5月の母の日に、感謝の意を込めて贈られる花として広く知られている『カーネーション』。その美しい花は古くから人々に親しまれ、「神の花」とたとえられてきました。
切花の花束をプレゼントする方もいますが、より長く楽しめるということで、鉢物のカーネーションも贈りものには大人気です。
…が、「うまく育てられない~」「もらったけどすぐ枯れちゃった」という声も多い花のひとつなんです。
そこで今回は、『5月の母の日にもらったカーネーションの鉢』を長く上手に楽しむためのポイント、失敗しない管理方法をまとめました。
カーネーションとは?
カーネーションの基本情報です。
分類:ナデシコ科ナデシコ属
原産地:南ヨーロッパ、西アジア地中海沿岸
和名 :オランダナデシコ、ジャコウナデシコ(麝香撫子)、オランダセキチク
切花のカーネーションは、キクやバラと並ぶ生産高を誇り、一年中お店に出回っています。
カーネーションの花鉢は、3月~4月頃からお店にに出回り始め(秋は9月~10月)、色は、赤・ピンク・白・黄色・オレンジ・紫などと豊富。
毎年5月第2週の日曜日の「母の日」にカーネーションを贈る風習は、20世紀初頭、アン・ジャービスが亡き母に白いカーネーションを供え、教会の参列者にも配られたことに由来しています。
日本では江戸時代初期以前に輸入され、アン・ジャベルと呼ばれましたがなかなか定着せず、1930年代「カーネーションの父」と呼ばれる土倉龍治郎によって近代の栽培技術が構築され、定着しました。
カーネーションを購入するときのポイント・選び方
花鉢のカーネーションは小輪タイプ
花鉢で流通するカーネーションは、草丈10~30cmほど、花径3cm程度の小輪のミニカーネーション(矮性品種)が主流です。切花では花径5cm以上の大輪品種もあるので、そこは花鉢との違いですね。
単品の花鉢は5号鉢がほとんど(たまに6号鉢もある)。寄せかごなどに使われているものは、3号~3.5号のポット苗が多いです。
よい株の選び方:つぼみの多さに惑わされずに!
カーネーションのつぼみは全部花が咲くわけではないので、つぼみが多すぎる鉢は避け、全体の3/4程度花が咲いている鉢を選ぶのがポイントです。
よい株の見分け方は、茎の太さと下葉がしっかりついているかを見ること。
株がしっかりしているか(鉢を軽く振ってグラグラするものはダメ)、葉が枯れたりダニがついていないか、花の下のガクの先端まで緑色でピンと張りがあるかどうかを確認してみましょう。ガクが茶色になっていたり、割れていたら鮮度は良くない証拠です。
買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法
ラッピングは取る!
贈りもので頂いたカーネーションの鉢は、ラッピングされていたり、バスケットに入っていることが多いと思います。キレイですね。
ですが、ラッピングしたままでうまく管理できることは、ほぼない…!と言っていいでしょう。
まずラッピングは外しましょう。
花のまわりにセロファンがかかっていたらそれも取ります。バスケットもできれば外した方が管理はしやすいです。
置き場所は?【室内はNG、外に置く!】
せっかくいただいたカーネーション、なるべく目に付くところに飾りたいから室内に…というお気持ちはわかります。
が、「長く花を楽しむぞ、できれば長く育てるぞ」と思っているなら、屋外に出してください。
庭があれば庭に。マンションだったらベランダに出しましょう。基本は1年中外で育てる植物です。
カーネーションは、日当たりがよく乾燥した気候を好みます。高温多湿&長雨には弱いので、風通しがよい場所がよいでしょう。
とにかく日光は大好き。春と秋は、なるべく日に当てることで花つきが良くなります。
水やりは?
水やりは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が溢れ出るくらいたっぷりと与えます。水も大好きな植物です。
とくに花がついている時期や成長期は水分が多く必要なので、水切れしないようにしてください。毎朝たっぷり水やりを。根腐れしないように、鉢皿に水がたまったままにしないように気を付けてください。
肥料は必要?
肥料は定期的に与えることで、花つきが良くなります。5月にもらった花鉢は、固形タイプの肥料を月1回置き肥するとよいでしょう。
ハイポネックスなどの液体肥料なら月3回程度、水やりに混ぜて与えます。春や秋の成長期は肥料が途切れないように多めに与えるのがコツです。
終わった花は摘み取ろう
終わった花は色が変わってくるので、早めに摘み取りましょう。種がつかないように、ガクから摘み取ります。
また、あまりに小さなつぼみは咲かないので、こちらも摘み取ります。さわってみて中身がないつぼみは摘み取ってしまいましょう。
そうすることで、咲くつぼみに栄養がいきわたり、どんどん花を咲かせてくれます。
カーネーション、お花が終わったらどうする?
頑張れば秋も、来年も楽しめる!
以上のように、上手に管理したカーネーションは6~7月頃まで咲き続けてくれます。
そのころまで一通り花を楽しんだら、夏前に切り戻しをします。
大体1/2の高さまで、ばっさり切り戻しましょう。わき芽やこれから芽吹く節を残して栄養分を芽や節の成長に回るようにします。茎の本数が多い場合は、元の部分から間引くとよいでしょう。
植え替えをする場合は、このタイミングで一回り大きな鉢に植え替えを。
夏越しは、涼しく風通しよく
カーネーションは、高温多湿の日本の夏はちょっと苦手。切り戻ししてスッキリさせたあとは、日陰の風通しのよい場所に置きましょう。真夏は肥料もお休みです。
秋にも咲いてくれます!
暑さがひと段落したら、また肥料を与え始めます。またぐんぐん成長して、秋にも花が楽しめますよ。
初夏に植え替えをできなかった場合は、秋に植え替えをしてもOK。
来年は?冬越しポイント
冬の間は、霜が降りないくらいの場所に置きましょう。軒下やベランダの日当たりのよい場所がいいですね。直接冷たい風に当てないようにしましょう。
また春になると花芽をつけ、5月頃に花を楽しむことができます。
花鉢の【カーネーション】まとめ
カーネーションのまとめです。
・母の日の贈りものの定番
・ラッピングは外そう
・室内ではうまく育たないので、外に出して楽しむこと
・日当たり大好き&水やり大好き
・咲き終わった花、咲かないつぼみは摘み取ろう
・うまく夏越ししたら、秋にもう一度花が楽しめる
・上手に育てれば毎年楽しめる多年草
カーネーションは、母の日に贈る花の定番中の定番。その魅力は、フリルのような花びらが重なり合うゴージャスかつ可憐な花。
品種も豊富で花色も多く、母の日にたくさん出回るのに「うまく育てられない…」という方も多い花です。
ポイントをおさえれば花を長く楽しむことができるので、ぜひこの記事を参考に挑戦してくださいね。