぼみがたくさんある株を選ぶとお花を長く楽しめます。
蒸れやすいので、株元をチェックして葉や茎が変色しているものは避けましょう。
ハナカンザシの花言葉は?
ハナカンザシの花言葉は『思いやり』『温順』『明るい性格』『変わらぬ思い』『終わりのない友情』など。
「思いやり」については、夜になると総苞が閉じる様子が黄色い花を守るように見えることから、「変わらぬ思い」「終わりのない友情」は、ドライフラワーにしても長く色あせない姿に由来したものだといわれています。
買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法は?
置き場所は?:屋外の雨の当たらない場所
ハナカンザシは乾燥した地域が原産の植物。蒸れに弱く、多湿は大敵です。かわいいので室内に置きたくなりますが、室内ではうまくいかないことが多いです。
日当たり・風通しがよく、雨に当たらないベランダや軒下などに置きましょう。
寒さにすごく強いわけではないですが、0℃くらいなら外で大丈夫です。あまりに冷える日の夜は、室内に移動させてもよいでしょう。
水やりは?:やや乾燥気味に
土の表面が乾燥していることを確認してから、鉢の底から出るまでたっぷりと与えます。
口の細い水さしを使うなどして、花に水が直接かからないように注意しましょう。
肥料は?:ほとんど必要なし!
ハナカンザシは、ほぼ肥料を必要としない植物!追肥も特に必要ありません。
もし肥料を与えるとしたら、開花時期の2月から4月頃に規定の濃度に薄めた液肥を与えます。花を少しでも長く楽しみたい場合は有効です。
植え替え・寄せ植えはしてもいい?
ハナカンザシはあまり根が張らず、植え替えには強くありません。植え替えする場合は根を傷めないようそっと行います。また水はけのよい土を好むため、寄せ植えにする場合は一緒に植える植物との相性に注意しましょう。
ポット苗ではなく花鉢を買ってきた場合は、そのままの鉢で楽しむのでOKです。
終わった花は摘み取ろう
12月に買ったハナカンザシでも、上手に管理すれば5月まで花を楽しめるほど、開花時期の長いお花です。黒く変色し始めた花は見つけ次第切り取りましょう。
または花が変色する前に早めにカットして、ドライフラワーとして楽しむこともできますよ。
また、茎葉が混み合っていると株元が蒸れやすくなります。株元から新芽が出てくるので、古い枝は取り除き、新しい枝へ切り替えをしていくと、株が長もちします。
ハナカンザシ、花が終わったらどうする?
基本は1年草扱い
本来は多年草ですが、日本では1年草として扱われます。夏の高温多湿に弱く、梅雨入りの時期には枯れて終わりになることが多いです。
1月~2月頃に買って、5月まで楽しんでおしまい、というイメージですね。
頑張って夏越しさせる場合
とはいえ、管理によっては夏越しできる場合もあります。チャレンジしてみたい方は、まず切り戻しをおこないましょう。花後の梅雨前に、根元から約10~15センチメートルを残してカットします。葉が残るように切ることがポイントです。
植え替えの際は、水はけのよい土を選びましょう。
草花向け培養土や山野草向け用土だと管理しやすいのでおすすめです。夏越しの前には早めに植え替えをおこない、土にしっかりと根を張らせておくことが大事です。
夏の多湿には特に注意!できるだけ風通しよく管理します。日照不足や多湿によって、灰色かび病などの発生源となってしまいます。また、アブラムシに注意しましょう。
花鉢の【ハナカンザシ】まとめ
ハナカンザシのまとめです。
・冬~春先に出回る小さめの花鉢
・つぼみは咲くので、たくさんつぼみのあるものを選ぼう
・室内では難しい!ベランダや軒下など屋外がベスト
・多湿・蒸れに弱いので、風通しよく、雨のあたらない場所に置くこと
・肥料は特に不要!あげるなら開花時期に。
・基本は1年草扱い。5月頃まで楽しめる
冬から春にかけて、小さくてかわいらしい花を見せてくれるハナカンザシ。株一面に咲き広がった姿はとても華やかです。
無事に夏越しができれば、大株にも育てることもできるかも。ぜひチャレンジしてみてくださいね。