紫色が代表的な花色で、咲く姿も印象的なクレマチス。つるを伸ばして咲く花はどこか和風の雰囲気も漂わせます。
バラと取り合わせて植えることも多く、ガーデニングをやる人たちの間でも人気です。
春から秋にかけて咲きますが、初夏の頃、美しい花を見かけることが多いのではないでしょうか。名前を知らない方でも、どこかの庭やフェンスで見かけたこともあるのでは?
花が咲いた状態の「花鉢」として一番多く目にするのは、母の日。
今回は、母の日によく出回る種類のクレマチスに焦点をあて、魅力たっぷりのクレマチスの管理方法や育て方をご紹介します。
クレマチスとは?
クレマチスの基本情報です。

分類:キンポウゲ科 クレマチス属
原産地:日本、中国、ヨーロッパ、北アメリカなど主に北半球を中心とした各地
和名 :テッセン、カザグルマ
クレマチスはつる性の植物で多年草です。中には木立性のものもあります。
花色や形も豊富。色は、紫、ブルー系をはじめ、ピンク、白、赤、黄など多彩。形も大輪の一重咲き、八重咲きのものから、かわいらしいつぼ形、ベル形などさまざま。
咲き方も、一年のうち決まった時期だけに咲く「一季咲き」と何度も繰り返して花を咲かせる「四季咲き」があります。多種多様で、世界で約300種もあるとか。
細かく分類を見ていくと17種の系統があるそうですが、「開花状態の花鉢」として出回る種類はその中のごく一部。
庭づくりなどで好みの品種を手に入れたい場合は、3月頃に出回る苗(開花していない苗)からお目当ての品種を選びましょう。
クレマチスの花言葉

クレマチスには『精神の美』『旅人の喜び』『策略』『高潔』などの花言葉があります。
つるを伸ばし、大輪を咲かせることから内側に秘めたパワーをたたえて「精神の美」という花言葉がついたそうです。
「旅人の喜び」とは、ヨーロッパで宿の玄関先などに植えられていて、旅人の疲れを癒したことからきているそうです。そういえば、日本でも玄関先でよく見かけますね。
イギリスでは、「つる植物の女王」と呼ばれているそうです。
クレマチスを購入するときのポイント・選び方
花が付いているクレマチスの花鉢を購入する場合、4月下旬~5月頃に多く出回ります。
咲いている花を見て選ぶことができるので、お気に入りのクレマチスを探すのもいいでしょう。あんどん支柱に仕立ててあるものがほとんどです。ギフト用には5号鉢サイズがよく使われます。
つぼみがあるもの、下葉が黄色くなっていないものを選びましょう。
開花鉢でよく出回る品種・系統について
一番!よく見るのは、紫色のこんなクレマチスでしょう。

こちらはパテンス系という系統のクレマチス。8枚の花びらと、平らに咲く大きな花が特徴です。母の日の花鉢として、紫やピンク色のものをよく見ますね。

こちらも時々花鉢で見る、小輪のクレマチス。モンタナ系という系統のクレマチスです。
花びらは4枚で、パテンス系とは随分違うイメージですね。

こちらは常緑のクレマチス ″カートマニージョー″。
小輪で可憐なクレマチスで、可愛らしく仕立てられたものが花鉢として出回っています。(こちらはニュージーランド系のクレマチスで、多湿が苦手。庭植えには向かないそうです)
ラベルをよく確認しよう!
このように、クレマチスは様々な系統があります。系統によって、剪定の仕方や管理方法が微妙に変わってきますので、注意が必要です。
開花鉢を贈りものにするとき・頂いたとき・初めて買ってみるときは、必ず品種名などのラベルがついていることを確認しましょう!
ラベルがついていれば、あとから管理方法などを調べることができます。
クレマチスは愛好家も多く、種類がとにかく豊富。専門書もたくさん出ていますよ。
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買ってきたあとの楽しみ方・置き場所・管理方法
開花鉢を買ってきたあと、どんな管理をしたらよいのか?まとめてみます。

置き場所は?
戸外のベランダや庭など、できれば半日以上日が当たる風通しのいい場所に置きましょう。クレマチスは、基本的には外で育てる植物です。
水やりは?
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと。鉢皿に水がたまったままにしないようにしましょう。
肥料は必要?
肥料は、緩効性化成肥料を春と秋頃に施すといいでしょう。開花期は液体肥料を週に一度くらい与えると元気に花が咲きます。
終わった花は摘み取ろう
枯れた花はそのままにせず、カットして取り除きます(弱剪定)。種がついてしまうと、株が弱ってしまうためです。
また、枯れる前に花を切って花びんなどに生けると家の中でも楽しめます。おうちにある食器などに生けてみてもちがった雰囲気になります。
花を切るときは、節の上で切り、すぐに水につけるといいでしょう。斜めにカットして生けると花が長持ちします。ぜひ、クレマチスのいろいろな姿を楽しんでください。
クレマチス、お花が終わったらどうする?

多年草なので、毎年楽しめる
クレマチスは多年草なので、翌年もまた咲かせることができます。種類によっては秋に再び花を楽しめるものもあります。
ただし、前述したように様々な系統があり、剪定の方法も微妙に違います。ここでは5月に花鉢を買ったと仮定して、ざっくりと(どの系統でも)間違いのない方法を解説します。
ひととおり花が終わったら、植え替えする
開花鉢のクレマチス、初夏にひととおり花が咲き終わったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。庭がある場合は、ここで地植えにしてもよいです。
伸びすぎると困る場合はつるを整理し、半分くらいにカットしてもOK。つるは切らずに、フェンスやトレリスに絡ませて伸ばしてもいいです。
そのまま日当たりと風通しのよい場所に置き、水やりを続けましょう。秋にもう一度咲く種類もあります。
冬の寒さには強いので、そのまま戸外で
冬は葉を落とし休眠するクレマチスですが、水は切らさずに春~秋同様に水をやりながら育てます。冬の間は肥料は必要ありません。
春には芽吹いて、4月頃にまた花を見ることができるでしょう。うまく育てると、毎年花を楽しめるので、ぜひ挑戦してみてください。
系統や品種を把握し、適切な管理を
剪定を強くした方が良い系統と、そうでない系統があります。
専門的なサイトや本がたくさんありますので、自分の育てているクレマチスに合った管理方法をよく調べてみてください。
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花鉢の【クレマチス】まとめ

クレマチスのまとめです。
・春から秋にかけて咲く花。初夏に旬を迎える。
・つるを伸ばして咲く姿は優雅で、花色、形、大きさもバラエティに富む。
・様々な系統があるので、買うときはラベルがついているものを。
・つる性のものは、つるを誘引してあげるとよい。
・多年草なので、何年も育てて楽しむことができる。
母の日によく贈られる花鉢でありながら、多くの愛好家もいるクレマチスは、知れば知るほど奥深い植物。
まずは自分の買ってきたクレマチスがどんな種類のクレマチスなのかを把握し、育て方などを調べていくのが良いと思います。
そうやって調べながらいろいろな種類を知っていくと、いつしかハマってしまうかも…。魅力的なクレマチス、ぜひ一鉢お迎えしてみてくださいね。