花鉢図鑑

【デンドロビウム(デンドロビューム)】の育て方・管理方法|お花屋さんの花鉢シリーズ

ランの中ではお手頃な値段で販売され、ホームセンターでもよく見かけるのが『デンドロビウム』。


スポンサードリンク




じつはとても種類が多く、奥が深いランのひとつ。お花屋さんや園芸店でよく見かける『デンドロビウム』の種類や管理方法をまとめてみました。

デンドロビウム(デンドロビューム)とは?

デンドロビウムの基本情報です。

分類:ラン科デンドロビウム属
原産地:ネパール・ミャンマー・インド東北部など(キンギアナム系はオーストラリア原産)

デンドロビウム属は、原種の数が1000種以上あり、ランの中でもとても種類が多いグループです。

鉢花として流通している種類は、おもに「ノビル系」「キンギアナム系」「デンファレ系」といわれる3グループに分けられます。

一番お馴染みなのはノビル系デンドロビウム。冬の贈答用鉢花として扱われることが多く、花の色は紫ピンク・薄ピンク・白・黄などがあります。

5~7号鉢で仕立てられたものが主で、基本的に数株が寄せ植えになっています。3~4号鉢で作られた小型の種類もあり、手ごろなお値段で飾りやすいです。

ノビル系デンドロビウム

花一輪のもちは、シンビジュームやコチョウランと比べるとやや短く、3~4週間程度。

店頭に並ぶのは12~3月頃が多いです。ランの中では比較的お求めやすい価格帯で、花店やホームセンターの店頭に並んでいます。

デンドロビウム ”フォーミディブル”という白花の品種は夏に咲き、真夏の贈答鉢花としてよく見かけます。

デンドロビウム「キンギアナム」は小さな花がたくさんつく

 

セッコクという小型デンドロビウムの原種が日本にも自生しており、小型種はセッコクを元に改良されたものが多く、丈夫で育てやすいのも嬉しいポイント。

デンドロビウムは寒さにも強く丈夫なので、ビギナー向けのランといってもよいでしょう。

 


スポンサードリンク




デンドロビウムを購入するときのポイント・選び方

茎が太ったように見える部分が「バルブ」

ぷっくりした「バルブ」がポイント

バルブ(肥大した茎の部分)にシワが少なく張りのあるものを選びましょう。

花を長く楽しむには、全部咲いているものより、数輪つぼみがあるものを選ぶとよいです。

 

買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法

置き場所は?

花を長く楽しむためには、できるだけ涼しい場所に飾りましょう。窓際など日当たりがよすぎると花がはやく終わってしまいます。エアコンの風があたるような場所も乾燥するので良くありません。

つぼみがあるものは光も必要なので、レースカーテン越しの光が当たる場所が良いでしょう。

水やりは?

土が乾かないように水を与えましょう。水切れさせると、つぼみが開かずに落ちてしまいます。

暖房の入った室内に飾る場合、空気が乾燥するので時々霧吹きで株全体に水をかけてあげるようにするとよいです。満開まで開花したら、花が終わるまで日に当てる必要はありません。

肥料は必要?

花が咲いている間は、特に肥料は必要ありません。

終わった花は摘み取ろう

しぼんで茶色くなった花は、取り除いておきます。そのままにしておくとアブラムシなどの虫がつく原因になります。

 

デンドロビウム、来年も咲かせるための管理方法

5~6月に植替え&肥料

花が終わったら、5~6月頃に一回り大きな鉢に植え替えます。土は水はけのよいバークチップがおすすめです。大きすぎる鉢に植え替えると、根をはることに一生懸命になり、花つきが悪くなるので注意してください。植替えは2~3年に一度行うようにします。

5月頃に、洋ラン用の緩効性肥料を与えます。肥料を与えるのはこの一回で充分。秋に多くの肥料分が残っていると花付きが悪くなるので、与えすぎには注意です。

春~秋は屋外で

花後は屋外の明るめの日陰におきましょう。朝日が直接当たるような場所がベスト。

屋外の空気に触れさせた方が丈夫に育ちますので、春~秋の花がないときはできるだけ屋外においてあげるようにします。

水が好き!水やりはしっかり

蘭の中では比較的水が好きな種類です。冬は週に1回、春~秋は3~4日に一回程度、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えるようにします。

真夏は毎日水を与え、特に暑い日には夕方日が影ってから水を与えるようにします。屋外に置いてあるときには葉も濡らすように水をかけると、植物の温度が下がり、夏バテさせずに育てることができます。

デンドロビウムのようにバルブが肥大しているタイプの蘭は、バルブ内に水分を蓄えているので、多少水やりを忘れてしまっても、すぐに傷んでしまうことはないので安心してください。

【ポイント】寒さにあてて花芽を付ける!

秋、室内に取り込むタイミングが大切です。外気の最低温度が10℃以下になり、しっかり寒さにあててから取り込むようにすると、花の付きがよくなります。

特にノビル系は10℃以下の温度に2週間以上あてるようにしましょう。

 

花鉢の【デンドロビウム】まとめ

デンドロビウムのまとめです。

・初心者にもおすすめ、手ごろな値段で育てやすいラン

・鉢花で出回るのは「ノビル系」「キンギアナム系」「デンファレ系」

・ほとんどは、12~3月頃に多く出回る冬のラン

・開花鉢は屋内の明るい場所で。涼しい方が長持ちする

・花が終わったら5~6月に植替え&肥料 → 屋外へ

・秋、しっかり寒さに当ててから屋内へ

お歳暮など贈答用で冬に出回ることが多いデンドロビウム。小さな鉢に植えられたものが安く出回るので、初めてランを育ててみたい人にもおすすめです。

種類も多く、知れば奥が深いデンドロビウム。いただいたり、自分用に購入したら、ぜひ来年の花にもチャレンジしてみてくださいね。

created by Rinker
NHK出版
¥1,320
(2024/04/27 09:55:22時点 Amazon調べ-詳細)

こちらもおすすめ