切花図鑑

【切花図鑑】マリーゴールド|花言葉・出回り時期・花もち・飾り方

マリーゴールド

夏から秋にかけて出回る『マリーゴールド』。花壇の花として有名ですが、季節になると切花でも出回ります。


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人気歌手あいみょんさんの曲のタイトルになったり、ドラマのタイトルになったり、意外と聞く機会の多い『マリーゴールド』という名前。

実際はどんなお花なのか??ご紹介していきます。

マリーゴールドってこんなお花!

マリーゴールドの基本情報です。

マリーゴールド

マリーゴールドの基本情報

学名:Tagetes
分類:キク科 / マンジュギク(タゲテス)属
和名:万寿菊・千寿菊  英名:marigold 
原産地:メキシコ・中央アメリカ・アフリカ

出回り時期は夏の終わりから秋。ビビットな黄色とオレンジが多いので、ハロウィンに合わせて10月に多く出回ります。

後述しますが、切花で出回るのは「アフリカン・マリーゴールド」という花の大きなタイプのものがほとんど。1本200~400円くらいでしょうか。

葉や茎に独特の香りがあります。


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マリーゴールドの品種はどんなものがある?

マリーゴールドの品種系統、3種類を覚えよう

マリーゴールドには様々な品種があり、おおまかに3つの系統に分けられます。

・フレンチ・マリーゴールド

花壇でよく見るタイプのマリーゴールドです。花の大きさは小さめで、草丈も低いタイプ。

メキシコ出身のTagetes.patula という品種をもとに作られたグループで、最初にフランスの王様の庭園に導入されたことから「フレンチ」の名前がついたのだとか。

・アフリカン・マリーゴールド

花はもりっと丸く大きく、草丈も高くなる大型のマリーゴールド。

メキシコ原産のTagetes.erecta という品種をもとに作られたグループです。メキシコ原産なのに何故アフリカ?というと、16世紀にヨーロッパがアフリカへ遠征した際、アフリカに持ち込んで栽培したから。

お花屋さんに切花として出回るのはこのタイプが多いです。

・メキシカン・マリーゴールド

メキシコ原産の Tagetes.tenuifolia をもとにしたグループで、花も草丈も最も小型のタイプ。冷涼な気候を好み、暑さにやや弱い種類です。

………

マリーゴールドと一口に言っても、園芸店さんの思い浮かべる花と、花屋さんの思い浮かべる花は少し違ったりするのです。まずはこの3系統があることを覚えておきましょう。

ここからの切花情報や写真は、切花のマリーゴールド(アフリカンマリーゴールド)について掲載しています。

マリーゴールドの切花の飾り方・日保ちについて。

マリーゴールドの切花、日持ちはする?

マリーゴールド

マリーゴールドの切花は、比較的日持ちは良い方です。葉っぱが先に黒ずんできてしまうので、汚くなった葉っぱは取り除きましょう。

茎はななめにカットします。

花屋さんできちんと水あげされたものであれば、それほど心配はありません。花屋さんでは「湯あげ」「水切り」などの方法で水あげをします。

 

マリーゴールドの飾り方・飾るときの注意など。

マリーゴールド

切花で出回っているのは「アフリカン・マリーゴールド」という花の大きなタイプ。このタイプのマリーゴールドは、花首に近い部分の茎が少し弱いです。

茎の中が空洞になっているので、花同士をぎゅっとくっつけて束ねたりすると、花首が折れやすい。

花首に近い部分を持つときは、茎が空洞で柔らかいことを念頭に、気を付けて扱いましょう。

マリーゴールドの花言葉は?

マリーゴールド

花言葉は、『嫉妬』『信頼』『悲しみ』『友情』『健康』 など

よい花言葉と、よくないイメージの花言葉がありますね。

マリーゴールドは古くからヨーロッパで愛されている花なので、神話にまつわるお話が多く、なかでもギリシャ神話の太陽神・アポロンに関わるお話が有名です。

太陽神アポロンに恋をしているカルタという美しい少女がいました。彼女の生きがいはアポロンを見つめること。朝日が登るのを日々待ち焦がれているうち、徐々に衰弱し、体が消え、やがて魂だけになってしまいました。

カルタの魂はかげろうのように太陽に吸い込まれ、その跡に1本のマリーゴールドが咲いていた……これがマリーゴールドの誕生秘話なのだそう。

アポロンに絡むマリーゴールドの神話は他にもいくつかあり、「太陽のような花=太陽神アポロン」のイメージに結びついているのだろうと思います。そのなかには悲恋のお話もあり、よくないイメージの花言葉はそんな神話に由来しているのです。

マリーゴールドの豆知識いろいろ。

害虫(センチュウ)予防のコンパニオンプランツ

マリーゴールドの有名な使われ方のひとつが「コンパニオンプランツ」としての利用です。

コンパニオンプランツとは、ある植物を育てるときに、一緒に植えると良い効果がある植物のこと。

マリーゴールドの独特な香り成分は、土の中の害虫である「センチュウ」を予防するのに効果があり、実際に農業でも利用されています。

三浦大根で有名な三浦半島では、夏の間畑でマリーゴールドを栽培し、それをすき込んで緑肥にすることで、冬の大根栽培に活かしているのだとか。

参考:
>>三浦の夏を彩る緑肥について

最近ではDNAレベルでの解明も進み、農業に役立つ植物としての注目度も高いお花なのです。

参考:
>>マリーゴールドの殺虫効果を解明 農作物の病害虫防除に期待

 

切花のマリーゴールド、まとめ。

マリーゴールド、まとめです。

・夏~秋に出回る季節の花。ハロウィンにもよく使われるオレンジ・黄色!

・大きく分けて3つの系統があるが、切花に使われるのは「アフリカンマリーゴールド」

・ギリシャ神話の太陽神・アポロンに由来する花言葉やイメージが多い

・香り成分にセンチュウ予防効果があり、農業分野でも利用されている

意外と、人間との歴史も深いマリーゴールド。秋のお花屋さんで見かけることも多いので、ぜひ手に取って飾ってみてくださいね。

 

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